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Netflixシリーズ『ガス人間』|兄妹愛に泣かされた話

日本のNetflix週間TOP10(映画以外の番組部門)で2週連続1位を獲得し、世界28の国と地域でもTOP10入りするなど、大きな話題となっているNetflixシリーズ『ガス人間』を紹介します。

私は全8話を2日間に分けて、一気に観ました。見始めると引き込まれて止まらないので注意です。

1話1話があっという間に過ぎ、「え~、このあとどうなるの~」の連続でした。

核心部分のネタバレはしませんので、これから観る予定の方も安心して読んでいただければと思います。

「そうだったのか」と唸らされた脚本

物語は、謹慎中の刑事・岡本賢治(小栗旬)が、前代未聞の連続爆死事件の捜査に加わるところから始まります。

「ガス人間」を名乗る謎の存在による連続殺人。

事件の裏には、警察、報道、動画配信者、政治家、裏社会など、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、最後には驚くような真実へとたどり着きます。

物語の後半で、

「そういうことだったのか……。」

と思わず声が漏れ、もう一度最初から見返したくなりました。

伏線の回収も見事で、脚本の完成度の高さに感心させられる作品でした。

私が心を揺さぶられたのは「兄妹愛」

物語は、謎の「ガス人間」による連続殺人事件を軸に展開するSFサスペンスです。

しかし、私が最も心を動かされたのは、動画配信チャンネル「フジタとカホの恐怖地帯」を運営する兄妹でした。

兄・藤川富士太(林遣都)。

妹・藤川華歩(広瀬すず)。

極貧生活を送り、ビルの屋上にあるボロ小屋を住まいにしています。

妹は生まれつき顔に大きなアザがあり、人前に出ることを避けています。

そんな妹のために、兄は必死です。

「何者かになりたい。」

「妹を幸せにしたい。」

その一心で、配信をバズらせるために命の危険すらある「ガス人間」へ近づいていきます。

一方の妹は、兄にこう伝えます。

「危険なことはしないで。私はこれで結構幸せよ。」

この一言に、私は胸が締め付けられました。

妹が本当に望んでいたのは、お金でも、見た目でもありません。

兄が無事で、そばにいてくれること。

それだけで十分幸せだったのです。

兄は妹を幸せにしたい。

妹は兄を失いたくない。

お互いを思いやる気持ちが、本当に美しく描かれていました。

私は、この兄妹の物語を見ながら、こんなことを考えました。

これは作品の中で語られたことではなく、あくまで私自身の解釈です。

兄は、妹の手術代を稼ぎたかったのはもちろんですが、

人前に出ることができなかった妹に「活躍できる場所」や「社会とのつながり」を与えたかったのではないか。

「フジタとカホの恐怖地帯」という配信チャンネルは、そのために兄が必死で作り上げた居場所だったように、私には思えます。

実際に、兄は妹に「配信に出てみないか」と勧めます。

しかし妹は、顔のアザを理由に、その申し出を受け入れることができません。

それでも兄は、妹が自分らしく生きられる居場所を諦めてはいなかったように、私には思えました。

「妹が一人でも生きていけるように」という自分の命を懸けた深い愛情だったように感じました。

私に重なった兄妹の姿

この兄妹を見ながら、私は昔の自分を思い出しました。

私は二人の子どもの父親です。

子どもたちがまだ小学校低学年の頃、妻が家を出ていきました。

生活を支えるため、仕事を優先する毎日でした。

授業参観や懇談会にも、ほとんど出席できませんでした。

ある日、担任の先生から学校行事に参加することの大切さが書かれた手紙をいただき、胸が痛んだことを今でも覚えています。

今では子どもたちは本当に仲が良く、何でも話せる関係になりました。

だから、『ガス人間』に登場する兄妹の姿は、私には決して他人事ではありませんでした。

存在しているだけで価値がある

この作品を観終わって、改めて感じたことがあります。

動画配信チャンネルの兄妹だけでなく、登場人物それぞれに「この人だけは失いたくない」と思う相手がいました。

事件のスケールは大きくても、最後に心に残ったのは、そんな人と人とのつながりでした。

私自身も、長い間「何者かにならなければ」と思い続けて生きてきました。

だからこそ、この作品を観終えた今は、「誰かにとって大切な存在でいられること」のほうが、ずっと幸せなのかもしれないと思っています。

派手なアクションや巧妙な伏線も見どころですが、私にとって『ガス人間』は、兄妹の深い愛情が最後まで心に残る作品でした。


私は作品の中でキーとなる「いとしのエリー」が「ガス人間」を観る前と観た後で、全然違う曲に聞こえました⇩




ちなみに、1960年公開の映画『ガス人間第一号』を先に鑑賞しましたが、こちらも時代を感じさせない名作でした。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この作品を通して私が感じたことに、少しでも共感していただけたなら嬉しく思います。

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