🌙#第六夜 心がどこにも向かえなくなる夜
夜が深くなるほど、 胸の奥で、
“どこへも向かえない静けさ”が
ゆっくりと広がっていく瞬間があります。
今日一日、何を選んでも正しくない気がして、
どの道を思い浮かべても、
自分の足が前に出ていかない。
やりたいことも、
やらなければならないことも、
どちらも遠くの景色のようにぼやけていく。
気づけば、
“心がどこにも向かえないまま”
ただ夜に取り残されている。
誰かに止められたわけじゃない。
誰かに否定されたわけでもない。
それなのに、
自分の未来だけが
そっと遠ざかっていくような感覚。
進むことも、
戻ることもできず、
ただ立ち尽くすしかない夜があります。
「私は、どこへ向かえばいいんだろう」
その問いが、
胸の底へ静かに沈んでいく。
選んだはずの道が、
急に自分のものではなかったように
思えてしまう日々。
誰かの期待に合わせ続け、
誰かの都合に寄り添い続け、
誰かの願いを優先し続けた結果、
“自分の方向”だけが見えなくなってしまう。
その痛みは、
誰にも触れられない海底で、
静かに沈んでいる。
私にも、同じ夜がありました。
未来を思い浮かべても、
胸が何も反応しない夜。
どの選択肢を見ても、
自分の足音がそこへ向かっていく気がしない夜。
やりたいことを考えても、
何も浮かんでこない。
あのときの私は、
迷っていたのではなく、
“これ以上すり減らないように、
心が進む力をそっと閉じていた”のでした。
今なら分かります。
あの“向かえなさ”は、
弱さではなく、
“自分を守るための静かな停止”だったのだと。
限界を超える前に、
未来への扉をそっと閉じたのだと。
迷子の旅人へ。
心がどこにも向かえなくなる夜を、
どうか責めないでください。
その滞っている心は、
あなたが怠けているのではなく、
“進まなければならない心と、
これ以上傷つかないようにする心が
静かにせめぎあっているだけ”なのです。
杳として知れず(ようとしてしれず)のように、
行き先が霞んでしまう夜でも、
あなたの内側には、
まだ消えていない灯がそっと残っています。
そして、
「心がどこにも向かえなくなる夜はあります」
その痛みの正体は、
あなたの心が、
八方塞がりの闇の中で、
進むことも戻ることもできず、
“守りたい自分”と“進みたい自分”が
深いところできしみあっている証なのです。
もし今、
胸の奥で何かが動かなくなっているのだとしたら、
それは未来へ進む力が尽きてしまっているです。
本来なら、
希望があれば自然と前へ進めるはずの気力が、
いまは海底に底をついているだけなのです。
心がどこにも向かえなくなる夜とは、
進むことを拒んだのではなく、
“これ以上すり減らないように
心が自分を守りに入った瞬間” なのです。
明日の旅人へ。
どうか今夜は、
無理に未来を思い描こうとしなくて構いません。
静かな夜の底で、
心はまた少しずつ、
“本当に向かいたい方向”を取り戻し始めます。
今日はもう疲れましたね。
ゆっくり休んでください。
おやすみなさい🌙
次作は、
🌙#第七夜 気持ちが沈んだまま浮かび上がれない夜
どうぞお楽しみに🌙
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