プリンスアイスワールド(PIW)
プリンスアイスワールド(通称PIW)は、日本のアイスショーの中では最も歴史が古く、今年(2024年)は45周年と打ち出しています。
他のアイスショーと最も大きく異なるのは、プリンスアイスワールドチームというプロのスケーターのカンパニーがあり、そのメンバーによるグループ演技が大きな見所となっている点です。
ゲストスケーターという形で、10名前後の著名スケーター(現役、プロ問わず)も出演します。また、キッズスケーター(たいていは近隣リンク所属の選手でしょうか)の出演する演目もあります。
現地観賞をして感じたこと
チーム演技の魅力
一番の見所は、やはりチーム(男女あわせて25人程度)で構成される演技です。
シングル、ペア、アイスダンス、そしてシンクロの要素をふんだんに盛り込み、ジャンプやスピンといった技術的な部分だけではないフィギュアスケートの魅力を存分に発揮し、伝えてくれます。
特に大人数でのチーム演技は、日本では特にシンクロを見る機会も少ないため、とても貴重な場となっています。
試合や現役選手では見られない、フィギュアスケートの競技以外の部分の魅力を存分に発揮されていると強く感じています。
プロスケーターとしての活躍の場
ほとんどのアイスショーでは、オリンピックや世界選手権などの大きな大会に出場したり、全日本選手権も含め大会で優秀な成績をおさめた人でないとなかなか出演できません。
肩書があったり著名なスケーターではないと、アイスショーに出演するのが難しいのです。
つまり、競技成績をしっかり残して知名度や存在感をアピールしないと、なかなかアイスショーに出演することはできません。
ですが、プリンスアイスワールドのチームは、必ずしも、選手時代に目立った成績がなくても活躍しているメンバーがたくさんいます。
ジャンプやスピンなどの技術面では上位にいけなくても、表現力などなにか秀でるものがあれば、活躍できる場があること。
これは、現役選手がスケートを続ける進路として、大きな役割を果たしていると考えています。
ゲストスケーターとのバランス
アイスショーの構成は、PIWチームの演目2~3曲の間にゲストスケーターの個人プロが挟まり、それが前半、後半でそれぞれ3セットくらい行われます。ゲストスケーターは、公演によりますが、たいてい10人前後です。
それが、流れを途切れさせずほどよく溶け込んでいるので、アイスショーのパッケージとして飽きることなく楽しむことができます。
そして、最初はゲストスケーター目当てだったのが、いつの間にかPIWメンバーの顔や名前も覚え、すっかりPIWチームのファンにもなっていくのです。
他分野とのコラボレーション
スケーター以外にも他分野のアーティストの方が出演したり、演出家にも他分野で活躍される方にお願いするなど、他分野とのコラボレーションも積極的に行っていると感じます。
Brand New Story(2019年~2022年)では和太鼓やタップダンス、A NEW PROGRESS(2023年~)はミュージカル俳優の生歌唱など、スケート以外のエンタメを生で味わえるのも、他ではなかなか味わえない面白さです。
エンタメとして常に進化をし続ける、探求する姿勢を感じます。
ふれあいタイム・ミート&グリーティング
コロナ禍前までは、ふれあいタイムという、氷上席のスペシャルシートの観客は直接出演者に花束やプレゼントを渡せる機会がありました。
コロナ禍の間は写真を撮影するスタイルとなり、現在は再び以前のようなスタイルに戻って、花束を購入した人のみその場で渡せる、という方法になっています。
他のアイスショーでは直接出演者に花束やプレゼントを渡せるチャンスはほとんど無いので、とても珍しい取り組みを行っており、それも魅力の一つかなと思います。
最後に
歴史が長く、個性があり、なによりもスケーターさんの進路としての役割もあり、無くなってほしくはないアイスショーの一つです。
現在は公式アンバサダーに町田樹さんを迎え、様々な取り組みや改革を行っているように感じます。来場者アンケートを行っているところも好感度高いですし、真摯にお客様と向き合う姿勢を感じます。
個人的には、これまで一番多く鑑賞したアイスショーとなっています。気が付いたら、すっかりPIWのショーやメンバーのファンになっていました。
細かい課題や気になる点はありますが、今後とも長く続いていってほしいと願っています。
