#27 去り際に残したもの -END-
2月の冷たい風が、制服の襟元から静かに吹き込んでくる。
その日も私は待機所に停めた機動車の中で、いつもと変わらぬ無線の音に耳を傾けていた。外見上は何ひとつ変わらない日常だったが、心の奥では、確実に時計の針が進んでいるのを感じていた。
12月に退職の申し入れから、すでに数週間が経っていた。沢木副隊長はその話を穏やかに受け止め、引き止めるどころか、私の決断を尊重するような言葉までかけてくれた。ただ、その一方で、仲間たちにはまだ何も伝えていなかった。
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Kindleで配信中の上巻『偶然だったけど間違いじゃなかった』に続く本作では、警備員として歩み始めた日々から、機械警備機動員としての苦悩や成長、そして退職に至るまでを描きます。
上巻と合わせて読むことで、警備という仕事に懸けた一人の人生の軌跡がより鮮やかに浮かび上がります。
※電子書籍版は、一部再編集して出版する場合があります。
警備という道を歩いてきた 第1部 制服に憧れて 下巻
1,000円
ノンフィクション小説シリーズ『警備という道を歩いてきた』第1部下巻〈制服に憧れて~憧れと現実に向き合った日々~〉を先行公開します。 すで…
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