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「本音」 茨城ロボッツ 長谷川暢 Vol.1

彼との付き合いもずいぶん長くなった。
茨城ロボッツ、長谷川暢。
長谷川暢の魅力はどこにあるんだろうか……。
強度の高いディフェンス、スピードのあるアタック、時に見せる想像を超えるプレー……。
私はそれ以上に素直さだと思う。
彼の言葉には、不思議な魅力がある。
言いにくいことも、嫌味なくさらっと言葉にのせてくる。
「本音」で話すからこそ、長谷川暢には説得力があり、
そして、様々なことが研ぎ澄まされた先に「ハセノボ」がいる。
彼と「本音」で向き合っていく。
茨城ロボッツが強くなるために、長谷川暢が考えていること。
今回は10月19日のA東京GAME2の後に話を聞いた。
(取材&撮影 宮本將廣)

シリーズ「本音」連載中
群馬クレインサンダーズ 辻直人
秋田ノーザンハピネッツ 中山拓哉
川崎ブレイブサンダース 水野幹太
三遠ネオフェニックス 佐々木隆成

勝ったら一旦全てがフラットになるというか。

宮本 お疲れー。
長谷川 いやー……今日は本当に悔しいです……。勝ちが目の前にあったのに、自分たちで手放してしまったゲームだったので……うん。
宮本 そうだね。
長谷川 これも経験って言われたら、そうなんですけど……。今の茨城はどうしても勝ちが欲しかったし、勝ったら一旦全てがフラットになるというか。気持ちの面とかも含めてね。正直そういうチームだと思うので、どうしても勝ちが欲しかった。ただシーズンはまだ序盤なので、学ぶことはたくさんあるし、ここが完成じゃない。そういった意味では、また次のゲームに向かっていこうっていう感じです。結果を除けば、ロボッツとしてはすごくいいゲームができたと思うので、また頑張りたいなと思います。
宮本 いや、勝手にもうインタビュー終わりみたいな空気出さないでよ!
一同 ハハハハハ!
宮本 コーチにも質問したんだけど、ベンチで暢も「サイドトゥサイド!(サイドから逆サイドに展開していくこと)」って言っていた。本当にそういう展開を作った方がいいなと俺も試合を見ていて感じたんだよね。その中で、コーチの考えはすごくパーソナルを大事にしていた。ボールムーブは課題だけど、セカンドユニットは個で打開していけるメンバーだから、そこを活かしたいと。その話を聞いて、「確かにな」とも思ったんだけど、俺の最終的な振り返りとして、A東京は2クォーターから明らかにマーカスにフィニッシュをさせるボールムーブを作った。流れの中でマーカスがピックを仕掛けてくることによって、ジェイコブセンのドロップを狙ってきたり、他の選手を収縮させて、散らしてくる。茨城はボールムーブはどうあれ、クックやフランクスの個で押していく印象があった。これは戦術戦略だからいろんな考え方があるんだけど、それを45分(この日はオーバータイムにもつれた)やり続けた結果として、最後に10点差になったっていう感覚なんだよね。
長谷川 そうですねー……。
宮本 その辺はどう感じてる?
長谷川 ファーストチームは昨シーズンからずっとやっているメンバーだから、結構サイドトゥサイドを意識しながらプレーができている。最終的に俺がボールを持ってジェイコブセンとピックをするとか、クリエイトも含めてそういう作り方がある程度見えている。セカンドチームに関してはクックがメインになる。彼はトランジションでも、ハーフコートでも1対1が強い選手なので、宮本さんが言ったみたいにその強みを押し出している。ただ個人的な考えとしては、それをやるにしてももうちょっとサイドトゥサイドで展開を作りたいかなって思っています。そういうチームとしての展開を作って、ポケットにボールが入って1対1とか。そういうプレーになっていくのが完成系かなとは思っています。簡単に預けてどうこうやっちゃうかっていうのは、正直に言うとオフェンスとしては成り立っていないと思うんですよね。ただ個で打開できちゃうから結局点数は取れるんですけど、シューター陣だったり、他のウィングの選手が生きてこない。ボールをタッチするシチュエーションがなくなっちゃうので、宮本さんが言ったみたいに時間が経てば相手も守りやすくなっちゃうし、ボールをロストしちゃったときに相手が走りやすいシチュエーションになっちゃうので。
宮本 そうだよね。トップで外国籍選手が1対1をしてウイングとコーナーを埋めてたら、ボールロストしたときはほぼイージーなファストブレイクなっちゃうからな。
長谷川 そうそうそう。これまではもっとそういう感じがあったんだよね。それがベストな形だとは思っていなかったから、もう少しそれぞれの良さとか、兼ね合いも含めて見極めたいなとは思っていたんだけど、今日はいい形を作れた方ではあったと思う。クックとかロボが自分からボールを離してポケットでもらおうとか。だから、本当に内容的には発展性があったなって思っています。

