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あの頃、灯りのように

 高校生の時に付き合った先輩がいた。彼女は華奢で前髪は眉毛まで伸ばして後ろ髪は肩まで掛かるくらいの髪型だった。身長は僕の方が背が高く年齢が僕の方が高いと良く間違えられたほどだ。

 彼女は友達からの紹介だった。学校は面白くなくてやる気を見出すことができず、いつも悶々と長いトンネルを彷徨うような生活をしていた。それを打開するために僕は友達にいい子いないだろうか?と聞いてみたところ、彼女を勧められた。

 彼女は僕にあった時から何故か僕に惹かれていたようだった。何か磁石に引き寄せられたように。

 僕はその当時、自分の行きたい高校に行けず、自分を見失ってしまった。高校入試で上手くいかなかったから自分を否定されているような気がした。お前はいらない不良品とシールを貼り付けられたような気持ちだった。

 そんな時に彼女に会ってこんなに僕の事を好いてくれる子がいるのかと不思議な気持ちだった。
 
 彼女とは当てもなく街を歩いたり、プリクラを撮ったり、今でも思い出す記憶の一部として脳裏に刻まれている。

 彼女とはデートをした時に言われた一言が強く印象的に残っている「君の声聞くと安心するんだ」

 誰かの為に生きてるという気がしなかった。色んなものに否定されてきた。あえて自分の気持ちを公に出さないようにしてきたけど、彼女の君の声を聞くと安心するんだという一言にものすごく救われた。

 彼女とは大学生になってからすれ違い別れてしまった。彼女のsnsを見ていると彼女は結婚して子供がいるようだった。

 『君の声聞くと安心するんだ』——その言葉はいまも、静かに僕の中で灯をともしている。

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