北海道で、深呼吸。 #3 予定は未定。なんだって楽しむ。
久しぶりに会ったわたしたちは、顔を合わせた瞬間からしゃべりっぱなしだった。
「久しぶり!」
「無事に会えてよかったね」
友だちの荷物も、肩に掛けたバッグひとつ。
「おっ、身軽仲間だ。」
なんだかうれしくなって、笑いあった。
空港から札幌へ向かう電車に乗る。
「喉乾いたね。」
「ちょっとお腹も空いた。」
そんな何気ない会話から、
「先にビール飲みに行こう!」
と、予定変更が決まった。
本当は、羊ヶ丘展望台へ行く予定だった。
クラーク博士の像を見ようと思っていたけれど、その日はビールの誘惑にあっさり負けた。
でも、不思議と迷いはなかった。
電車の中では、おしゃべりしたり、窓の景色を眺めたり、スマホで次の行き先を調べたり。
忙しいのに、のんびりしている。
そんな時間が心地よかった。
曇っていた空も、札幌へ近づくにつれて少しずつ青空に変わっていく。
「歓迎されてるみたいだね。」
ふたりで笑った。
最初に向かったのは、サッポロビール園。
ジンギスカンを囲んで、サッポロクラシックで乾杯する。
「おいしい!」
そのひと言だけで十分だった。
予定どおりじゃなかったからこそ、この時間があった。
旅に出る前は、あんなに準備や予定ばかり気にしていたのに。
旅が始まってしまえば、一番楽しかったのは、予定どおりに動くことではなく、その場で「こっちにしよう」と笑って決められることだった。
クラーク博士には会えなかった。
でも、それはまた次の北海道旅行の楽しみに取っておこうと思う。
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