「モノがなくなる日」は来るのか——コスト危機の先にあるテールリスクと、その見張り方
いつも読んでいただきありがとうございます。
4−5月は『モノが物理的に消えて飢える』シナリオは現実的でした、現在は『モノはあるが高くなる』コストの危機に移り変わっており、現実的なリスクとしてメインシナリオはこちらです。
この見立ては今も変わっていません。ただし、結論から言えば、物理危機は「来ない」のではなく「条件付き」です。そしてその条件は観測可能です。
漠然と怯える必要はありません。
しかし「絶対に起きない」と言い切るのは分析として不誠実です。この記事では、ベースラインシナリオが成立している前提条件と、それが崩れるテールシナリオ、そして私たちが監視すべき先行指標を整理します。
1. ベースライン「コスト危機」が成立している前提条件
まず確認です。なぜ「モノはあるが高い」をベースラインに置いているのか。それは、以下の3つの前提が現時点で維持されているからです。
① 代替調達ルートが物理的に存在する
ホルムズ海峡が閉じても、喜望峰迂回ルートは生きています。米国・豪州からのスポット調達も可能です。時間とコストはかかりますが、「買える場所がある」限り、これは価格の問題です。
② タンカー保険市場が機能している
戦争保険の料率は高騰していますが、「高い」と「引き受けない」の間には決定的な壁があります。保険が付く限り、船は動きます。
③ 政府備蓄が「時間を買う」機能を果たしている
石油の国家備蓄・民間備蓄は、事態が収束するまでの時間を買う装置です。政府は「年度を越えて確保」と説明しており、現時点でこの装置は機能しています。
この3つが揃っている限り、私たちが戦う相手は飢餓ではなく物価です。家計防衛の勝負であって、生存の勝負ではありません。
ここまでが、これまで発信してきた内容の再確認です。
問題は、この前提が崩れたとき何が起きるかです。
2. テールシナリオ——前提が崩れる5つの経路
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