ジンバブエから学ぶ、小学生でも分かる「お金を刷りすぎると何が起きるのか」
【読む前の注意書き】
この記事には「100兆」「1垓(がい)」といった、日常生活の買い物では絶対に見かけない異常な桁数の数字が登場します。頭がくらくらする可能性がありますのでご注意ください。
導入:もし明日、うまい棒が「100億円」になったら?
ちょっと想像してみてください。
今日、15円で買えた大好きな駄菓子。 明日お店に行ったら、店主のおじさんにこう言われます。
「ごめんね、今日からうまい棒は100億円だよ」
「は? 意味わからないんだけど!」と思いますよね。 でも、家に帰って、お小遣いをもらうと、なぜか封筒の中には「1000億円札」がどっさり入っている。
「やった! 大金持ちだ!」……とはなりませんよね。 だって、たった10円の駄菓子を買うのに「100億円」も払わなきゃいけないなら、1000億円あっても10個しか買えないのですから。
「そんなバカな話があるわけないでしょ」
そう思ったあなた。 実はこれ、地球上で何度も実際に起きた「大失敗の歴史」なのです。
「国がお金を無限に作れば、貧しい人がいなくなってみんな幸せになれるんじゃないの?」 そんな素朴な疑問が引き起こした、世界のカオスな事件簿を覗いてみましょう。
事例①:100兆ジンバブエ・ドル札が生まれた国「ジンバブエ」
まず紹介するのは、アフリカにあるジンバブエという国です。
2000年代、ジンバブエの政府は大きな失敗をして国にお店で売る商品(食べ物や服など)がなくなってしまいました。 困った政府はどうしたか?
「よし! お金がないなら、印刷機で札束をいっぱい刷れば解決だ!」
政府は猛烈な勢いでお金を刷りまくりました。 すると何が起きたか?
パン1個を買うのに札束の山が必要になった
買い物に行く時は、財布ではなく「リヤカー」や「大きなスーツケース」に紙幣を詰め込んで運ぶ
朝と夕方で食べ物の値段が変わる(夕方には2倍の値段に!)
最終的に、ジンバブエ政府は「100兆ジンバブエ・ドル札」という、世界も呆れるレベルのお札を発行しました。数字で書くと「100,000,000,000,000」です。
で、この100兆円札で何が買えたと思いますか? 「バスの乗車券1枚」または「食パン数枚」です。
お金の単位は「兆」なのに、生活は超貧乏。 最後には「こんな紙きれ、誰もいらない!」と国民に見捨てられ、ジンバブエのお金は使えなくなってしまいました。
事例②:優等生国でも起きた…「ドイツ」の薪代わりにされたお札
「まあ、ジンバブエは特別な例でしょ?」と思った方、甘いです。 実は、世界有数の技術を持つ超優等生国・ドイツでも同じことが起きています。
今から約100年前(第一次世界大戦の直後)、戦争に負けたドイツは大金(賠償金)を払わなければならなくなりました。 困ったドイツ政府もまた、禁断の裏技を使います。
「よし、お金を刷って払おう!」
結果どうなったか? ドイツの通貨「マルク」の価値は一瞬で暴落しました。
パン1個が「460億マルク」に値上がり
札束があまりにもゴミ同然になったため、子どもたちが札束を積み木代わりにして遊ぶ
暖炉で燃やす「薪(まき)」を買うより、お札をそのまま燃やした方が安いので、みんなお札を暖炉に放り込んで暖をとった
あの真面目で優秀なドイツでさえ、「お金を刷りすぎる」という誘惑に負けた瞬間、社会が崩壊したのです。
事例③:【世界記録】15時間で物価が2倍!「ハンガリー」の限界突破
世界には上には上がいます。 歴史上、最も狂ったハイパーインフレを引き起こしたチャンピオン、それが第二次世界大戦直後のハンガリーです。
ハンガリーの記録は桁違いです。
15時間ごとに物価が2倍になる(朝買った500円のラーメンが、夜には1,000円、翌朝には2,000円になる)
朝給料をもらったら、走って買いに行かないと昼には価値が半分になる
最終的に発行された最高額の紙幣は「1000万兆(10垓・がい)ペンゲー」
「億」の次が「兆」、その次が「京」、その次が「垓(がい)」です。 数字が大きすぎて誰も計算できなくなり、街中にお札がゴミのように捨てられました。掃除夫がほうきで札束を落ち葉のように集めて燃やしていた写真が残っているほどです。
事例④:【現在進行形】石油がたくさんあるのに貧しい「ベネズエラ」
「でもそれって大昔の話でしょ?」と思ったあなた。 実は現代(2010年代〜今)でも全く同じことをやらかしている国があります。南米のベネズエラです。
ベネズエラは世界有数の「石油がたくさん採れる国」でした。 しかし、政府の政策失敗でお金がなくなると、やっぱりやってしまったのです。
「お金がない? じゃあ刷ればいいじゃない」
結果、数年間でインフレ率は数百万パーセントに達し、お金の価値は文字通りゼロになりました。 街では、使えなくなった紙幣を折って「バッグ」や「サイフ」を作って観光客に売る職人が現れる始末。お金でお金を入れる財布を作るという、笑えないギャグのような事態が今も起きています。
なぜ「お金を刷りすぎる」と価値が下がるのか?
ここまで読んで、「なんでお金を増やすとダメなの?」と疑問に思うかもしれません。
答えは超シンプル。「限定トレーディングカード」と同じです。
世界に10枚しかない超レアカードは、みんなが欲しがるから1枚10万円の価値がつきますよね。 でも、カード会社が「儲かるから!」と言って同じカードを1億枚刷ったらどうなりますか?
どこにでも落ちているカードになり、価値は「1円」になりますよね。
お金もまったく同じです。 世の中にある「商品(野菜や服やゲーム)」の量が変わらないのに、お金の量だけが100倍になれば、お金1枚の価値は100分の1になります。
「お金」はただの交換チケット
「商品やサービス」こそが本当の価値
チケット(お札)だけをどれだけ増やす機械を作っても、交換できるリンゴや肉が増えなければ、お腹はふくれないのです。
まとめ:お金の本当の正体とは?
歴史が教えてくれる最大の教訓。 それは、「お金とは、みんなの信用でできた幻」だということです。
「この紙切れを出せば、相手が美味しいご飯をくれる」と全員が信じているから、紙切れが「お札」になります。 しかし、政府が楽をしてお金を刷りすぎると、みんなの信用が消え去り、ただの「燃えるゴミ」に戻ってしまうのです。
もし将来、政治家が「国民全員に1億円ずつ配ります!お金はたくさん作ります!」と言い出したら……
大喜びするのではなく、「ヤバい、ジンバブエになるぞ!」と疑える賢さを、私たちは持っておきたいですね。
記事が面白かったら…
「知らなかった!」「100兆円札ヤバい」と思った方は、ぜひ「スキ」や「シェア」をお願いします!
いいなと思ったら応援しよう!
この記事は noteマネー にピックアップされました

