第8話「マロンの小さなお菓子屋さん」

少しだけ、しょんぼりしたマロン。
すると、クマさんが
ケーキをのぞきこんで言いました。
「ぼくにはね、
とってもおいしそうに見えるよ」
「ほんと?」
「ほんと!
だって、このケーキには
マロンの一生懸命が
たくさんつまっているから」
マロンは、もう一度
ケーキを見つめました。

いちごは少しだけいびつ。
でも……
スポンジも、クリームも、
いちごも。
ぜんぶぜんぶ、
大好きなクマさんのために
心をこめて作ったもの。
「うん!」
マロンは、にっこり笑いました。
「クマさんのために作った
ケーキだもん!」
ふたりは並んで
ケーキを切りました。
「いただきます!」

ぱくっ。
「あま〜い!」
「おいしいね!」
マロンとクマさんの笑い声が、
お部屋いっぱいに広がります。
少しくらい、いびつでも。
完璧じゃなくても。
心をこめて作ったものは、
誰かを笑顔にする
すてきな魔法になるんだね。
クマさんの
「魔法のトントン」は、
マロンの心に
小さな勇気の魔法を
かけてくれたのでした。

おわりに
完璧じゃなくてもいい。
一生懸命やってみたこと。
心をこめたこと。
それが、いちばん大切。
そんな想いを込めて、
この絵本を作ってみました。
マロンのお話が、
誰かの心にそっと寄り添えますように。🐱💕
