兌換紙幣と不換紙幣の違いを知ればきっと日本経済は復活する
前回はバブル崩壊後から立ち直れない状況、
失われた30年からさらに失われたX年を更新している
日本政府の原因を追及しました。
それは、政府支出が圧倒的に足りなかったから。

債務が膨張し、日本の借金はますます増えている。
新聞やテレビなどではそのように述べていますが、
実情は全く違いました。
債務の額ではなく、前年度の支出との比較である
累積債務上昇率を日本と他国で比較すると
圧倒的に債務の増加、つまり政府支出が
足りていないことが分かりました。
そして、政府支出が足りないことは
GDPの低成長につながることも
グラフにすることで明らかになりました。

では、なぜ日本は自国を貧しくしてまで
政府支出を減らし続けたのでしょうか。
それはおそらく、支出と税金とに密接に関係している
貨幣というものの本質を見誤っていることに原因があります。
税金とは何か
税金とは何でしょうか。
財務省のホームページには、以下のような記述があります。
税金とは、年金・医療などの社会保障・福祉や、水道、道路などの社会資本整備、教育、警察、防衛といった公的サービスを運営するための費用を賄うものです。みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくため、この費用を広く公平に分かち合うことが必要です。
上記の通り、そして学校でも習う通り、
税金は公的サービスのために国民から集めるための行為。
そのように認識されています。
しかし、それが間違いなのです。
なぜなら、現在は日本は管理通貨制度だからです。
管理通貨制度では、政府が自由に貨幣を発行できます。
自由に貨幣を発行できる政府。
そんな政府がどうして貨幣を集める必要があるのでしょうか。
管理通貨制度のもとでは通貨当局は金や銀などの保有量とは無関係に通貨供給量を増減させることが出来るので、第二次世界大戦後から情報革命を背景に電子記録としての預金通貨を止め処なく増やしている。
政府が自由に貨幣を発行できる。
このように書くとすぐにMMTと結びつけられ
しかも「無限に貨幣を発行していい」などと
極大解釈をされがちです。
しかし、そのように誤解される方は
おそらく管理通貨制度と金本位制の理解が
出来ていないのだと思います。
管理通貨制度は、政府が金銀などの保有に関係なく
自由に貨幣を発行することのできる制度です。
発行される貨幣は不換紙幣。
一方で、戦前は金本位制であり発行される貨幣は兌換紙幣でした。
金、つまりゴールドと交換のできる貨幣です。
戦前
金本位制度
金(ゴールド)と交換できる金兌換紙幣を発行。
現在
管理通貨制度
自由に発行できる不換紙幣を発行。
ここでよくみられる誤った見方が一つあります。
それは兌換紙幣の意味そのもの。
金兌換紙幣は金と交換できる貨幣。
そのような説明をなされますが、
現在の不換紙幣も金を購入することができます。
では、一体、金兌換紙幣と不換紙幣の違いは何でしょうか。
(この質問に答えられなかった社会科の先生がいらっしゃいました)
それは
「金兌換紙幣とは金(ゴールド)を持っていないと発行できない貨幣」
ということです。
金(ゴールド)を持っているからいつでも交換できる。
そのような状況でなければ金兌換紙幣は発行できないのです。
それが理解できれば、管理通貨制度の貨幣も理解できます。
「不換紙幣とは金(ゴールド)を持たなくとも発行できる貨幣」
ということになります。
だからMMTでは「貨幣を自由に発行できる」としているのです。
ここでの「自由」とは「金銀の準備をする必要がない」という意味です。
「貨幣をいくらでも発行して良い」という意味ではありません。
どこにも『MMT入門(ランダルレイ著)』にはそのような記載はありません。
『MMT入門』では管理通貨制度をただ辞書的に述べているだけなのです。
そしてこの「自由」の本来の意味が分からない方が
「貨幣を自由にいくらでも発行して良い」と
勘違いの解釈をされているのだと思います。
話を戻します。
政府は貨幣を自由に発行しました。
でももちろん、不換紙幣を発行したままではいけません。
貨幣が増えれば当然貨幣の量が増え、価値が下がるからです。
貨幣の価値が下がれば、物価は当然上がります。
だから増えた分の貨幣を回収しなくてはいけません。
それこそが税金なのです。
管理通貨制度における税金はインフレ抑制そのものなのです。
金本位制では金(ゴールド)そのものである
金兌換紙幣を集めて国家の大きな支出に使用しました。
一方で管理通貨制度では
政府が国家の大きな支出を貨幣発行して支払う。
その後、支払い分を税金として集め物価を戻すのです。
戦前……金本位制度
金(ゴールド)を持っていないと発行できない貨幣を発行
税の役割は貨幣を貯めて大きな支出に備える
現在……管理通貨制度
金(ゴールド)を持たなくとも発行できる貨幣を発行
税の役割は貨幣の量を減らして物価を下げる
しかしもし、管理通貨制度においてこの本質を理解していないと
どうなってしまうでしょうか。
金本位制度と同じように「貨幣をたくさん集めないと支出できない」と
時代遅れで金本位制的な考え方に縛られてしまうでしょう。
管理通貨制度は大きな支出をしやすくするための制度なのに。
この考え方の元に生まれるのが「財源」です。
政府にとってただの紙切れである紙幣を「財」として集めることに
日本政府最大の誤り、そして失われた30年の原因があるのです。
おそらく、日本以外の世界各国の政府は
財源をただの目安としてしか見ていません。
だから今でも支出を拡大させ続けているのです。
その結果として、GDPも増加させているのです。

細かいことですが、日本では貨幣を金(かね)と呼びますが
貴金属の金(きん=ゴールド)と同じ文字であることも
色々なところで混乱を招いているような気がしています。
「金(かね)」と「金(きん)」。
「自由に発行」と「金銀準備の必要がない」。
「財源」と「物価抑制」。
それらのことばの取り違いを訂正することが
日本経済復活の鍵になっていると思っています。
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