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おごりおごられ永遠の別れ

✴︎今日のひとこと

今は施設に入られている筒井康隆先生が、奥様と東京と神戸の二拠点を移動しながら毎日すごい額の食事をしているグルメ日記を読みました。もちろん他の話題もたくさん描かれています。筒井先生が亡くなった息子さんのことを書いている文章を読むと、いつも涙が出てきます。簡潔に書いている分、悲しみが伝わってくるのです。
ちょうど私が若い頃していたような小説家としての生活。
それがその本の中に生き生きと残っていて少し切なかったです。
まだ出版界の景気が良くて、書くという特技のある人たちがちょっとされすぎくらいに尊重され、かなりきっちり接待を受けていた時代の空気がそこにはありました。でも、宣伝広告印刷などをになってくれてるとしても本の価格のほぼ90%を出版社が受け取っているのだから、たまにごはんくらいおごってくれてもいいんじゃない?とは思っています。書く側も印刷してもらって、宣伝もしてもらってありがたいので、それ以上の文句はないっていうか。
しかしよく読んでみるとそこに出てくる編集の人たちは、今の私の担当の人たちでもあり、そんなに年齢がいってない。ああ、あの人たちが最後の懐かしい出版界の雰囲気を保っているんだなあ、と思って、しみじみとありがたい気持ちになりました。
私はとっくにそういう出版界の接待から、そして先生っぽい暮らしから足を洗ってしまったけれど、あの中にもしどっぷり浸かっていたら、筒井先生と同じように今でも毎晩のようにあの人たちと食事をしていたのかもしれない。それはそれで楽しそうですが!
筒井先生と奥様のものすごい飲みっぷり食べっぷりを見て、自分の小さなダイエット魂がちっぽけに思えました。人生の最後の方まで食べられなら食べたほうがいいし、飲めるなら飲んだほうがいい。それぐらいに考えていたほうがいい、そんな気がします。

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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…