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小学生が考えさせてくれたギラヴァンツ北九州のサッカー

「ギラの選手は何で前にボールを持ち込まないの? プロなのに横ばかりパスしてる。」
先日、スタジアムで私の隣に座った小学生が、お母さんに向かって放った一言だ。
最初は驚いた。
しかし、その一言は私に一つの問いを投げかけた。
本当にサポーターが見たいのは、どんなサッカーなのだろうか。
試合を見返しながら考えてみると、横パスそのものを否定するつもりはない。
もちろん、相手を動かし、攻撃の糸口を探るためには欠かせないプレーだ。
ただ、小学生が言いたかったのは、横パスではなく、その先にある「ゴール」が見えなかったことではないだろうか。
「ボールを持っているだけでは面白くない。」
「ゴールへ向かうプレーが見たい。」
そんな純粋な思いが、あの一言に込められていたように感じた。
見たいのは、ゴールへ向かう意志が伝わるサッカーだ。
ハイプレスでボールを奪い、一気にゴールへ迫る。
縦パスやドリブルで局面を打開する。
そんな「何かが起きそうだ」という期待感が、スタジアムを熱くする。
一方で、退屈に感じる試合もある。
ボールを奪ってもすぐに失い、セカンドボールも回収できない。
攻撃は中盤で途切れ、ゴールの気配を感じられないまま時計だけが進んでいく。
ボールを持つことが目的になった瞬間、ゴールは遠くなる。
観客が見たいのは、パスの本数でも、ポゼッション率でもない。
ゴールへ向かうプレー。
チャレンジする姿勢。
そして、「何かが起きそうだ」という期待感である。
もちろん、毎試合、理想どおりのサッカーができるわけではない。
相手との力関係もあれば、思うように試合が運ばない日もある。
だからこそ、泥臭く勝点を積み重ねることも、長いシーズンでは欠かせない。
「今日はこのまま負けるかな」と諦めかけた試合終盤。
土壇場で追いつき、勝点1をつかみ取る。
そんな試合もまた、サッカーならではの醍醐味だ。
一方で、複数失点を喫して敗れる試合は、見ていて本当に疲れる。
点差だけが問題ではない。
失点を重ねるたびに反撃への期待は薄れ、スタンドの空気も重くなっていく。
それでも、ゴール裏から響くチャントは止まらない。
最後のホイッスルまで選手を信じ、声を枯らして応援を続けるサポーターの姿には、何度見ても胸を打たれる。
こうして考えてみると、私が見たいサッカーは、田中遼太郎監督が目指すサッカーと多くの部分で重なっている。
田中監督は「相手より走る」「相手より戦う」「勇敢に挑み、最後まで諦めない」と繰り返し語ってきた。
その言葉を聞いた時、「自分が見たいサッカーに近い」と感じた。
もちろん、そのサッカーが一朝一夕で完成するとは思っていない。
だからこそ、その変化を見届けることも、サポーターとしての楽しみの一つなのだと思う。
勝利はもちろん大切だ。
しかし、スタジアムで見たいのは、ゴールへ向かう意志が90分を通して伝わるサッカーである。
その積み重ねが、スタジアムの熱気となり、クラブを次のステージへ押し上げていく。
そして、その先にあるJ2昇格という目標が、一歩ずつ現実へと近づいていく。
その瞬間を、この目で見届けたい。

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