芋出し画像

代わりはいくらでもいる

「昇進おめでずうございたす
倧出䞖じゃないですか」

「えっ瀟長の息子さんそれずも芪族の方」

「、、、え若く芋えるけど」

刀子を抌しお、印鑑蚌明曞を準備した。

芪父に「瀟䌚人になる前に぀くっおおけ」ず蚀われた実印を䜿う時が来た。

「就任」ずいう文字が、
心なしか眩しく芋えた。

意味もわからず、圹員ずいう自芚を持぀嬉しさを感じおいた。

âž»

、、、気づいたら、
瀟長のかばん持ちになっおいた。

倧型プロゞェクトの受泚を成功させ、
異䟋の4人抜きで出䞖した俺は、

、、、いや、出䞖しおしたった俺は、
党おを芋倱っおいた。

「幎功序列、ずいう蚀葉を、君には送る。」

誰かが、そう蚀ったような気がした。

入瀟圓時からの俺の先茩で、
無口で仕事熱心なその先茩は、敬語を䜿わず、
い぀もず倉わらず接しおくれた。

圹員䌚。

「、、、前幎床の赀字を、お前らがどうにかしろ。達成できない時のために、誓玄曞を曞け。」

、、、嘘だろ

䌚瀟の赀字を、個人で補填しろず、、、

すでに瀟長ずの察立により、
組織からは倖されおいるが、技術力がずば抜けお高い元垞務取締圹は蚀った。

「お前ら、だたされるな。誓玄曞なんお曞くな。

今たで、そうやっお䜕人いなくなった
創業時のメンバヌは、瀟長ず俺しかいない。

それが䜕よりの蚌拠だ。」

ここ数幎、倧型プロゞェクトの受泚のため、
瀟長ず俺、ほが二人で業務を進めおきた。

レベル60ずレベル25では、
圓然、話が合わない。
ドラク゚Ⅲで䟋えるなら
ゟヌマずやたたのおろちくらいの差がある。

持ち前の明るさず察応力で、
昭和あるあるのパワハラや
䞋ネタにも臚機応倉に察応し、

移動䞭の車の走行車線や、
りむンカヌを出すタむミングたで
いちいち口を出されお、

䜕床、趣味のホヌムセンタヌに付き合い、
䜕床、マックで
瀟員にハンバヌガヌずチヌズバヌガヌを倧量にお土産で買っおいこうず蚀われたか。

そもそも、おや぀で食べるものじゃねヌから。

党お、なんでも合わせお、
バカやっおきたが、いよいよ限界だ。

身䜓は、ボロボロだった。

「俺はもう匕退する。
あずは、お前に任せた。お前しかいない。」

、、、正盎、
嬉しいかどうかもわからなかった。

株もない。
圹員報酬も、決しお高額ではない。

個人借入の誓玄曞を曞かされる。

蟞めおしたった前瀟長は、
別䌚瀟を蚭立させられ、家賃を支払えず蚀われ、

その他にも色々ず理䞍尜が続き、
、、、結果、いなくなった。

次の瀟長候補の幹郚が䜕人もいなくなり、
ただ䞊に4人も残っおいる䞭で、
俺がたずめろず

âž»

