【余白に】夏の夜の夢
「ねえパパ、なにかおはなししてえ」
ある夜の寝かしつけの時間、息子がおはなしをせがんできた。
ふと、僕も小さいころ、寝る前におはなしをせがんでいたのを思い出す。
なぜ子どもは“おはなし”が好きなのだろう。
僕の口から出てきたのは、
『ヴェニスの商人』
胸の肉1ポンドを担保に高利貸しと契約を交わす物語 ー
シャイロックとの契約。
ポーシャの口上、
そして大団円……。
意外にも、息子は最後まで聞いてくれた。
満足そうな顔で寝息を立て始める。
いつかの僕と息子が重なる。
もう夢を見ているだろうか。
肉1ポンドの夢を…
次はせめて『夏の夜の夢』にしよう。

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― 夏至の夜に思うこと。
