教育の壁を壊して、その先へ──現役教員ふたりの挑戦
2024年の夏、ロッカールームでの“対話”から僕らの挑戦は始まった。
「このままでいいのか」
その言葉が、ふたりの間で何度も往復した。
正しさの話じゃない。制度の愚痴でもない。もっと手触りのある、日々の現場で生まれる“違和感”の話だった。
でも、教員の研究会や研修では、年齢や肩書きに縛られて、本音で語り合える雰囲気ではない。
学校や地域の枠に閉ざされて、新しい風が入りづらい構造もあった。
そして、「授業はこうあるべき」「教育ってこういうものだよね」という声に、自分の問いが飲み込まれていきそうになる。
だから、教育現場にある“違和感”を、否定されずに置ける場所がほしかった。
1.名前のない熱だけで走り出した
最初は、ふたりで対話を重ねた。外が真っ暗になるまで放課後の教室で。
うまくいかなかった日のこと。
救われた瞬間のこと。
子どもの一言に、心がふっと軽くなった日のこと。
対話を重ねていくうちに、この時間を他の人たちと共有できれば、次の一歩が「不安」から「ちょっと楽しみ」に変わる人が増えるんじゃないかと思うようになった。
「教育を面白くしたい」
これが僕らの合言葉だった。
2.オンラインの場を開く
12月。Zoomで初めてオンラインの場を開いた。
参加者は6人くらい。画面の中に並ぶ小さな顔。マイクのオン・オフがぎこちなくて、最初は少し硬い空気。
でも、誰かがぽつっと言う。
「職場では言えないんですけど…」
その瞬間、空気が変わる。
画面越しでも分かる。肩が落ちる感じ、息を吐く感じ、表情が“よそ行き”から“その人”に戻る感じ。
言葉が出てきたとき、場が生き物みたいに動き始めた。誰かの言葉が、別の誰かの「それ、わかる」に触れて、触れたところからまた問いが生まれる。
1月、2月と続けて、全3回。
僕らはここで確信した。
大事なのは、情報の多さじゃない。
その人の内側で、何かが動くこと。
世界の見え方が、ほんの少し変わること。
3.ビリギャル坪田先生との出会い
年が明けてすぐ。
『ビリギャル』著者の坪田信貴さんと出会った。
Xのスペースで、塾と学校の垣根を越えて“教育”について対談させていただいた。
坪田先生とのお話は本当に面白く、話し終えた僕の心には、確かに「挑戦の火」が灯っていた。
目の前の現実を“別の角度”から見させてもらった感覚があった。
「学校の中だけで完結しないほうが面白い」
「民間も企業も家庭も、壁を越えて混ざったらいい」
ああ、そうか。
この“違和感”は、学校だけの問題じゃない。
教育に関わる“人”の問題だ。
立場を超えて起きている、もっと大きな話だ。
教育現場の間にある壁を壊して、みんなで今の教育現場を見つめ直し、動いていけばいいんだ。
そんな想いから、名前が生まれた。
CLASH。壁を壊して、つながるために。
一人一人の想いや問いがぶつかり合い、新しい価値を生み出していく。そんな“衝突”を大切にした学び場をつくろうと思い立った。
4.よんなな会、脇さんとの出会い
坪田さんの紹介で、「よんなな会」発起人の脇さんと出会った。
「よんなな会」は、47都道府県の地方公務員と中央省庁で働く官僚をつなげるコミュニティ。
「場をつくって、来た人の志や能力が1%上がれば、世の中はめちゃくちゃ良くなる」
その言葉は、僕らの背中を押すというより、肩を組むみたいに自然だった。
さらに、よんななハウスという会場を貸してもらえることになった。
“場所”というものは不思議で、あるだけで人は集まり始める。何より、こちらが本気でやっていいんだ、と腹が決まった。
「挑戦の火」は少しずつ大きくなっていった。
5.オフラインの場を開く
3月から、オフラインの会を始めた。机を並べる音。紙コップが置かれる音。初対面同士の「はじめまして」の声。
10人くらいの規模が、少しずつ定着していった。
派手な盛り上がりじゃない。でも、帰り際に一人ひとりの顔が軽くなっているのが分かる。
立場はバラバラ。
学校、塾、行政、企業、学生。
だけど、対話を通して肩書より先に“その人の違和感や不安”が出てくる。
「こうしたいのに、現場だと難しい」
「一歩踏み出したいけど、怖い」
「でも、子どもを見ていると、やっぱり諦めたくない」
その言葉が、誰かの言葉に救われる。
救われた人が、次の誰かを救う。
そんな連鎖が、少しずつ生まれていった。

