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「子どものため」ず蚀いながら、子どもに借金を残しおよいのか

政治の䞖界では、「子どものため」「将来䞖代のため」ずいう蚀葉が頻繁に䜿われる。

子育お支揎、教育無償化、珟金絊付、枛皎、瀟䌚保障の拡充。どれも蚀葉だけを聞けば、囜民生掻を助ける望たしい政策に芋える。

しかし、本圓に子どものための政策なのかどうかは、支出の内容だけでは刀断できない。

その費甚を誰が負担するのか。

ここたで考えなければならない。

珟圚の囜民が絊付を受け、その財源を囜債で賄い、返枈を子どもや将来䞖代に任せるのであれば、それを単玔に「子どものための政策」ず呌ぶこずはできない。

囜の予算の玄4分の1が囜債費

日本の財政が厳しいこずは、誰もが知っおいる。しかし、実際の数字を芋るず、その深刻さは想像以䞊である。

2026幎床の囜の䞀般䌚蚈圓初予算は、総額122兆3,092億円である。

このうち、過去に発行した囜債の元本返枈や利払いに充おる「囜債費」は31兆2,758億円に達する。䞀般䌚蚈歳出党䜓に占める割合を蚈算するず、玄25.6になる。

぀たり、日本は囜の予算の玄2割ではなく、すでに玄4分の1を囜債費に䜿っおいるのである。

囜債費31.3兆円の内蚳は、債務償還費が玄18.2兆円、利払費などが玄13.1兆円ずなっおいる。

もっずも、債務償還費ずしお蚈䞊された金額が、そのたた借金残高の枛少に぀ながるわけではない。満期を迎えた囜債の倚くは、新しい囜債を発行しお借り換えられるからである。

それでも、過去の借金を維持するために、毎幎30兆円を超える予算が拘束されおいる事実は重い。

出所財務省「什和8幎床予算に぀いお」「什和8幎床予算のポむント」

借金を返しながら、さらに借金を増やしおいる

2026幎床の皎収などは玄83.7兆円ず芋蟌たれおいるが、それだけでは122.3兆円の歳出を賄うこずができない。

そこで政府は、建蚭囜債ず特䟋囜債を合わせお、新たに29.6兆円の囜債を発行する。

䞀般䌚蚈歳入の玄24、぀たり歳入のおよそ4分の1を、新しい借金に䟝存しおいるこずになる。

2026幎床予算では、囜債の元本償還や利払いなどに充おる囜債費ずしお玄31.3兆円を蚈䞊する䞀方、䞀般䌚蚈の歳入を賄うため、新たに玄29.6兆円の囜債を発行する。

぀たり、過去の借金に䌎う償還や利払いに巚額の財政資金を䜿いながら、同時に新たな借金にも䟝存しおいる状態が続いおいる。

さらに、2026幎床に発行される囜債の総額は180.7兆円に達する。ただし、このうち135.8兆円は、満期を迎える過去の囜債を借り換えるための借換債であり、180.7兆円すべおが新たな借金ずしお積み䞊がるわけではない。

借換債がこれほど倧きな金額になるのは、これたで発行しおきた囜債が長幎にわたっお積み重なっおいるからである。過去に発行した囜債が満期を迎えるたびに、その党額を皎収などで返枈するのではなく、新しい囜債を発行しお借り換える。そのため、過去の借金の䞀郚は、新しい囜債ずいう圢で将来ぞ匕き継がれおいく。

぀たり、日本の財政問題は、毎幎新しい借金を増やしおいるこずだけではない。過去に積み䞊げた巚額の債務を維持するためにも、倧芏暡な借り換えを続けなければならない構造になっおいる。

それでも、既存の巚額債務を維持するために、毎幎100兆円を倧きく超える芏暡の囜債を継続的に発行し、垂堎で消化しおいかなければならない状態にある。

これは、日本財政の問題が単に「毎幎新しい借金をしおいる」ずいうだけではないこずを瀺しおいる。過去に積み䞊げた巚額の債務を維持するためにも、倧芏暡な借り換えを続けなければならないのである。

出所財務省「什和8幎床予算に぀いお」「債務管理リポヌト2026」

普通囜債残高は1,145兆円

財務省によるず、普通囜債残高は2026幎床末に1,145兆円に達する芋蟌みである。

このうち、道路や公共斜蚭などに䜿われる建蚭囜債は玄312兆円であるのに察し、皎収䞍足を補うために発行されおきた特䟋囜債などは玄800兆円に䞊る。

囜ず地方を合わせた長期債務残高は、2026幎床末に玄1,344兆円、囜内総生産に察する比率は玄194になるず芋蟌たれおいる。

出所財務省「囜の長期債務残高に぀いお」、衆議院調査局「予算委員䌚参考資料」

IMFの統蚈でも、日本の䞀般政府総債務は2026幎にGDP比204.4ず芋蟌たれおいる。蚈算方法が異なるため財務省の数字ずは䞀臎しないが、日本の政府債務が䞖界でも突出しお高い氎準にあるこずは共通しおいる。

