韓国での出産。「昭和の女」が、我慢は美徳ではないと気づいた日
「日々の暮らしを綴ります」と言ったものの、
昔のことはよく覚えているのに、昨日のことは忘れている。
ということで少し昔話を。
韓国での出産は、まさに「命がけのフルコース」
私は結婚後、2年半ほど韓国で過ごしました。
妊娠・出産も韓国での経験です。
出産前には妊娠中毒症で2ヶ月近く入院し、
最後は陣痛促進剤を使って出産に臨みました。
しかし2日間の陣痛の末、結局は緊急の帝王切開手術。
麻酔から目が覚めると、日本から駆けつけてくれた母が、
「娘が無事に生まれてきてくれた」こと、
「2,140gと小さめだけれど元気なこと」を教えてくれました。
ホッとしたのも束の間、背中に伝わるのは、
ビショビショに濡れた布団の上で寝ている感覚。
出血が止まっていなかったようです。
急激に血圧が下がり、危険な状態ということで、
すぐに輸血が始まりました。
輸血を終えて出血が止まった後も、
体内の血の塊をかき出す処置が1日に何度もあり、
本当にもう意識が遠のくほどの激痛でした。
「昭和の女」のプライド
痛いときの反応というのは、人それぞれではありますが、
韓国では、わりと派手に痛みを表現する方が多いように感じました。
一方、私は「昭和の女」です。
日本人としてみっともない姿は晒したくない、
我慢こそが美徳だと、必死に痛みをこらえていました。
我慢は美徳じゃない?
そんな私を見て、同室の韓国人女性が声をかけてくれました。
「痛い時に我慢をしてはダメ。病気を見逃してしまう恐れもあるし、
医師も適切な治療ができなくなってしまう」
なるほど、本当にそのとおりだ、と思いました。
我慢することで、自分の身を危険に晒すこともある。
以来私は「痛い時は痛い」「辛い時は辛い」と
声を出すように心がけています。
身体の痛みだけでなく、心が痛い時も、です。
「痛い、辛い、なんとかして!」
あれから20年余り経ち、
私はすっかり「痛い、辛い、なんとかして!」
と遠慮なく口にできるおばさんになりました。
あの時はお礼を言う余裕もなかったけれど
声をかけてくださった同室の韓国人女性には、感謝しています。
これから目指すのは
ただ、自分が大きな声を上げられるようになった分、
他人の小さな「痛み」のサインには、敏感でありたい。
痛いと叫べる図々しさと、人の痛みに気付ける繊細さを兼ね備えた
最強のおば(あ)さんを目指していきます。
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