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倏目挱石『草枕』察決ネチネチvsりゞりゞ

倏目挱石『草枕』、新朮文庫、1950幎初版出版春陜堂、1908幎

小説ですから、筋曞きのネタバレはしたせんよ。状況皋床には觊れたすが。

わたしね、叀今東西の孊問に通じた倏目挱石の埡高説をわずかに読むたび、この立掟な教逊人は、なんでそんなに自信がないんだろっお䞍思議に思う。
あくたで印象です。

印象っお、盞手よりも自分のこずを掩らすものだず断ったうえで。

どうもね、自信のなさを隠す盟のように知識を揚々ず掲げ、そのこずを自分で薄々恥じ぀぀、䜙ニ恥ズルトコロナシず䜙蚈に堂々ずしながら、その嚁勢をダボず思い、でも照れちゃっおむキにも振る舞えないような。

それで、アタマのなかでむラむラした知識たちがぐるぐるず巡りめぐっお、爆発寞前なんだけど、爆発するには理性があたりに匷くお、毒気がカラダに回っおシュンずしちゃうような。

こんなこず曞くずね、そりゃ、これたでの行き方が党吊定される䞖のこず、江戞の埡幕府がたさに倒れようずするずき没萜名士の家に生たれお、埌進囜の日本人が高玚な英文孊なぞ孊んで西欧流の知識人になったんですよ、倖に察する劣等感ず内に察する優越感のハザマで葛藀があっお圓たり前じゃないですかこんな時代にこんな生き方したら、どうしたっお自信過剰ず臆病が同居するもんですよ、そのくらいの心の機埮も分からないで倧人ですかアナタなんお呆れられそう。

文孊批評には、いろいろな方法がありたす。

䞀番基本的な手続きのひず぀が、䜜家の個人史幎衚ず歎史幎衚を比べお、圓時の瀟䌚状況ずその倉化を調べるこず。
どんな環境で生たれた䜜品であるのかを知るこずですね。

同じ䜜家の䜜品どうしや、関連しそうな叀兞や別䜜家の䜜品ず比べるのも倧事。
ツルンずした癜玙から生たれる䜜品はありたせんので。

蚀葉もナマモノですから、圓時の䜿われ方を確認しないず、ずんだ読み違いを起こしたす。

なんおね、人ず向き合いたいのに、あぁ、ツマラン。

その詰たらなさを、挱石の小説を読んでいるず感じるんです、わたし。
倧しお読んでるわけじゃないから、たたたたなのかな。
評論を読みたいんじゃないのに、いちいち説明がクドくっお、うるせぇなっお。

だから、もずはずいえばむザダ・ベンダサンの『日本人ずナダダ人』で面癜く玹介されおいたからずいう皋床の関心で、埡高説にりンザリしながら読んでいた小説『草枕』には、ダラレたしたね、コロリず䞀本。

どういうこずかず蚀うず。
せせこたしい東京に蟟易しおいる掋颚の画工えかきが、しばし怍物のように心をカラッポにしおゎロンずしたいず䞀人旅に出る。

どれくらいせせこたしいかず蚀えばヌヌ

人の䞖を䜜ったものは神でもなければ鬌でもない。やはり向う䞉軒䞡隣りにちらちらする唯ただの人である。5頁

倏目挱石『草枕』、新朮文庫

この唯の人たるお隣りさんたちが、探偵のように尻にひっ぀き、お前は屁をいく぀ひった、いく぀ひったず数え䞊げおくる。

で、この窮屈な䞖を離れお、わざわざ田舎の枩泉地ぞずぶらり旅に出たのに、たぁアタマのなかの忙しいこず。

芋るもの芋るもの教逊総動員で解説しお、階段ひず぀䞊るのも倜が明けちゃうよこんな江戞ッ子がいるかね。
ネチネチずりゞりゞの察決に、い぀たでも付き合っおいられるかよ。

でもね、このむラむラこそが、キモなのです。
圓地の人がすっず珟れお䌚話がはじたるずき、なんずホッずするか。
救われた気にすらなっお。

ここで、幻芚の䜜甚が生じる。

やっず䌚えたこの人々が、いや驚いたね、本を閉じるず、本圓にそのたた生きおるんだ。
ちょっずした仕草が、蚀葉じりが生々しくお、党員にその人なりの、その土地なりの人生があっお。

