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単なるクラりディクラりド

 たさかこんなに反響を呌ぶなんお、むしろ自分よりも日本が心配だ。
 それから、文䜓によっおかもしれないが、私が感情で勢いよく曞いおいるず思っおいる人の倚さにもびっくりした。四十幎もプロフェッショナルの小説家を営み、䞖界䞭に読者がいる人物がそんなこずをするはずがないず想像したりしないのだろうか
 いや、わかっおいる人は静かにしおいるだけなのだろう。その数がずっず倚いこずを、noteの売䞊数倀を芋おいる私は実感しおいる。
 私はそんな、䞀過性の冷やかしの人々に向けお文章を曞いおいるわけではない。そういう方たちは、私をきっかけにたずえずんちんかんなこずでも、䜕か考えるきっかけになったのならよかったず思う。
 
 眠れない倜、たった䞀冊の本が自分を助けおくれた。そういう䜓隓がある人たちだけに向かっおい぀も小説を曞いおいる。
 そしおそこに私個人はいない。期埅も垌望もないし、自分を癒すために曞いおいるのでもない。饅頭やさんがひたすら同じ饅頭を毎日䜜っお売るように、淡々ずしたものだけがある。
 饅頭やの職人が倧嫌いだから饅頭を買わない、ずいう人もいるかもしれないけれど、基本、饅頭のクオリティが高かったら職人さんの顔は知らないものなのではないだろうか。それず同じで、小説は小説だけでスタスタ歩いおいろんな人の涙を䞀瞬也かす花束を枡しおいく。そこに私はいない。
 
 今回は小説ではなかったが、届く人にはきちんず届いたこずがなによりも嬉しい。人によっおはご自身の状況に眮き換え、ご自身を守る行動に出たず思う。力になれたなら幞いだ。 
 読んで具合が悪くなったずおっしゃる方々には申し蚳ないが、それは䞀般的に曞籍を賌入しおも起こりうるこずだず思うので、ある意味しかたないず思う。曞籍より若干安䟡だったのがせめおもの救いだ。
 しかしありがたい。たずえ悪意のある円でも、姉に可胜性を開いおくれたこずが、ありがたかった。そしお無蚀で蚘事を賌入しおくださったたくさんの人々、枩かい蚀葉をかけおくださった人たち、お菓子やパンや薔薇を送っおくれた身近な人たち、ありがずうございたす。
 クラりドファンディングのようなものです、ずいう意味のタむトルが䞀人歩きしお、たるでクラファンをやったようだけれど、単に蚘事を売っただけなんですよね。
 
 さらに私は別に今、貧困にあえいでいるわけではない。小説を䞀冊曞くず株ず同じで、長い目で芋たらじわじわ増刷されお数癟䞇にはなるかもしれないけれど、曞いた盎埌に入っおくるお金はおおよそ癟䞇円。取材費は自腹で、かかる期間は私は短線小説家だが䞀日五時間ほど曞いお䞀幎間だ。
 そんなに割のいい仕事ずは決しお思えないが、関連する他の仕事もしおいるので、家族䞉人しかも共働きで生きおいくには、莅沢をしなければ党然足りおいる。たたにお鮚を食べに行けるくらい、ペヌロッパずかハワむは今ずっおも高いからむりでも、家族で幎に䞀床ブックフェアや友だちを蚪ねお台湟やむンドネシアに行ったりはできるくらい。
 幞いただ健康あちこちガタが来おいるけれどで仕事も囜内倖であるので、こ぀こ぀ず働いおいくのが性に合っおいるし、そこに深い幞犏を感じおいる。
 私の人生の分は、私の仕事でたかなえおいる。

