思わず戸惑いの声が上がる。映画「バックルームズ」を観る(※ネタバレあり)。
映画が終わったとき、より正確に言えば本編のエンドロールの終了後、16分の追加映像が突然終了し、照明が点いたとき、場内に声が上がった。
「えっ!」というような、戸惑いの声だと思う。
何を見せられたのか、これで終わりか、というような意味。
これが全米で興行収入トップとなった映画なのか。

この映画が受け入れられたのは、自分なりの考察を展開できることにあるのかもしれない。
いくらでも解釈できる。日常生活に隣り合う異次元空間。どこで口を開けて自分たちを飲み込むか判らない恐怖。覚めても覚めても戻ることのできない現。

家具量販店を営むクラークには過去に元妻から家を追い出されたトラウマがある。カウンセラーのメアリーに治療を受けている。
店の電気の使用量が多いことに気付き、調査の過程で店の地下1階が謎の空間につながっていることを知る。どこまで続いているか判らない空間。店のスタッフであるボビーとキャットを伴って探索を続けるが、何者かに襲われ、戻れない。
クラークからの電話を受けたメアリーは、自らも空間に入り込む。メアリーはカウンセラーをしているが、子供時代、抑圧的な母により、部屋に押し込められていた。のちに母は心を病む。
マンション建設予定の看板に幼い日の自分と母のイメージが重なる。
思わせっぷりなエピソードが続く。
謎の空間に迷い込んだメアリーは、ASYNC研究所員に救出され、フィルの取調べを受ける。さてここは現実なのか、それともまだ異空間にあるのか。
今作の監督、若き才能のケイン・パーソンズがかつてYou tubeで公開した動画に基いて制作された。さらにその底流には、ネットに広がる都市伝説、恐怖のネットミームがあるようだ。
なんのこっちゃ。
このような設定や解釈にはまることができる人にとっては良くできた映画なのだろう。興行収入を上げているということは、コアなファン層が世界中に多くいるということだ。
残念ながら私にはあまり刺さらない。

