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その呼吸が、すこしだけ白くなる。
それを見ていると、世界の縁がほどけていく気がした。
言葉にすれば固定され、定義すれば死んでしまう。
だから私は、そのあわいに指を触れるようにして綴る。
けれど触れた瞬間に、もうそれは別のものになっている。
皮膚が熱を持ち、やがて消えていく。
窓の外で、信号待ちのカラスが透明な空を咀嚼している。
私はそれを見ていた。
ただ、それだけのことが、忘れられない。
そういう人間が、「現成」という名で書いている。

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