確かにあそこで勝ったなっていうのは、俺も思っちゃった。

宮本 内容的に発展性があったからこそ勝ちたかったってなるよね。
長谷川 そうそうそう。それもそうだし、昨日のゲームとは全く違うゲームになって、自分たちとしてもロボを生かそうとしていい形ができたと思うんですよね。みんなの頑張りがしっかりと同じ方向を向いたというか。俺が最初にボールプレッシャーをかけていく中で、流羽がリバウンドにずっと絡み続けてくれた。ツルが頑張ってくれた。ビッグマンもずっと頑張ってくれたとか、みんなの頑張りでここまでのゲームになったと思うので、強くはなっているという表現が正しいかはわかんないですけど、ステップアップはしたという感触をすごく持っています。でも、結局は勝たなきゃ意味ないって感じかな。
宮本 正直この試合を勝っていたら、ロボッツ自体のメンタリティがかなり変わったと思うからなー。
長谷川 そうだねー……うん(笑)。でも最後のシチュエーションで、ポイントガードとして自分がコートに立っていない。怪我明けだからとかいろいろと理由はあるんですけど、あそこに僕がいたら、「スリーは打たせないで、ドライブされたら決められちゃっていいから」っていう声かけができたと思うんですよね。スコアされても、2点だったらインバウンズから1点差で勝っている状況だったので、ロボに渡してフリースローを打たせれば、ゲームをしっかりクロージングできたと思うし……。うん……悔しいですね。
宮本 そこはそれこそ経験とか、勝っていく過程の中でそういうメンタリティが培われていくっていう話になると思うんだけど、逆に言うと、(テーブス)海くんはロボッツがちょっとどうしようってなっていたときのノーマークのレイアップを落としてくれた。茨城的にはね。海くんもそんな予定ではなかったと思うから、びっくりしたと思うんだけど(笑)。
長谷川 そうですね(笑)。
宮本 そういうシーンがあって、茨城の中に「あ、もう勝てるな」っていう空気が流れちゃった気がしたんだよね。それはどう思う?
茨城 そうだねー……。あのショットの後、エリックがリバウンドを拾ってフリースローになった。確かにあそこで勝ったなっていうのは、俺も思っちゃった。
宮本 スリーを止めさえすればOKになったから、より「行けるぞ!」みたいな。
長谷川 そうですねー……。しかも3点差の中で、フォスター選手がレイアップをチョイスしてくれたんで、俺的には「ラッキー」と思った。だけど、あそこでジェミンと流羽が頑張っちゃった。そこは若い選手だから、仕方ないと思う。でも、その前にしっかりチームで状況の確認ができていればなーっていう。(小島)元基さんとコミュニケーションをしていて、何回もフォスター選手のスペインピックでガードのスイッチでレイアップを2本ぐらいやられちゃったじゃないですか。あのときに、「難しかったら、一回止めるためにハードファウルしてもいいんじゃないですか」って言ったんですよ。怪我はさせないけどね。
宮本 はいはい。1回バーンってやって、止めれなかったけどわかっているよっていう雰囲気も出すためにね。
長谷川 そうそうそう。でも、それを元基さんにだけ言ったんですよ。あのときに流羽とかにも言っておけばなーとか、いろいろ思いますね(笑)。

