「僕、できない」にイライラした夏休み。見本を作ったら、息子は動き出した
「はぁ、またか……。」
夏休みの絵日記を前に、息子はずっとぐずぐずしていました。
「僕、できない」
「分からない」
「書けない」
私が何度声をかけても、まったく始めようとしません。
「お母さんも一緒にやるから、やろう」
そう言っても、動かない。
息子は小学2年生です。
自分で考え、最初の一歩を踏み出すことが苦手なのは、分かっているつもりでした。
それでも、正直かなりイライラしました。
夏休みに入ってから、毎日ずっと一緒です。
一度なら待てても、何度も「できない」が続けば、こちらの余裕もなくなります。
絵日記は、夏休み中に二つ書くことになっていました。
一つ目は、日間賀島へ行った日のことです。
旅行中にはいろいろな出来事がありましたが、息子が選んだのは、高台にある大きなブランコでした。
ブランコに乗ったことが楽しかった。
景色がきれいだった。
ばあちゃんは、息子が何を書きたいのかを聞きながら、絵と文章の見本を先に作ってくれました。
すると息子は、その見本をまねしながら書き始め、最後まで完成させました。
じいちゃんとばあちゃんからは、
わがままでやらないのではなく、「やろう」と言われた瞬間に、頭の中がくしゃくしゃになるのではないか、と言われました。
直そうとするより、最初は一緒に伴走した方がいいのではないか、とも。
私は、ハッとしました。
「一緒にやろう」と声をかけるだけでは、息子にはまだ足りなかったのかもしれません。
もう一つ、絵日記が残っていました。
何について書くか尋ねると、息子は、自由工作で作ったアルコールインクアートの定規にすると決めました。
どんなイメージで作ったのか聞くと、息子の答えは「うちゅう」でした。
そこで私は、
「『オリジナルのじょうぎを作りました。うちゅうみたいにできました』って書いてみたらどう?」
と聞きました。
息子も、それがいいと言いました。
私は絵日記の用紙をコピーし、その紙に絵と文章の見本を書き始めました。
「お母さんも一緒にやるから」と誘うだけではなく、先に手を動かすことにしました。
「こんな感じで書いてね」
見本を見せると、最初は嫌がっていた息子が書き始めました。
絵も文章も見本をまねしながら、自分の手で最後まで書きました。
大人が内容をすべて決めたわけではありません。
何を書くか、どんなイメージにするかは息子が選びました。
その気持ちを聞きながら、大人が最初の形を作る。
息子は、それを手がかりに自分で完成させる。
これは宿題を代わりにやることではなく、
息子が動き出すための準備を整えることだったのだと思います。
頭では分かっていたはずなのに、生活の中ではうまくできないことがあります。
何度もぐずられれば、私もイライラする。
「わがままを言っている」と思ってしまう。
息子の特性を理解したからといって、いつでも穏やかに伴走できるわけではありません。
理解と苛立ちは、同時にあります。
それでも今回は、祖父母の言葉に助けられ、息子に必要な支え方を思い出すことができました。
「やったー! 終わった!」
満足そうな息子。
こうして8月9日、夏休みの宿題がすべて終わりました。
そして私は、ようやくほっとしました……
――――――――――
今回の出来事で、以前受けたWISC-Vの結果と、学校や家庭で見てきた息子の姿が、私の中でもう一度つながりました。
WISC-Vだけで息子の初動の苦手さが分かったわけではなく、検査結果が息子のすべてでもありません。
それでも、目の前の姿を「わがまま」で終わらせず、息子の特性として考える材料にはなりました。
実際の検査結果と数値、結果をどう受け止めたか、日常の姿とどう重ね、支援級を選ぶ判断につなげたかは、こちらの記事にまとめています。
できない、で止まる子に
それぞれの動き出せる形みつけてあげたい
そんな気持ちで書いたnoteです。
