山旅日記(八方〜唐松岳)2026.08.02
8月の2日〜3日
北アルプスの唐松岳に登りました。
山に登るのはほんとうに久しぶりだと思っていたら、昨年の8月に谷川岳に日帰りで行っていました。そしてその前は2年前の秋に、栗駒山に登っています。この2年間、走る能力は大きく低下しているので、果たしてちゃんと登れるのか不安があります。
そして、この不安は現実のものとなりました。唐松岳へのコースは、八方尾根にかかるゴンドラに乗るところから始まります。さらにリフトを2本乗り継いで、八方池山荘のある1850m地点からスタートになるので、標高差は800mちょっと。決して1日の行程としては、大きくはない標高差です。





しかし、登り始めてすぐに息が上がり始めます。標高が上がる度に、息苦しさが増していきます。ゆっくり登ってもきつい。見上げると、これから登る縦走路が見渡せます。
「あんなところまで登るのか」
「あそこまで登っても、その先はまだ遠いなあ」
そんな情けないことを序盤で思いながら、ノロノロと登ります。
真っ白なガスに覆われて遠くの山は見えないけれど、高度を上げるにつれて、風景はどんどん高い山らしくなってゆきます。小さな可愛らしい花をつけた高山植物達。足元に広がる這い松群。時折見える雪渓や深く険しい谷。どれもが非日常の風景で、見ているとわくわくしてきます。
登りのきつさと、わくわく感が交錯する時間でした。
そして、肺に取り込む空気は飛び切り美味しい!
「これが登山なのだ」
「山はやっぱりいい」
体力的にはきついけれど、時間的には昼過ぎに余裕を持って着けそうなので、気分的には楽ちんです。八方尾根の上部に連続する小さなピークをいくつも越えた先に、今夜の宿、唐松岳頂上山荘が雲の中に突然姿を現しました。何度も偽ピークに裏切られながら、やっと着いたかと言う感じでした。
さっそく、チェックインを済ませ、昼食を摂ります。ビール&カレーライス。カレーはレトルトのシンプルなものだけど、それでもおいしい。
ランチを楽しんでいるときでした。小屋の女性スタッフが窓辺に駆け寄って、歓声をあげます。
「わ~~!山頂まで見えてる!」
私たちも声につられて窓の方へ振り返ると、そこには目指す唐松岳が雲の切れ目に雄姿を見せてくれていました。実はここ1週間ほど毎日天気が悪くて、唐松岳をずっと見ていないとのことでした。1週間ぶりの唐松岳、私たちはとてもラッキーだったようです。

昼食後、身軽な姿で唐松岳山頂を目指します。しかし一旦は晴れた山頂も、再びガスに覆われて辺り一面真っ白です。小屋から登り初めて約20分。標高2695m、唐松岳に登頂しました。
登頂の感慨に浸りながら、しかし真っ白で何も見えない風景を想像します。
「五竜岳、剣岳、不帰キレット、唐松沢氷河、白馬槍・・・」
しかし、山の神様がご褒美をくれました。雲に切れ目を創って、少しずつ周囲の絶景を見せてくれたのです。「息を飲む」という言葉がありますが、まさにそれです。
特に白馬三山との間に切れ込んだ深い谷。この谷にある白い雪は氷河だそうです。
眼下に広がる谷の大きさ、そして深さ。
遥かに見下ろす白い氷河までの高度感。
なんて雄大なのだ。





山小屋に戻ってからの夕刻。唐松岳の斜面に夕陽が消えるころ、今まで見えなかった五竜岳や剣岳がその大きな山容を初めて見せてくれました。かっこ良かったです。










暗くなってからは、満点の星と天の川。天の川見たのはいつ以来だろう。小屋から数人の男女がヘッデン着けて唐松岳の方に向かって行きます。聞けば、小屋で働く若者達が、山頂まで星空を見に行くと言う。いいなあ、まさに青春。
この小屋では、若いスタッフ達がたくさん働いているのですが、みんな清々しい。働く環境としては決して楽ではないだろうに、みんな山が好きでここに来ている感じが伝わってきます。
「みんな頑張ってね!そして良い人生を」
山頂に向かう若者達の後ろ姿に、思わず心の中で声をかけていました。
山に泊まるというのは、こういう事なんですね。
登りは想像以上にきつかったけれど、ビールは平地の何倍もするけれど、その何倍も楽しむことが出来て良かったです。しっかりトレーニングして、これからも、何歳になっても山に行きたいと思いました。
下山してその翌日、筋肉痛発生。
ちょっと嬉しかったです。
