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「お金がなくなる世界」で、私たちは何を持つべきなのか


これから世界はどう変わっていくのか。そして、その変化の中で日本はどうなっていくのか。

この問題を考えるとき、多くの人が最初に聞きたくなるのは、おそらく同じことです。

「では、何を持っていればいいのか?」

金なのか、株なのか、外貨なのか、暗号資産なのか。

しかし、今回の話の核心は、実はそこではありません。

話者が

チリで中

央銀行やフィンテック関係者が集まる「Point Zero Forum」に参加した際、そこで強く感じたのは、

中央銀行デジタル通貨

、いわゆるCBDCが、

すでに将来の金融システムの一つとして当然のよう

に議論されていたことでした。

そこから出てくる問いが、

「現在の法定通貨そのものの役割が変わったら、私たちは何を持つべきなのか」

という問題です。

ところが、ここで「次に値上がりする金融商品は何か」と考えてしまうと、本質を見失います。

なぜなら、数か月、1年、2年という

短期の世界

と、5年、10年、20年という

長期の世界

では、考えるべきことそのものが違うからです。

短期の投資と、長期の社会変化を分けて考える

話者は、日本の財政や国債、円を巡って

大きな金融変動が起こる

可能性を以前から分析しているとしています。

ただし、それは今日や明日の投資判断と同じ話ではありません。

短期では、

株式や為替、暗号資産

など既存の金融市場が存在しています。そこではデータを分析し、AIなどを利用してトレンドを把握しながら、リスクを取ることもできる。

一方、

長期では

、その金融市場を成立させている*

*「お金そのもの」**の役割が変わる可

能性を考えなければならない。

つまり、

短期では「何を買うか」。

長期では「そもそも、お金とは何なのか」。


この二つを混同してはいけないということです。

そして短期の投資についても重要な前提があります。

投資は生活そのものを賭けるものではありません。

話者は、リーマン・ショック後、

退職金5,000万円を一つの株に投

入し、大暴落によってほとんど失ってしまった人から相談された経験を紹介しています。

ここで重要なのは、最終的に

投資を決めるのは自分自身だと

いうことです。

生活を支える

「生業」がまずあり

、そのうえで自分が

許容できる範囲のリスク

を取る。それが

本来の投資

であり、誰かの予測に人生そのものを預けることではありません。

では、本当に「お金」はなくなるのか

ここで紹介されているのが、斉藤賢爾氏の

『2049年「お金」消滅――貨幣なき世界の歩き方』です。


この本では、2049年には現在とはまったく異なる社会になり、

「昔はお金というものがあったらしい

」と若者が振り返るような世界が描かれています。

もちろん、これは「2049年のある日に突然、財布からお金が消える」という意味ではありません。

重要なのは、

交換を仲介するものとしての貨幣の必要性が徐々に低下

していく可能性です。

その背景にあるのが、現在の資本主義が抱えている一つの矛盾です。

お金を効率化し、金融を高度化し、資本を集中させればさせるほど、一部に富が集中します。

すると中間層が薄くなり、

多くの人は消費する余力を失って

いく。

一方、

富裕層も所得に比例して無限に消費するわけではありませ

ん。

その結果、社会全体では

お金が存在しているにもかかわらず、お金が動かないという現象

が起きます。

消費が減れば企業の売上が落ち、税収にも影響します。政府が税収確保のために負担を増やせば、さらに消費が弱くなる可能性もある。

つまり、貨幣の

仕組みを高度化した

先で、

逆に貨幣の循環そのものが弱

くなっていくというわけです。

そこで拡大する「シェア」という仕組み

その一方で広がっているのが、

シェアリングエコノミ

ーです。

例えば

民泊

宿泊施設を専門に経営していない人でも、空いている部屋を誰かに提供できます。

ライドシェアも

同じです。

職業ドライバーではない人が、自分の車と空いている時間を使って移動サービスを提供する。

フリーマーケットもそうでしょう。

商店を経営していない個人同士が、直接モノを売買することができます。

ここで起きているのは、単なる「安売り」ではありません。

これまで

専門家だけが提供

していた財やサービスを、

普通の人も提供

するようになっているのです。

つまり、

「専門家がサービスを提供し、消費者がお金を払う」

という一方向の構造から、

「誰もが何かを提供し、誰もが何かを受け取る」

という構造へ変わり始めている。

デジタル技術は、この変化をさらに加速させます。

誰が何を持っているのか。誰がどんな技能を持っているのか。誰が何を必要としているのか。

これらをAIやネットワークが瞬時に結び付けることができれば、必ずしもすべての交換に従来型の貨幣を介在させる必要はなくなるかもしれません。

食料とエネルギーの価格が下がったら

さらに大きいのが、食料とエネルギーです。

人間が生きるために必要なものの中でも、この二つは極めて大きな割合を占めます。

もし

技術革新によって、エネルギーを極めて低いコストで生産

できるようになったらどうなるのか。

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