分かって欲しい欲とネガティブ発言を控えて、自分の機嫌は自分で整える💕嫌なことと良いことは同じだけ起きている!?
「分かってほしい」
そう思うことは、
決して悪いことじゃない。
嫌なことがあれば、
誰かに聞いてほしい。
「それは大変だったね」
「あなたは悪くないよ」
そんな言葉に救われる夜もある。
でも、もし――
「分かってもらえないと、
自分の機嫌が直らない」
そんな状態になっていたら、
少しだけ立ち止まってみたい。
嫌なことは、
誰にだって起こる。
そして不思議なことに、
同じ一日の中には、
ちゃんと良いことも起きている。
ただ私たちは、
嫌だったことのほうを
何度も思い出し、
何度も誰かに話してしまう。
「分かってほしい」という気持ちが、
いつの間にか
「分かってくれない人が悪い」に
変わってしまうこともある。
だからこそ、
自分の機嫌は、
自分で整える。
ネガティブを無理に消すのではなく、
そこから少しだけ
自分の立ち位置を変えてみる。
同じ一日なら、
嫌なことだけを拾うのではなく、
良かったことにも目を向けてみる。
今日は、
そんな「分かってほしい欲」と
ちょっとだけ仲良くなる話です。
「ねぇ、聞いてよ」
美咲がスマホを置くなり、ため息をついた。
「今日さ、職場でこんなこと言われたの」
友人の彩は、黙って聞いていた。
「ひどくない?
私、こんなに頑張ってるのに。
なんで誰も分かってくれないんだろう」
「分かって欲しいんだね」
「そりゃそうだよ。
頑張ってるんだから、分かってほしいよ」
彩は少し笑った。
「でもさ。
『分かって欲しい』って、結構大変じゃない?」
「え?」
「相手が分かってくれるまで、
ずっと自分の機嫌を相手に預けることになるから」
美咲は黙った。
「今日嫌なことがあった。
それは仕方ないよ。
でも、その嫌なことを何度も誰かに話して、
『大変だったね』『かわいそうだね』って言ってもらわないと、
自分の気持ちが戻らないとしたら……」
「それ、相手次第になっちゃうね」
「そう」
彩はコーヒーを一口飲んだ。
「だから私は最近、
嫌なことがあった日は、
まず自分で自分の機嫌を取るようにしてる」
「どうやって?」
「今日あった嫌なことを一つ思い出したら、
同じ日にあった良かったことも一つ探すの」
「そんな簡単にある?」
「あるよ」
彩は笑った。
「朝、電車に間に合った。
店員さんが笑顔だった。
お昼ごはんがおいしかった。
誰かが『ありがとう』って言ってくれた。
大事件じゃなくても、
ちゃんと良いことは起きてる」
美咲はスマホを見つめた。
SNSには、
今日の嫌だったことを書こうとしていた。
「嫌なことって、目立つんだよね」
「うん。
だから共有したくなる」
「分かって欲しいから?」
「そう。
でもね、発信するなら、
『こんな嫌なことがあった』だけじゃなくて、
『私はそこから何を感じたか』まで持っていくと、
言葉のポジションが変わるよ」
「ポジション?」
「被害者の場所から、
自分で人生を見る場所へ」
美咲は少し考えてから、
スマホに打ち込んでいた文章を消した。
そして、新しく書き始めた。
『今日は嫌なことがあった。
でも、そのおかげで、
人の言葉をもっと丁寧に受け取ろうと思えた。
そして帰り道、空が綺麗だった。』
「……なんか、違うね」
「うん」
「同じ一日なのに」
彩は笑った。
「嫌なことと良いことって、
たぶん毎日、同じくらい起きてるんだよ。
違うのは、
どっちを拾って、
どんな言葉にするか。
『分かって欲しい』を少し手放すと、
『私はこう感じた』に変わる。
その瞬間、
誰かに機嫌を取ってもらう人生から、
自分で自分の機嫌を整える人生に変わるんだよ」
美咲はスマホを置いた。
「じゃあ、今日の嫌なことも、
無駄じゃなかったのかもね」
「うん。
嫌な出来事まで、
自分の味方にできるから」
窓の外を見ると、
朝の光が少しずつ強くなっていた。
今日の気付き
「分かってほしい」は、
誰にでもある。
でも、
分かってもらうことを
自分の機嫌を直す条件にすると、
心のハンドルを
相手に渡してしまう。
嫌なことがあったら、
吐き出していい。
泣いてもいい。
愚痴ってもいい。
ただ、その最後に一つだけ、
「今日、良かったことは何だった?」
と、自分に聞いてみる。
嫌なことと、
良いこと。
人生は、
どちらか一方だけが
起きているわけじゃない。
同じ一日の中に、
両方ちゃんと存在している。
だから、
ネガティブを消す必要はない。
拾う場所を変える。
「こんな嫌なことがあった」
で終わるのか。
「こんなことがあった。
だから私は、こう感じた」
まで進むのか。
その小さな違いが、
自分の立ち位置を変えていく。
誰かに機嫌を取ってもらうのではなく、
自分で自分の機嫌を整える。
それができる人は、
無理にポジティブにならなくても、
自然と周りに心地よい空気を
渡せるようになる。
今日、嫌なことがあったなら、
その出来事だけで
一日を決めない。
良かったことを、ひとつ探してみよう。
人生は案外、
ちゃんとバランスを取ってくれている。