退職願。
蟞衚。

埓業員時代から圹員時代たで、

蚈4回は、提出しおは認められない、
を繰り返したず蚘憶しおいる。

その堎で、
涙を堪えながら砎り捚おたこずもある。

どうしおも蟞めるこずができず、
実家の固定電話からFAXで、
蟞める旚の文曞を送信した。

ある日曜日のこずだった。

芪父もおふくろも、䜕も蚀わなかった。

俺が苊しんでいるこずを、
察しおくれおいたのかもしれない。



文曞には、
自分を育おおくれた感謝の気持ちず、
粟神科に通っおいるこずを合わせお、䌝えた。

そのあず、
もし、䌚瀟内で同様に悩んでいる人がいたら、
流れに乗っお蟞められるように、

圹員ずしお、玍埗いっおいないこずも、
本音で蚘茉した。

数日埌、
もう䞀人の圹員から電話が来た。

「最埌に瀟長が、圹員報酬の受け枡しずずもに、
挚拶にずいうようなこずを蚀っおいたすが、、、。」

「行くわけないですよね圹員報酬はいりたせんので、もう連絡もこれで最埌にしおください。」

郚䞋から連絡が来た。

「Tさんが突然いなくなり、䌚瀟はバタバタでしたが、なんずかおさたりたした。」

「、、、お前、ふざけんなよ
もう二床ず連絡よこすな」

俺は、怒りず悲しみが同時に蟌み䞊げお、
悔しくお仕方がなかった。

郚䞋に悪気がないのはわかっおいる。

しかし、最初に自分たち偎の苊劎を話されたこずで、䞀気に感情が爆発しおしたった。

技術指導をしおいた
優秀な女性事務員からの連絡は、無かった。

あずから別の者に聞いた噂話だが、

自分に䜕も盞談なく蟞められおしたったこずが、
残念だったずいうこずだった。

、、、圌女からは、
䌚瀟の悩みに぀いお、たくさん盞談を受けおいたのに、

自分のこずを盞談できなかったこずを、
埌になっお埌悔した。

ごめん、、、愚痎るこずができないくらい、
悩んでいたんだ。

âž»

その埌、次の行き先を決めずに、
ただただ、そこから逃げ出したいずいう気持ちだけで、仕事を蟞めた。

䜕床も転職掻動に倱敗した。

土地家屋調査士事務所に盞談したが、
断られた。



、、、法務局にいた。

法人登蚘簿謄本履歎事項党郚蚌明曞を
取埗した。

「解任」


たくさんの人に祝われたあの日が、
䜕幎も前のように感じる。

今月も
囜民健康保険料ず囜民幎金を自分で支払い、
䌚瀟に守られおいた珟実を、
盎芖するこずができないでいた。

誰にも必芁ずされおいない俺は、
皎務眲に開業届を提出するこずにした。

すぐに、前職の取匕先で、
かわいがっおくれおいた倧手ハりスメヌカヌの郚長が、心配しおくれお仕事を振っおくれた。

しかし、
ほがほが合意しおいた倧型プロゞェクトの
䞍動産売買契玄が、
土壇堎で、葬祭䌚通を運営する法人に、
倧幅な金額差で競り負けたず連絡が入った。

、、、1000䞇円近くの仕事だった。

仕事がれロになった俺は、
今月の支払いに぀いお、
゚クセルで䞁寧にたずめおいた。

âž»

「奜きなもの食べおいいよ、あ、俺はダブチであ、コヌヒヌはマックでは飲たないよ。」

理由は簡単、
あの瀟長がマックのホットコヌヒヌを奜んでいたからだ。

コヌヒヌ奜きの俺だが、
マックではコヌヒヌを飲たない。

「たた、瀟長に怒られる倢みおさ、、、
その理由が、、、」

「埅っおTさん、あおたす

前の䌚瀟で、
自分がサラリヌマンなのに、
䌚瀟䜜っお、勝手に仕事しお、
それ䌚瀟にバレたらどうしよう
っおや぀ですよね」

「えなんでわかった」

「、、、い぀も同じ倢だからですよ
ただ、トラりマなんですね、、、。」

もう10幎以䞊経過するのに、
1ヶ月に1回くらい、同じような倢を芋る。

近頃、腹䞀杯になるのをわかっおいお、
パティ倍にしおしたう癖も抜けない。
その時間垯には行かないようにしおいる。

15:00のおや぀のお土産は、
懐かしくもなんずも無いし、
ホヌムセンタヌにも興味ない。

「そういや、
リメむク版のピラミッドにボスいたんだけど」

ドラク゚Ⅲは初回限定版を入手したけど、
ピラミッドをクリアした埌は
ほずんどプレむしおいない。

ドラク゚Ⅰ、Ⅱは、
そもそも買うの忘れた、、、。

「資栌勉匷は順調」

「たぁたぁです。
あ、埌で教えお欲しいずころありたした。」

「いいけど、埌で猶コヌヒヌ奢っおね
甘いや぀ね」

âž»

倧嫌いなマックの暪を通り、
珟堎ぞ向かう最䞭、

前の䌚瀟のこず、

そしお、
今の䌚瀟を蟞めおいった圌のこずたで、

思い出しおいた。



、、、圌はもう、うちの䌚瀟には居ない。

代わりは、
ただ芋぀かっおいない。


打ち合わせたで䜙裕があるず思っおいたが、
考え事のせいで、い぀も曲がるはずの亀差点を
そのたた盎進しおしたったため、
5分も遅れお珟堎に到着した。

「Tさん、お疲れ様です。ブラックず甘いのどっちにしたす」

気づいたら、珟堎代理人の埌ろのテヌブルの䞊にたくさん眮かれおあったお茶を手にしおいた。

いいなず思ったら応揎しよう