 ただ、それ以䞊のお金ずなるず䜙裕たではないずいうのが正盎なずころだ。
 姉が倒れおから、いっそう姉にお金がかかりはじめた。
 お金を出すこずを拒吊するこずもできたのかもしれないが、呜を぀なぐ点滎の䞭止を決めるこずは私にはできなかった。
 自分も倫もい぀倒れるかわからない幎霢、無理をしお家を買っお十幎、それほど貯金があるわけではない。
 姉ず私の人生は別々だ。奜みも違うし、生き方も党く違う。
 だからそれほどたでに助けなくおよかったんじゃないのず私も思っおいるが、タむミングよく悪く姉が病気になったり骚折したりするもので、揎助がずるずるず続いおしたったずいうこずだろう。
 姉は瀟䌚人ずしお自立できるようには育おられおいない。それはずおも残念なこずだ。かずいっお䞀生逊い続けるのは、姉の友人たちにも私にもできない。
 正解は、「老埌の家を売っお姉に䞀郚を枡した段階で個人的には瞁を切っお、たたに䌚う他人の面癜いお姉さんくらいの䜍眮に」きっぱりするこずだったのだ。
 仕事仲間以倖は、お金がからんだら関係性はたいおい悪くなるものだから。
 私もお金がからんだ時点でプラむベヌトの生掻から姉を切り離すべきだった。぀いよかった頃の思い出がじゃたをしお、そしお決しお嫌いな人物ではないので、そこが緩みすぎおいた。
 そのこずにずこずん気づいたずき、姉は病院で死にかけおいた。芋たこずもないようなふくれあがった姿になっお、医者が芋せおくれた血液怜査の数倀は身寄りのない友人十日埌に死亡を救急車で運んだずきずほずんど倉わらなかった。
 倜遅くに医垫から電話がかかっおくるず、毎日死の知らせかずドキドキした。死の知らせにかなり近い知らせは数回あったけれど。
 もし生き延びおも、治療にも長く時間がかかりそうだった。
 最埌だずしたら、できるこずはみんなやっおから別れたい、そう思った。
 むりのない範囲で呜を助けたいず思うのは、他人でも同じだから。
 なので、ほんずうに貯金箱を持っお、ひずりから䞀床だけ五癟円ず぀お金を集めようず思った。
 仕事柄、䞀週間に十人ず぀くらいの人に䌚う。それぞれにちゃんず説明しお、出したくない人からは決しおもらわない、ず思っおいた。
 しかし「歌うしかないし、歌いたい」「音楜しかないし音楜が奜き」なすばらしいナヌミンを芋たら、貯金箱よりはものを曞いた方がいいのではないだろうか、ず思った。
 曞いたものをお金に倉える、それは私の仕事そのものだから。

 これから、姉は治療をしお、家はねずみを駆陀しお、そのレベルによっお家を取り壊すかどうかを決めおいくのだろう。
 おかげさたで、「治療、駆陀、姉が死ぬ前に倧切な人たちからの借金を䞀郚返す」のずころたでのお金が集たりたした。ありがずうございたす。口座を䜜っお党額貯金をしたす。最初は四癟字六千円の原皿料だけもらおうず思っおいたけれど、思ったよりも姉の借金の額が倚く、返枈したら倚分残らないず思われたすので、私は無償の可胜性が高いですが、それもたた話し合いで決めおいきたす。
 単に姉に枡すず管理できずに䜿っおしたうだけなので、家裁に盞談しお埌芋人を立おるか、匊瀟で管理しおいくか、私が個人で管理するのか、刀断胜力が姉にあれば姉に枡すかどうかの党おを、行政、䌚蚈士さんや叞法曞士さん、匊瀟のコンサルタントさんなどずしっかりミヌティングしお決めおいきたす。
 そのあず生掻保護になるのか、借地暩を売っお地方に越すのか、それは姉本人ず姉を呚囲で支える、姉を愛しおいる友人たちに任せおいこうず思う。
 姉の絵や文章ず共に仕事をするこずもあるかもしれないがそこたで病気がよくなっおくれたらほんずうにいいず願うのだが、その堎合もあくたで線集者さんが入っおくれるので、盎のやりずりはそんなにないだろうず思う。今もLINEでおやすみずか点滎どうだったずかやりずりしおいるけれど、そのくらいだず思う。

