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今年こそスルーしてやる

5月は私の誕生月だ。

誕生日が近づくと、年齢を数えるのは少し複雑な気持ちになる。
それでも「誕生日おめでとう」と言われるのは嬉しい。

人は何歳になっても、お祝いされるのが好きなのだと思う。

誕生日には、友だちから「おめでとうLINE」が届く。

学生時代の友だち、職場の同期や先輩、ママ友、サークルの仲間。

通知が鳴るたびに少し顔がほころぶ。

「57歳にもなって何を喜んでいるんだ」と自分で思うけれど、嬉しいものは嬉しい。

プレゼントなんていらない。
「おめでとう」の一言だけで十分幸せな気持ちになる。今年もたくさんのおめでとうをもらった。

でも、夫と娘からは何もない。

私の誕生日を知らないわけではない。
毎年ちゃんとやってくるのだから、忘れているわけでもないと思う。

それでも、毎年スルーだ。

スルーされると分かっているのに、なぜか少しだけ期待してしまう。

今年こそ何かあるんじゃないか。

ケーキでも買ってきてくれるのかな。

外食に誘われたりするのかな。

そんなことを考えている自分がいる。


もちろん、何もなかった。

悪気はないのだと思う。

夫も娘も、誕生日や記念日に全く関心がない。

そういう人たちなのだ。

一方の私は、夫や娘の誕生日にはケーキを買ったり、好きなものを用意したりする。

喜んでくれる顔を見るのが嬉しいからだ。

だから時々思う。

今年こそ、夫の誕生日はスルーしてやろう、と。

何もしない。

ケーキも買わない。

ごちそうも作らない。

そう決意するのだけれど、たぶん無理だ。

きっと今年も仕事帰りにケーキを買って帰る。

そして「おめでとう」と言うのだろう。

なんだか悔しいけれど、そういう性分なのだから仕方がない。

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