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子どもを留学させたいと思っている親が『ユーフォリア/EUPHORIA』を見るべき理由

元LA在住、海ドラ歴25年以上で私生活では二人の子どもを育てるワーママの編集部AKNです。

パンデミックやストライキ、度重なる脚本の書き直しを経て、ようやくたどり着いた『ユーフォリア/EUPHORIA』シーズン3。結果としてそれは、私たちが知っていたこれまでのフォーマットをぶっ壊し、全く違う姿へと変貌を遂げていた。

ついに完結した『ユーフォリア』が突きつける、アメリカの「光と影」

このドラマは、始まりから終わりまで、良くも悪くも圧倒的に「アメリカ」だ。ドラッグ、トラウマ、開いた口が塞がらないほどの性の奔放さ、そしてSNS。若者たちがアイデンティティを模索しながら暗闇を彷徨う姿は、単なるフィクションとして片付けられない生々しさがある。作中の根底に流れるキリスト教的な価値観や、夜の街に見え隠れする乾いた虚無感は、アメリカという国が内包するリアルな一面である。

筆者自身、かつて現地で過ごした経験から、アメリカにおいてドラッグがいかに身近な存在であるかを痛感している。また、舞台であるLAで生まれ育ったアメリカ人の夫も本作の大ファンだ。彼曰く「実際の高校のチアリーダーはあんなに肌を露出させない」というローカルなツッコミはあるものの、作品が醸し出す特有のカオスな空気感には強く共感している。

我が家にはゆるくおうち英語を実施中の小さな娘たちがいるが、だからこそ今作を親の視点で見届けるのは辛かった。同時に、これから子どもをアメリカへ留学させたいと考えている親にこそ、今この作品を見て現実を知ってほしいと強く願う。

シャロン・ストーンが警告する「うちの子はそんなことしない」という盲信

本作のシーズン3からは、オスカー女優であるシャロン・ストーンがキャストに加わった。3人の息子の母親でもあるシャロンは、米Varietyの対談企画「Actors on Actors」にて、共演したキキ・パーマーに対し「『ユーフォリア』はテレビ界で最高のショーであり、すべての高校で上映され、すべての親が見るべき作品だ」と熱弁している。自身も家族の中でドラッグなどの問題を経験したというシャロンの言葉には、重い現実味がある。

キキが「過激なセックス描写の表面だけで(視聴を)止めてしまう人がいる」と指摘すると、シャロンはこう返した。 「うちの子はそんなことしないって、本当にそう言い切れる? 自分の子どもが誰とつるんでいるか、すべてを把握しているかしら?」

米CBSの朝の番組に出演した際にも、シャロンは司会のゲイル・キングに対し、親世代がこの作品を見る重要性を訴えた。当初、ゲイル自身も「今の子どもたちは本当にこんな行動をしているのか」と疑念を抱いたというが、実際に若者たちと言葉を交わしたところ「これこそが極めてリアルな現実だ」と返されたという。華やかな海外生活や留学という夢の裏には、親の目が届かないところで確実にうごめく若者たちの過酷な日常が存在する。

ゼンデイヤとサム・レヴィンソンが作品に込めた「親子の対話」

ショーランナーのサム・レヴィンソンと、主人公ルーを演じ2度のエミー賞に輝いたゼンデイヤは、本作の放送開始当初から、この作品が「親子の会話のきっかけ」になることを意図していた。

サムは「17歳未満向けのショーではないが、子どもがどうせ見るのであれば、それを機に親が子どもと会話を持つことが素晴らしい」と語る。また、ゼンデイヤも世間の「ショッキングだ」という反応に対し、次のように述べている。 「私にとってはショッキングではない。身近にそうした問題を抱えた友人がいたから。それが個人的な経験になく、そういう道を歩んでこなかった人にとっては衝撃かもしれないけれど、そんな人はほとんどいないはず」

ジェイコブ・エロルディやシドニー・スウィーニー、アレクサ・デミー、モード・アパトウらが演じた高校生たちは、シーズン3でタイムジャンプを経て若き大人へと成長した。だが、彼らが抱える闇は深く、むき出しの現実の残酷さは増すばかりだ。

激動のシーズン3が描く、不完全で愛おしい若者たちの結末

今シーズンに対する視聴者の評価は、SNSを見ても賛否論が渦巻いている。お馴染みのルーのナレーションや音楽が極端に削ぎ落とされたことで、ドラマ全体に空虚さを感じたファンも多いだろう。

だが、個人的にこの「がっつり変わってしまった」シーズン3は嫌いじゃない。むしろ、サムの野心としてはすごく好きだ。タイムジャンプという難しい手法をとりながらも、キャシーが大きなドールハウスの中で孤独な人形のように佇むラストショットなど、映像だけでキャラクターの心理を語り尽くす力は健在だった。ルーの最後のシーンは、親心というフィルターを通すと直視できないほどの痛みであり、彼女は本当に傷ついた迷子の子どもだったのだと痛感させられる。

ただ、一つだけ不満を挙げるなら、ジュールズの扱いだ。海外のコミュニティで「コカ・コーラのプロダクトプレイスメントより出番が少ない」と皮肉られたように、彼女の繊細な感情の揺れやルーとの繋がりがあまりにもあっさりと消費されてしまったことには落胆を隠せない。

それでも、アメリカという国が抱えるカオス、そして若者たちがもがく姿を、ここまで痛切に切り取った作品は他にない。

『ユーフォリア/EUPHORIA』シーズン1~3はU-NEXTで独占配信中。(海外ドラマNAVI)

編集部AKN 
(NAVI本家での担当過去記事はこちらより)

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