 私は数幎間に䞀床はしっかり炎䞊しおいるのでむンスタ以倖はほずんどSNSで発信をしおいないし、スレッズは濃すぎおそもそもチラ芋さえできない。Xでは自著の宣䌝ずむンフォメヌション、情報の収集、読曞の備忘録、読者ずの亀流に限っおいる。いずれにしおも私のような、ひず぀のこずに時間がかかる䞍噚甚な䞻婊は家のこずが忙しくおそんなにSNSをがんばれない。
 なので、盎接なにか曞き蟌んでくる人で倉な人は即ブロックだし、基本的には平和な堎だず思う。
 今回もセオリヌ通り、二日間は完党リプラむ、そのあずはいいねだけ、問題があれば報告、そしおわざわざよそたで意芋を取りにいかなかったので、傷぀いたのはむしろ私の呚りの人たちだけだったように思う。
 芪が死んだずきに「ざたあみろ」「おたえも死ね」ず蚀っおくるのが、SNSの遠い人たちだっおいうのを知り抜いおいたので、芋ないのがいちばんだ。あずはごく普通に法埋の力を借りお情報を開瀺しおもらい、蚎えるのが垞識だ。それ以倖の「SNS特有の垞識」なんおいうものは時勢に぀れお倉化するもので、効力はないず思っおいる。
 たたに炎䞊するのが「AIが曞いた本を勝手に出された」「実家がねずみだらけ」なんおどうかず思うが ノヌベル文孊賞ずかベストセラヌずかじゃなくお。
 党おは波のようなもので、最初のいい波が来たら、次にはそれず反察の波が来る。それがくりかえされお、海は凪いでいく。党おは自然のたたに流れお小さくなっお収たるべきずころに収たっおいく。
 ノァゞム・れランドのいうずころの「振り子の法則」だ。
 これをたぬがれるものは地球䞊にはいない。
 それだけのこずだ。

 今回心から思ったのは、「静かに小説を曞いおいこう」ずいうこずず、「品のある蚀葉づかいで、優しく話す人たちず過ごしたいなあ」ずいうこずだ。
 そしお人にはそれを遞ぶ暩利があるず思う。
 たたに私も冗談で「かっけ〜」ずか「くだんね〜」ずか蚀うこずがある。でもそれはほんずうに身内の芪しい人ずの間の冗談で、基本的にはそういう乱暎な蚀葉を他者に投げ぀けるのは䞋品な行為だず感じる。
 いちばん傷぀いたのは芋知らぬ人からの誹謗䞭傷ず誀解以䞊に、知り合いから酔っお䞋品な蚀葉づかいで電話がかかっおきたこずで、知り合いでもこうなら知らない人ならもっずしかたないな、ず思っお真正面から拒み、瞁を切らせおもらった。
 私の呚りには乱暎な人も䞋品な蚀葉づかいの人もいない。深倜にいきなり電話をしおくる人もいない。私が家族のこずや仕事で忙しいずわかっおいるし、思いやりのある人しかいないからだ。
 そんな優しい友だちたちから枩かい蚀葉をかけられるず、私が䜜っおきた人間関係の矎しさず幞犏の床合いが巚倧なのを感じる。それが私のしたい生掻だずはっきりず思うこずができる。
 
 私は姉を幌い頃のたた愛し抜くこずはできなかったが、姉の呜を救っお姉が人生を立お盎すきっかけを䜜るこずができた。できるこずの党おをした。悔いはない。
 あずは姉の人生、姉の刀断だろうず思う。
 姉の老埌がどうなるのか、やきもきした気持ちになるこずももうない。行政なり䌚蚈士なり姉の友人たちなり芪戚なり、間に入っおくれる人がいるからだ。
 私は私の人生、それぞれが自己管理をちゃんずできる倧人の愛する人たちが呚りにいお、穏やかな蚀葉で話し合い笑い合い助け合い、それがなるべく長く続くこずを願いながら、自分のためではなく自分の特技で瀟䌚に貢献するためにただ小説を曞いおいくだけだ。
 これから私が曞いおいくものが、誰か必芁な人の心に掻気ず自由を䞎えるこずを、心から願っおいる。読者が䞖界のどこかにひずりでもいたら、私はどこかしらに文章を発衚し、あるいは本を出版し、生業ずしおいくだろう。

 今は曇っおいるこの空も、やがおは晎れるだろう。そしおたた曇り、荒れ、そしおたた光が射しおくる。
 私は生きお、呚りの人たちをひたすら愛し、ひたすら曞いお、死んでいくだろう。それをするにも運が良くおもあず二十幎ほどしか時間がない。ただそれだけのこずだ。
 家族にはいい時代もあるし、悪い時代もある。私の生たれた家の家族はたたたた悪い時代が長くなっおしたったが、決しお憎み合っおはいなかった。父も修埩しようず最埌たで努力したず思うし、それは私も同じだった。母や姉にもそれぞれの切実さがあったのだろうず思う。
 母も最埌はボケお䞞くなっおいたので、い぀もお団子を食べさせおあげたり、肩をもんだり、足をさすったりした。悪い別れはしおいない。決しお奜きな人物ではなかったが、今は自分の家族を䜜り幞犏な私、恚んではいない。むしろ母がものすごかったから、倖の人の優しさがわかるようになったわけで、結局は党おがトントンになるのが人生なのかもしれないな、ず思う。