6.教育の壁を壊す、CLASH祭
田町にあるECD地球中心デザイン研究所の会場をお借りして、初めて大きな場でイベントを開催した。その名も、CLASH祭。
人のざわめき。受付の紙。開演前の緊張。
第1回目となるCLASH祭のゲストには、坪田先生をお招きした。
規模が大きくなると、場は薄まる。
これは本当にそう。だからこそ、僕らは意識した。
参加者全員が語れる時間に。
ここにいる一人一人が、主役になる場所に。
坪田先生の一声で、参加者全員が“自分の成功談”を恥ずかしげもなく語る場になった。
現場でしか得られない気づきや洞察がある。
そうした一人一人のベストプラクティスは、
他の誰かを助ける力を持っている。
教育の壁を壊して語り合えば、教育現場はどんどん良くなる。
脇さんも仕事の合間を見つけて、激励するために駆けつけてくださった。
坪田先生と脇さんに灯してもらった「挑戦の火」は、ますます大きくなっていった。




7.コラボイベントの場を開く
9月はAIコミュニティ「IKIGAI.lab」さんとコラボして、「AI×EDUCATION」を開催。
いずれも、8月のCLASH祭で出会った方々とコラボして企画したもの。語り合って終わりではなく、実際に動き出せるって本当に強い。
AI時代の教育のあり方について、立場を超えて語り合った。
現場教員だけでなく、AI専門家と一緒に共創することにとてつもない意義がある。これをできるのがCLASHである。


10月は元教育庁の方とラーメン屋の店長でありながら教育にメチャクチャ熱い方とのコラボで実現した「Career×Education」。
こちらは、キャリアに焦点を当てて、人生3大ニュースを掘り起こしながら自分軸に迫るもの。
温かい空気感の中、涙あり笑いありのいつもと違った深みのある会になった。


AIとキャリア、テーマは違っても芯は変わらない。
「自分は、教育とどう向き合い続けたいのか」
「この時代に、子どもに手渡したいものは何か」
「自分の違和感を、ただの愚痴で終わらせずにどう扱うか」
対話って、便利な手段じゃなくて、勇気がいる。
でも、勇気がいるからこそ、次の一歩につながる。
8.伊藤羊一さんとの出会い
11月は、第2回目のCLASH祭を開催。
『1分で話せ』著者の伊藤羊一さんに、僕たちの活動のことを話すと、快くゲストを引き受けてくださった。
これからの教育を動かしていく人たちに必要な力(アントレプレナーシップ)を学ぶためには、伊藤さんをお呼びする他ないと考えていた。
さらに伊藤さんの著書には、AIを活用した学びや自分軸を大事にした生き方がよく出てくる。
ここにAIやCareerの流れも合流させたら面白いと思い、テーマは「AI×自分軸で、教育を切り拓く」とした。
やってみて感じたとは、人が増えれば増えるほど、空気の管理が難しくなるということ。
でも、この日も確かにあった。
「ここなら言える」
「否定されない」
「ちゃんと聞いてもらえる」
帰り際の表情が、それを証明していた。
まだまだ自分たちにできることがあると確信した。




9.教育の壁を壊して、その先へ
12月。ふたりで、もう一度問い直した。
僕らは、何を続けたいのか。
どこへ向かいたいのか。
誰のために、この場を開き続けるのか。
答えは、派手じゃなかった。
でも、やたらと腹に落ちた。
僕らの、かなえたい夢は…
教育に向き合う人たちが、
ワクワクしながら挑戦できる未来。
これを現実にすること。
そのために開き続ける。
迷いを持ったまま来ていい場所。
言葉にならなくても、居ていい場所。
そして、帰るときには、
次の一歩が“ちょっと楽しみ”になってる場所。
─対話で教育を面白くする。
この場所で、教育の未来を揺さぶる“CLASH(衝突)”を生み出していきます。
教育の未来を形作っていく原動力は、
いつだって教育に向き合う一人一人です。
僕らの挑戦は道半ば。
この想いに共感してくださるみなさんと、
ともにCLASHをつくっていきたいです。
そして2026年。第二章が始まります。
迷いは、恥じゃない。問いの種。その種が、フラットな対話の中でふっと芽を出して、「よし、やってみよう」が立ち上がります。
そんな迷いが「一歩踏み出すきっかけ」になる場所が、早速あります!
📣CLASH 〜第二章〜 キックオフイベント「教育への違和感を語る会」1/17(土)16:00-18:00@有楽町駅前イベントスペース/zoomハイブリッド開催!!
教わる勉強会ではなく、対話で教育を面白くする学び場。
今回持ち寄りたいのは、立派な理想じゃなくて、今の教育現場への“違和感や不安”です。それを言葉にして、ほどいていく時間にします。
帰るときに、何かが解決していなくてもいい。でも、「次に試してみたい一歩」が、自分の言葉で残っている。それで十分だと思っています。
🔗詳細・申込は以下のリンクから
また、コミュニティに参加したい!という方は、以下のリンクよりLINEオープンチャットで申請してください。いつでもお待ちしています!
💬オープンチャット「CLASHの集い」

教育の壁を壊して、その先へ。
教育の夜明けは、遠くの理想じゃない。
誰かの心が少し軽くなる、その瞬間の積み重ね。
そうして夢を現実に近づけていく。
2026年、みなさんとお会いできることを
心より楽しみにしています!
対話で教育を面白くしていきましょぉぉ!
公立 小学校教員 / CLASH代表
北岡 光一