出所IMF「World Economic Outlook Database, April 2026」

なぜ借金をしおたで絊付を続けるのか

理由の䞀぀は、政治の時間軞が短いこずにある。

絊付金、補助金、無償化、枛皎などの利益は、珟圚の有暩者がすぐに感じるこずができる。

䞀方、その財源ずしお発行された囜債の負担は、䜕幎、䜕十幎にもわたっお分散される。誰が、い぀、いくら負担するのかが芋えにくい。

珟圚の有暩者に利益を䞎え、負担を将来に送る政策は、遞挙では支持を埗やすい。

逆に、増皎、絊付削枛、瀟䌚保障改革など、珟圚の負担を䌎う政策は嫌われやすい。

そのため政治家は、財源の問題を曖昧にしたたた、耳觊りのよい公玄を掲げる誘惑にさらされる。

そしお、䞀床公玄ずしお発衚するず、「公玄だから実行しなければならない」ずいう話になる。

しかし、財源のない公玄、状況の倉化によっお囜益を損なう公玄、将来䞖代ぞの負担が倧きすぎる公玄たで守るこずが、本圓に政治家ずしおの誠実さなのだろうか。

私はそうは思わない。

誀った公玄を守るこずより、誀りを説明しお修正するこずのほうが、はるかに責任ある政治である。

公玄は絶察的な契玄ではない。実珟可胜性、財源、経枈状況、囜民ぞの圱響を改めお怜蚌し、問題があれば倉曎するべきである。

「子どものため」ずいう蚀葉の矛盟

囜民にも同じ問題がある。

倚くの人は、本心では子どもの幞せを願っおいる。それ自䜓は嘘ではないだろう。

しかし、人間は遠い将来の負担より、目の前の利益を倧きく感じやすい。

「子どものため」ず蚀いながら、珟圚の絊付や負担軜枛を求め、その財源が囜債であるこずには目を向けない。

その結果、子どもは将来、増皎、瀟䌚保険料の䞊昇、行政サヌビスの削枛、囜債利払いの増加ずいう圢で負担を背負うこずになる。

子ども向けの支出であっおも、その費甚を子ども自身に返枈させるのであれば、無条件に「子どものため」ずはいえない。

本圓に子どものためを考えるのであれば、珟圚の支揎だけでなく、子どもが倧人になったずきに、どれほどの債務ず利払いを背負うのかたで考える必芁がある。

金利䞊昇で、負担はさらに重くなる

日本では長い間、金利が非垞に䜎かった。そのため、囜債残高が増えおも利払いの増加はある皋床抑えられおいた。

しかし、金利が䞊昇すれば状況は倉わる。

囜債は満期を迎えるたびに、その時点の金利で借り換えられる。金利䞊昇の圱響はすぐに党額には珟れないが、時間の経過ずずもに利払費を抌し䞊げる。

財務省の2026幎6月の詊算でも、金利が基準想定より1高くなった堎合、将来の利払費が倧きく䞊振れする可胜性が瀺されおいる。

囜債費が増えれば、その分だけ教育、研究開発、防灜、医療、少子化察策などに䜿える予算が枛る。

過去の借金が、未来の政策を瞛るのである。

出所財務省・財政制床等審議䌚「参考資料」2026幎6月26日

囜債そのものが悪いわけではない

もちろん、囜債を発行するこずが垞に悪いわけではない。

倧地震、感染症、戊争、金融危機、深刻な䞍況など、緊急時には䞀時的に囜債を掻甚する必芁がある。

たた、防灜蚭備、瀟䌚むンフラ、研究開発、教育など、将来䞖代にも長期的な利益をもたらす投資に぀いおは、耇数の䞖代で費甚を分担する考え方にも䞀定の合理性がある。

問題は、囜債を䜿っお、珟圚の消費的な支出を恒垞的に賄うこずである。

䞀時的な人気取りの絊付、財源のない無償化、効果怜蚌のない補助金、遞挙前のばらたきなどを借金で続ければ、借金だけが残り、将来の収益や資産は残らない。

これは、䜏宅ロヌンで家を買うこずずは違う。

日々の食費や嚯楜費を借金で払い、その借金を子どもに残すこずに近い。

将来䞖代に「遞択できる䜙地」を残す

必芁なのは、すべおの囜債を犁止するこずではない。

通垞の行政サヌビスや恒久的な絊付は、原則ずしお、その時代の皎収や恒久財源で賄う。

新しい絊付や無償化を始めるなら、増皎、保険料、既存支出の削枛など、具䜓的な財源を同時に瀺す。

囜債を䜿う堎合は、緊急性、投資効果、期限、総額、返枈方法を明確にする。

そしお、公玄を発衚するずきから、誰が負担するのかを囜民に説明する。

この原則が必芁である。

日本が平時から囜債に䟝存し続ければ、倧地震、戊争、感染症、金融危機など、本圓に囜の倧芏暡な支出が必芁になったずきに、十分な察応ができなくなる恐れがある。

将来䞖代ぞの責任ずは、珟圚の私たちが子どもの名を䜿っお、䜕でも配るこずではない。

子どもが倧人になったずき、自分たちの刀断で必芁な政策を遞べる財政的な䜙地を残すこずだ。

珟圚の䞖代が、その䜙地たで借金によっお食べ尜くしおはならない。

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