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EP REPORT(2026年9月1日 第2184号) エネルギーを見る眼『2050 年ネットゼロは不可能AI が暴く気候規範の虚構巨大テック3社が排出増』

エネルギー政策研究会発行(エネルギーフォーラム編集)の旬刊EPレポートの1コーナーである「エネルギーを見る眼」に『2050 年ネットゼロは不可能AI が暴く気候規範の虚構巨大テック3社が排出増』を寄稿しました。以下、記事の概要を紹介します(全文はEPレポート本誌にて)。

AIの急拡大が、巨大テック各社の環境目標と物理的現実の矛盾をあぶり出し始めている。

アマゾン、グーグル、マイクロソフトが公表した最新データでは、温室効果ガス排出量がそろって増加した。アマゾンは前年比16%増、グーグルは独自基準で18%増、マイクロソフトも25%増。各社が2030~40年に向けて掲げる排出削減目標は、AI投資の加速によってむしろ遠ざかりつつある。

■ 再エネでは吸収できないAIの物理コスト

各社は再エネ調達を拡大してきたが、問題はその外側に広がっている。とりわけ深刻なのがスコープ3だ。データセンター建設、GPUやサーバーの調達、鉄鋼・セメント、半導体――。AIを支えるのは、ソフトウェアのようには複製できない巨大な物理資本である。マイクロソフトではスコープ3が総排出量の86%を占め、資本財由来の排出は44%増えた。

■ 数字が悪化すると「物差し」が変わる

興味深いのは各社の説明である。グーグルとアマゾンは絶対排出量ではなく「炭素強度」を強調し、グーグルは独自の算定基準を採用。マイクロソフトは、カーボンフリー電力などの施策がなければ排出量は「もっと増えていた」という反実仮想まで示した。実際の削減ではなく、仮想線との差で成果を説明する構図である。

■ 「規範」から「物理」へ

問題は個別企業の弁明ではない。2050年ネットゼロという気候規範そのものが、AIという巨大な電力・設備需要の前で現実との齟齬を露呈している。

電力、鉄、セメント、半導体、そして資本。持続可能性を決めるのは理念ではなく、結局は物理とコストである。教条としてのESGから、計測と工学に基づく持続可能性へ。

巨大テック3社の排出増が突きつける教訓は、ただ一つ。

「現実を視よ」


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