言語紹介 現代ギリシャ語
こんにちは、Ninastanです。
ちょっとしたシリーズもので、私が学んでいる各言語(ギリシャ語、アルメニア語、タガログ語)の紹介をできたらなと思います。
初回はギリシャ語にさせていただきます。
ギリシャ語を勉強したいなと思っている方はぜひ読んでくださいね。
現代ギリシャ語
まず、現代ギリシャ語ってどんな言語かという事についてお伝えできればと思います。
基礎情報
話者;1350万人
分類;インド・ヨーロッパ語族へレニスティック(ギリシャ)語派
公用語にしている国;ギリシャ、キプロス
主にギリシャとキプロスで話されている他、世界各地に広がっているギリシャ人ディアスポラ(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ)で話されています。
決して話者が少ないというわけではないですが、と言って多いわけでもない言語です。大体話者数で見ると90位くらいだったと思います。
ギリシャ語の難しいポイント
私が勉強している中で、難しいと思ったポイントについて書いていきます。
①イを表す音が明らかに多い。
a → α
i →η, ι, υ, ει, οι, υι
u →ου
e →ε, αι
o→ο, ω
イを表す音が6つもある割には、ウを表す音は2この文字を組み合わせないとないという変な状況になってます。
古典ギリシャ語の時代にはあった長母音と短母音の違いがなくなったことや、二重母音が避けられる傾向になってきたことなどが原因でこのような「変な」表音体系になってしまっています。
②早口に聞こえる。・噛みそうになる
まだギリシャ語を聞いたことがないひとはぜひ下の動画を観てみてください。めちゃくちゃ早口に聞こえると思います。
まあ、外国語を学ぶと最初はどの言語も早口に聞こえるものでしょうけど。
③話し方が冗長
これはもはやギリシャ「語」の話ではなく、ギリシャ「人」のはなしかもしれませんが、話がやたらと冗長なきがします。うまく説明できませんが、冗長にさせるにはつぎのような典型文句があると感じています。
・対話している相手の名前を間に詰める
例;「…ということだよ、マリア、でね、…でさ、言っているのはね、マリア、…」(くどいですね。ちょっとやりすぎました)
・「…というのは、言い換えると」(=δηλαδή)を文章の間に使いまくって長くする
・「あなたに言いたいんだ」(=να σας πω κάτι / να σας πω) を文章の間に使いまくって長くする
・「聞いて」(=ακούστε) を間に詰める
・「言いたいことは」(= εννοώ)を間に詰める
・名詞にいちいち「話さなくても明確な」修飾要素をつけて長くする
・名詞にいちいち「私たちが話している〇〇は」(= που μιλάω)をつける
こんな感じでしょうか。多分他にももっと定型表現はあると思いますが、これのせいで、結構ギリシャ語をきくのがしんどくなります。
④語順が不思議
現代ギリシャ語は現在の言語学の中でもデフォルトの語順がSVOなのかVSOなのかが盛んに議論されています。書き言葉なども合わせれば圧倒的にSVOがおおいんだとおもうのですが、それでも無視できないくらいの数のVSOの文が使われるケースがあります。
個人的にはこれも③で話した「ギリシャ語の冗長性」につながる話だと思っています。
というのは、そもそもギリシャ語は動詞の形で主語が分かるので、わざわざ主語を示す必要のない状況の方が多いのですが、文章と文章の間を埋めるために、すなわち、冗長にするために、わざと動詞を言ってから主語を言って「時間稼ぎ」をしているように感じます。
例; Εξελίχθηκε, λοιπόν, αυτή η συζήτηση μεταξύ των δύο υπουργών εξωτερικών το περασμένο εβδομάδα.;行われていました、ええと、その二人の外務大臣の会談が、先週。
⑤同じ文の要素が二回文章中にでてくる。
これは確かバルカン言語連合の言語によくみられる現象です。一つの文章のなかに同じものを表す単語が二回でてくるのです。
例;Τα άκουγα τα νέα:;私はそのニュースを聞いた。
この文章で、ταとτα νέαは同じ「ニュース」を表しています。しょっちゅう出てくるということではないですけど、たまに見かける文章構造です。
例;Ενημερώθηκε με τις πληροφορίες που τις δεν ήθελα να ακούσω;聞きたくなかった情報を知らされた。
ここで、πουがすでに関係代名詞として機能しているはずなのに、なぜかその直後にτις πληροφορίες を指すτιςが登場しています。
私がギリシャ語について思うこと
以下は私のギリシャ語に対する思いを雑多に書いていきます。雑多ですので、ご注意を。
まず、なぜギリシャ語を勉強しようと思ったかについてです。私はもともと英語の語源が好きで、語源の辞書を眺めているうちにラテン語や古典ギリシャ語の知識が増えていき、結局その二つの言語を勉強しました。
古典を学んでいるときも私としては楽しかったんですが、何か物足りない感が絶えず残り、満足できずにいました。
その理由を後から考えていたのですが、それはきっと、ラテン語も古典ギリシャ語も「メジャー」で、いろんな人が研究し尽くしていることが面白くなかったんじゃないかと思います。私は「みんなが知らない事を知りたい」という欲求が強いので、西欧のアカデミアに深く根ざしてきたこの二言語では、新しい価値観に出会えなかったのですね。
だけれども、実は私結構な時間をラテン語と古典ギリシャ語勉強に費やしました。学校の勉強もせずに中3から高1の二年間は狂ったようにこの二つの言語を勉強していました。
それで、「もっと僕の生きている世界では知られていない」言語(価値観)で「僕が学んできたことを活かせる」ものがないか、と考え、「現代ギリシャ語があるじゃん」という結論に至ったのです。
現在自分はギリシャ語をB2レベル以上で読み書きでき、会話はB1レベルまでならいけるぐらいの実力にはなりましたが、考えてみると、ほとんど現代ギリシャ語の文法勉強せずに読めるようになったなあという感覚があります。
古典ギリシャ語を先に勉強していると、現代ギリシャ語がめちゃめちゃ簡単に見えるので、ほぼ、ニュースを見ているうちに単語と文法を覚えていった感じでした。
個人的にはギリシャ語の特徴的な発音が大好きで、よくスペイン語に似ているとか言われることがありますが、スペイン語がだいぶ明るくハキハキしているのに対してギリシャ語は少しかすんで聞こえます。
もっとギリシャのことが知りたいかたは以下のマガジンをおすすめします。
読んでくれてありがとうございます。
