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ニラを洗うのに30分かかった。

うちの庭には、ニラがたくさん生えている。ニラ畑を作ろうと思ったわけではない。もともとは、夏野菜のコンパニオンプランツとして植えたものだ。トマトやナスなど、夏野菜の根元に少しずつ植えていた。

夏が終わると、夏野菜は枯れる。しかし、ニラは残る。多年草なので、翌年もまた生えてくる。せっかく残っているものを捨てるのももったいなくて、夏野菜を片づけるたびに残ったニラを庭の畑へ少しずつ移植した。

それを何年か繰り返した。気がつけば、庭の畑はだいたいニラになった。

  
端境期のありがたい野菜

大量にあるニラだが、邪魔なわけではない。むしろ、端境期にはとてもありがたい。夏野菜が終わり、秋冬野菜はまだ採れない。あるいは冬野菜が終わって、次の野菜が育つのを待っている。そんな「畑に食べるものがあんまりないな」という時にも、ニラはいる。

ニラ玉にすれば、卵とニラだけでちゃんと一品のおかずになる。チヂミにもする。味噌汁にも入れる。それから、おひたし。ニラだけのおひたしは、ちょっと贅沢だ。たっぷりのニラをしっかり茹でると、甘くてとてもおいしい。

ただし、歯に挟まる。

  
鹿沼には、ニラがいる

鹿沼市は、いちごとニラの産地だ。車で走っていると、ニラのハウスをあちこちで見かける。道路脇に、雑草のように生えていることすらある。ニラそばやニラしゅうまいなど、ニラを使った食べ物もいろいろある。そんな土地なので、ニラそのものは珍しくもなんともない。

丈夫な植物でもある。それなのに、きれいなニラを農薬を使わずに育てようとすると、意外と難しいらしい。

うちのニラには農薬を使っていない。何か強い信念があって拒否しているわけではない。私は農薬についてきちんと勉強したことがないので、使い方がよく分からない。よく分からないものを食べるものに使うのが怖いので、使っていない。だから、虫に食われた葉もある。それでもニラは毎年生えてくる。

ちなみに、ニラの根をモグラが嫌うという話も聞く。しかし、我が家の勤勉なモグラはニラを認識しないらしい。

  
花が咲くと、どうしていいのか分からない

そんなニラにも、毎年困る時期がやってくる。花が咲き始めるのだ。花茎は硬くなって、食べにくい。どうしたものかと思って、私は毎年草刈機で全部刈る。すると、また生えてくる。そして、また花がつく。また刈る。また花がつく。だんだん諦める。そのうち寒くなって、ニラは枯れる。

だいたい毎年、そんな感じだ。

刈ったばかりなのに、花芽が伸びる。

  
一週間で、またニラになった

一週間ほど前、今年もニラを草刈機で全部刈った。ほとんど根元から刈ったはずなのに、今日見てみたら、もう青々とした葉が伸びていた。

若い葉なので、柔らかい。そこで初めて思った。花がついてどうしようもなくなってから全部刈るのではなく、柔らかいうちにもっとこまめに刈ればいいのではないか。そして、食べきれない分はおすそわけに入れてもいいのかもしれない。

これまで、ニラはおすそわけに入れようとは思っていなかった。きゅうりやナスのように勝手にどんどん実がなって「食べきれない」という野菜とは少し違う。ニラは、自分から刈りに行かなければ収穫されない。おすそわけするためにわざわざ収穫するのは違う気がしていた。

でも、柔らかい葉を保つためにどうせ刈る。その結果、家族では食べきれないほど採れるのなら、それはいつもの「畑からあふれた野菜」と同じなのかもしれない。

  
ニラをきれいにするのに、30分洗った

根元を洗ってゴミを落とし、枯れた葉っぱや他の草を取り除く。一本ずつやるので、とてもめんどくさい。

家に持ち帰って、ニラを洗った。土を落として、枯れた葉や草を取り除いて、一本ずつ見ながらきれいにした。

終わらない。

洗っても洗っても、まだニラがある。30分ほど経ったところで、もう、めんどくせーなと思った。そして、残りを洗うのを諦めた。

まな板に入っていないやつらは、洗うのを諦めた分だ。

自分で育てたニラですら、30分洗っていたら嫌になる。忙しい人がこれを受け取ったら、同じように「めんどくさい」と思うかもしれない。

おすそわけの野菜は、基本的に洗わず畑から採った状態で渡している。それなら私の手間は増えない。でも、手間そのものがなくなるわけではない。私がやらなかった分を、受け取った人がやることになる。

ニラ玉にすればおいしい。おひたしにすれば甘い。でも、そこへたどり着くまでが、ちょっと面倒だ。

だったら、選べるようにしておけばいい。基本はこれまでどおり、中身はおまかせ。ただ、ニラが入る日は「今回はニラも入ります。いらない人は遠慮なく言ってください」と伝えることにしようと思う。いらないと言われたら、その分ほかの野菜を入れればいい。全部の野菜を選べるようにするつもりはない。でも、受け取ったあとに大きな手間がかかるものについては、「今回はいらない」と言えるくらいの余白があってもいい。

  
ニラとの付き合い方を、少し変える

コンパニオンプランツとして植えたニラが、いつの間にか庭いっぱいに増えた。端境期には食卓を助けてくれる。花が咲けば困る。でも、白い花はかわいい。刈っても刈っても、また生えてくる。

今年は、そのニラとの付き合い方を少し変えてみようと思う。柔らかいうちにこまめに刈る。家で食べる。余ったら、欲しい人におすそわけする。いらない人には入れない。
たぶん、それくらいでいい。

そして、ひとつ問題が残っている。
ニラを楽にきれいにする方法が、まだわからない。もし、大量のニラを手早くきれいにする良い方法をご存じの方がいたら、ぜひ教えてほしい。また30分洗うことになる前に。


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