吹田の踏切🚃💨
どうも、笑いをとるためならなんでもやります、筆記亭能人でございます。
お久しぶりでございますねえ。
ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。
お変わりなくお過ごしのことと存じます。
つい先だってお花見やらゴールデンウイークなんぞ話しておりましたら、もうじき梅雨明けでございますねえ。年を取るほどに時の流れが早うございまして、還暦どころか古希やら喜寿になりますれば、一ヶ月でまる1年経ったような体感になりそうで恐ろしいですねw
いやはや、ここんとこ作者さんのお仕事のほうが立て込んでおりましたようで、このアカウントもほったらかしの放置プレイ状態でございましたが、お留守の間にもですね、まあ界隈のみなさんフォロワーのみなさん温かく見守ってくださいまして、心より御礼申し上げます。
ひと月も経ちましたらすっかりあのひとは今?状態と化してるだろうなあ〜と思っておりましたが、有難いことでございます。
なんでも作者さん、聞くところによりますと、気温が高くなってきたら小説なんて辛気臭いもんはぜんぜん書く気にならない体質らし〜ですね。恐竜みたいな変温動物なんでしょうか。盛夏の頃は投稿なんぞ皆無かと思われますが(笑)困ったもんでございますねぇ。
え?ご無沙汰にしちゃあよくしゃべる野郎だな?
ええわたくし本業は噺家でございましてね、「文点」の司会だけじゃ生業が立ちませんので(笑)ひとつよろしくお願い申し上げます。
ええ、いっぺんでいいからわたくしの口上だけの記事をやってみたかったんですよw
なんでございますか最近は、テレビの視聴者プレゼントの応募なんて〜のも、電話1本で済んじゃうんですね。むかしはシコシコとハガキなんぞ書いたもんですが、このまえたまたま拝見しておりました朝方の情報バラエティー番組ですか、そのプレゼントに試しに応募したんですよ。そしたら応募したことも忘れたころにスタッフさんから非通知のお電話いただきまして、なんと当たったんですねえ。ええ、それがお子様向けのアトラクションの入園券でございまして、あたくし男やもめの独り者なんですね。なんで応募したんでしょうか?(笑)金券ショップにでも持って行こうかなあ〜なんて思うきょうこの頃でございます。
人間生きてりゃいろんなことがございますねぇ。
さて、きょうの演芸コーナーは漫才ですね。
さいきん乗りにノッております若手です。
湊川はるとあきとのご両人です!(拍手)
漫才 吹田の踏切
(出囃子と共にコンビが登場。センターマイクへ)
二人「はい、ど〜〜も〜〜っ!」
はると「湊川でございますう〜!」
あきと「いや、あなたのお尋ねの件なんですけどね」
はると「お、いきなり何の話?」
あきと「ええ。吹田の踏切、まだ鳴ってますわ」
はると「そら鳴っとるね。電車通っとるからね」
あきと「あの遮断機の長い丈の棒あるでしょ。あの黄色の塗料がね、ぼくの爪と同じ速度で剥がれていってるんですよ」
はると「おっそ! ずっと見てなあかんやん」
あきと「でね、それを柱の裏で記録してるヤツがおるらしくて。正の字が72個ありました」
はると「アホか数多すぎるわ!72本て、ほな360回剥がれたんか。ヒマなんか、その柱の裏のヤツは」
あきと「それで、この前送ってくれた写真の犬」
はると「おお、うちの柴犬かわいいやろ」
あきと「あれ、左の耳だけ濡れてましたわ」
はると「キミ細かいな! 気づかんかったわ」
あきと「あのね、本物の柴犬の耳は、常に乾いてるもんなんですよ。封筒の裏みたいな手ざわりじゃないと。あれはAI生成犬ですね」
はると「いや、どんな手ざわりやねん!舐め回したんかキミ」
あきと「まぁ、ご心配には及びませんよ。私の鎖骨のあたりに翳りがあるって言われましたけど」
はると「怖いこと言うなよ、病気か?」
あきと「医者が言うには、レントゲンのノイズやと」
はると「おお、そらよかったやん」
あきと「いや、でもね、その医者がグレープフルーツを素手で剥く人なんですよ」
はると「……それ関係あるん?」
あきと「指先がいつも酸に灼けた匂いがしてて。そんな手で撮った影を、どこまで信じていいのやら」
はると「いや関係ないがな!撮るのはレントゲン技師やろ!」
あきと「半夏生のあとに、鳳仙花の莢が弾ける方の七月十三日なら覚えてるんですけどねぇ」
はると「七月十三日は1回しかないねん!弾けへん方の十三日って何やねん!」
あきと「あ、そうそう。そちらの天候についてのお便り、読みました」
はると「まあ、雨のちくもりとかね」
あきと「こちらでは、蝉の幼虫が地表まであと三センチのところで止まっております」
はると「いや出てこいよ! あと三センチやろ!」
あきと「それが止まっててね、地上のどの音なら浴びてもいいか決めかねてるんだと思います」
はると「いや選考基準が厳しいねん。創作大賞やないねんから。浴びてもええもんは、今の時期やったら紫陽花の開花音か、キミのその喋り声やろな」
あきと「あなたがかつて、どの壁にも鼓膜があるとおっしゃったこと、この頃ようやく舌の上で転がせるようになりました」
はると「はよ飲み込めよ! ずっと転がしてんのかい!」
あきと「あと、アルミの匙、届いてます」
はると「ああ、このまえお中元に送ったやつな」
あきと「引き出しの手前から三番目に仕舞いました。並べるとこの匙だけが冷たくて。あなたの掌の温度がまだ滲んでいるのか、あるいはもともと体温を受け取らない仕様だったのか」
はると「どっちでもええわ! 漫才でポエムすな!」
あきと「……お聞きしようとした番号は、番号ではなくなっていました。不一」
はると「解約されとるやんけ! 漫才ちゃうんかい、手紙やったんかこれ?」
あきと「それから昨日、正の字を数えてきました」
はると「また吹田に行ったんかいな!」
あきと「73個目は、まだ横棒が足りない。あの柴犬は、まだ耳を乾かしたままでしたわ」
はると「……もうええわ!」
(二人、礼)
(舞台袖に捌ける。拍手)

