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ベネズエラ石油「260兆円」の嘘〜掘れても売れない超重質油〜

2026年1月3日未明、米軍がベネズエラの首都カラカスを空爆した。トランプ大統領は「マドゥロ大統領夫妻を拘束し、国外に移送した」と発表。FOXニュースでは「アメリカが今後ベネズエラの石油産業に強力にかかわっていく」と明言している。

日経新聞は「260兆円の利権に群がる思惑」と報じた。

260兆円。この数字が一人歩きしている。

埋蔵量と価値は別物

確かに、ベネズエラの石油埋蔵量は3,000億バレル以上。サウジアラビアを抜いて世界第1位だ。単純計算なら260兆円になる。

だが「埋まっている」ことと「取り出せる」ことは違う。

ベネズエラの石油の大部分は「オリノコタール」と呼ばれる超重質油だ。日本エネルギー経済研究所の報告によれば、API度(原油の軽さを示す指標)は8〜10度。軽質油は30度以上なので、比較にならないほど重い。硫黄含有量も3.7%と高く、粘度はアスファルト並み。

地層から汲み上げるには加熱が必要になる。パイプラインで輸送するにはナフサで希釈しなければならない。通常の製油所では精製できない。つまり、掘っただけでは売れない。

インフラも崩壊している。

国営石油会社PDVSAの設備は数十年間の投資不足で荒廃した。France24は「外国資本と技術支援へのアクセスを失い、熟練エンジニアは国外に流出した」と報じている。生産量の推移を見れば明らかだ。ピーク時の1997年には日量345万バレル。2020年7月には39万バレルまで落ち込んだ。2025年11月時点で86万バレル。ピーク時の4分の1以下まで激減している。

2002年のゼネスト以降、12,000人以上の技術者が解雇された。専門知識を持つ人材が流出し、技術継承が途絶えた。設備を動かせる人間がいない。

さらに、中国とロシアがすでに深く食い込んでいる。中国は2025年に20年間の生産契約を締結した。米国が参入すれば、中露との利権争いが不可避になる。

仮に今日から開発を始めるとして、インフラ再建に数百億ドル。技術者の再雇用と訓練。超重質油を処理できる特殊製油所の建設。治安維持コスト。投資回収には数十年かかる。その間の政権交代リスク、原油価格変動リスク。不確実性が高すぎる。

イラク戦争の教訓

米国には失敗の前例がある。

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