宮本 それこそA東京のデイニアスヘッドコーチもよく言うんだけど、ファウルの使い方って大事じゃん?
長谷川 うんうん。
宮本 A東京はチームファウルが3つだからとか2つだからってときに、思いっきり使ってきたりする。それこそ今日はザック(・バランスキー)が元基くんに対するレイアップのファウルも結構思いっきりいったじゃん。
長谷川 そうですね。
宮本 きっと2人の関係性もあるから、遠慮せずにっていうのがあっただろうけど、そういう使い方とかも振り返るといろいろあるよね。最後の局面だけを切り取れば、「あのファウルをどうしてしちゃったの」ってなるけど、40分間のファウルの使い方がもっとクオリティとして高くなれば、展開は違ったよねとも言える。
長谷川 まあ……そこまでできてないんだよねとしか言えない!
長谷川・宮本 ハハハハハ!
長谷川 僕が加入してからは、初めてそういうシチュエーションで勝負の分かれ目を経験しましたっていうのが、ロボッツかなっていうのが正直なところ(笑)。
宮本 初めてこういう経験をしましたっていうことを、ここからいかにポジティブに活かしていくのか。ちなみに昨日の試合後に全員でミーティングしたってコーチが言っていたけど、それはどういう話だったの?
長谷川 チームがよくない状況になったときに、外国籍選手の能力が高いので、セルフィッシュな攻めになってしまう。ロボが1対1を始めたら、次はクックがやり出してターンオーバーしちゃったりとか。さっきも言ったけど、チームとして流れを大事にしよう。それこそ今のビッグマンはペイントエリアのパーセンテージがすごく高いんですよ。60パーセントぐらいあるのかな。だからポケットパスでヒットさせたいよねとか。俺らのフローターとかジャンパーを打つよりも、展開を作って彼らにペイントフィニッシュさせた方がいいよねっていう話をしましたね。それをやるためには、ピックをやる2人の信頼関係が大事になる。ビッグマンがしっかりスクリーンをかけないとポケットパスは生まれないし、自分たちもいいパスを出してあげないと彼らもスクリーンに来る意味がなくなっちゃう。ミーティングというか、ヘッドコーチがそういうことが大事だっていう話をしてくれた中で、それぞれがもうちょっと大人になって、まずは自分の仕事をしていこうっていう話をしました。ギブアンドテイクじゃないけど、そういういい関係性がセカンドサイドに繋がるよね。それがいいときのロボッツはできていた。SR渋谷戦がそうだったし、今日もそのあたりはある程度できていたと思います。

でも、秋田に戻った感じ(笑)。

宮本 今日の話を振り返ると、結構コートにいないときも暢自身はいろんなことを考えているんだなって思った。ただやっぱりチームスポーツだから、どうやってチームがひとつになっていくかとか、周りを活かしていくかとかが大事じゃん? そういうことはどう考えているの?
長谷川 そうだねー……。でも正直復帰したばかりだから、自分のことに集中したいっていう気持ちもあるし、言っちゃあれだけど難しい(笑)。プレーをどうやって戻していくのかだったり、これまでとは違う部分を成長させる必要があるんじゃないかとか。でも、1番は宮本さんが言ったみたいにチームがどうやって良くなっていくかっていうことじゃないですか。今日だったら、スタメンでゲームトーンを作れるかっていうことが大事だった。そうなるとやっぱりディフェンスになる。個人的なところはある程度できたかなって思っています。
宮本 でも、そういう意味では得点を狙っていくとかじゃなくて、ゲームの流れを作れるかっていう……ゲームコントロールっていうの? 今までとはまた違う仕事を担えているところがあるから、成長できることもありそうだね。
長谷川 そうだねー……でも、秋田に戻った感じ(笑)。結局そうなると、ディフェンスでハードにプレッシャーかけていこうってなるから、「それが俺だよな、やっぱり」みたいな(笑)。
長谷川・宮本 ハハハハハ!

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