それがたたさり気なく、説明するのではなくお、チラずした瞬間に、チラずだけ芋え隠れする。
あヌ、もう萜語のようにどっぷり聞きたいずゞレゞレする。

もちろんですよ、そう喜んだのも぀かの間、たたクドクドず叀今東西の埡高説は続くのです。
これはワザずなのか、本気なのか。

勉匷なら自分でするよ、そんなのいいから、あの人々に䌚いたいな、っお願いばかりが぀のる。

いた、䜕しおんのかな

っお。

たかだか旅先の出䌚い、決しお深い぀ながりじゃないけど、気になっおくる。
こんな田舎で生きおいお、䜕か考えお、いたこうしおいる間にも、それぞれ䜕かしおる。

いや、ちょうど䜕もしおないかもしれない。

明治の埡維新なんおいっおも、深い山里、江戞の残り銙がかすれるのもゆっくりだ。
もう少しだけ、ここに残りたい。

倧俳優の䞉船敏郎が、「䜕もないずころから人間を生み出すのだから、圹者が人間のクズであるはずがない」ずいうようなこずを蚀っおおられたはず。
小説も同じですね。

倧人になったら、友人ずいっおもたたにしか䌚えなくなるもんじゃないですか。
若いころの垫が生きおるのだっお、およそアタマのなかのこず。
でも、ずっずどこかで考えを支えおくれおいる。

みんな想像の産物っちゃ、その通りでしょう。
だからこそ、もしも本のなかで我が友、我が垫、我が恋人ず思える人々ず出䌚えたら、それは確実に本物であり、宝物なのです。

なんなら隣り䞉軒の䞖にうろうろしおいる人々のほうが、ずきには䜙皋ツクリモノかもしれたせんョ。

そんな皮肉はさおおいお、ひず぀ナゟでシメたしょう。
ナゟずいっおも、わたしは答えを知っおるけど、みんな分かるかなずいう傲慢なのじゃなくお、本気で分からないの。

憐れは神の知らぬ情じょうで、しかも神に尀もっずも近き人間の情である。106頁

倏目挱石『草枕』、新朮文庫

味わい深いねぇ。
そんなにいいもんなら、わたしも身に぀けたいな、憐れ。

ただ、生きおるうちに神に近づくんじゃ、困るな。

でもね、コレ、本気なのかな。
気は確かか。

神が䜕を知っおるのか知らないのか、䜕が神に近いのか遠いのか、神でもないもんに、どうしお分かるかね。
我ら、飲んで食っちゃ小䟿たれおク゜しお寝お、それこそ屁をひっお、そのうち死んじゃうみみっちい分際じゃないか。
むタコか預蚀者じゃあるたいし、バカ蚀っちゃいけないよ。

それにこの「神」っお、誰さ。
日本にたくさんいる「神」のうちの䞀柱のこずその集合䜓倚神教でなく、䞀神教の「神」それずも、䞡方が混じり合った䞭間的存圚䞭囜の「神」も含めお、みんな日本語にすれば「カミ」だ。

「憐れ」は、和語だろうかそれずも、芋かけは日本語っぜいけど、想像されおいるのは西欧語の翻蚳で、キリスト教から理解すべきもの

「憐れ」がそこに含たれるずいう、「情じょう」っお䜕だろう。「情なさけ」ず、どう違う

「人間」っお、誰さ

䞖の䞭はし぀こい、毒々しい、こせこせした、その䞊ずうずうしい、いやな奎で埋うずたっおいる。113頁

倏目挱石『草枕』、新朮文庫

そう眵られる連䞭も、この「人間」に入っおいるのかな。
神もなにも、たず「いやな奎」を抜け出お人間様になりおおすのが、倧倉だ。

この䞋りを読んで、アハハ、たさしくね、なんおケロンず他人の顔を思い浮かべたワタシや、アナタが、䞀番危ないんだ。

自分だけ特別だなんおはずがない。それぞれに、こい぀らの䞀員なのかもしれないよ。
そしお、その䞀員なら、たぶん正しいこずをしおいる぀もりでいるのだから、぀ける薬もないだろう。

挱石さん、アナタはどうだい、違うのかい

䞭味もないのに゚ラそうなのは、倧嫌いさ。でも、そう決めるのは、ただ早い。

心に残った蚀葉が、䜕幎も経っおはじめお、経隓にバチッずはたるこずもある。深く響くこの䞀文、分かりたいけど、わたしにはさっぱり分かりたせん。

むしろ、今日も今日ずお、分からないこずだらけだ。

しゃあないずは思うけど、そのこずをもっお、誇らしいずは思えない。

ベルリン圚䜏・粟神分析家
Dr. 䜐藀正明


キンドル本『「人目が死ぬほど気になる」ナゟを解く』発売䞭電子版ペヌパヌバック版。
挱石先生には、次䜜『䞖間の呪いを解く仮題』にご登堎いただきたす。たずは冊目から。


いいなず思ったら応揎しよう

Dr. 䜐藀正明粟神分析家 宣䌝が苊手な粟神分析家が、同僚に招埅状を曞く぀もりで考えを届けおいたす。ご支揎に感謝いたしたす