【海外ドラマレビュー】S.W.A.T. ―1話完結なのに"薄くならない"、安定型の代表作
前回の[60本超ランキング記事](※ここにランキング記事へのリンクを貼ってください)で「安定型」に分類した『S.W.A.T.』。今回はこの作品を単体で深掘りしていきます。
作品について
『S.W.A.T.』は、1975年の米ABCドラマ「特別狙撃隊S.W.A.T.」、および2003年公開の映画版(サミュエル・L・ジャクソン主演)を原作とする、現代版リブートのポリスアクションドラマです。舞台はロサンゼルス市警察の特殊武装戦術部隊。主人公ホンドー役を『クリミナル・マインド』でおなじみのシェマー・ムーアが演じています。2017年の放送開始から全8シーズン・163話を重ね、2026年3月に完結しました。1話完結の事件解決を軸にしながら、チームメンバーの過去や人間関係が長期的に描かれていく構成です。
良かった点
① ストーリーが練られていて、1話完結型にありがちな単調さがない
刑事ものや捜査ものは「今週の事件→解決」で終わってしまい、回を重ねるごとに構成がマンネリ化しがちです。しかし『S.W.A.T.』は、事件そのものの捜査劇に加えて、チームの人間関係や個人の過去が並走するように描かれるため、単発のエピソードでも「ながら見」で終わらない密度があります。事件の規模や種類も強盗、テロ、麻薬、人質事件と多彩で、フォーマットが固定されているのに飽きが来にくいのが強みだと感じました。
② 登場人物が魅力的で、安定感がある
チームメンバーそれぞれにキャラの立った背景があり、感情移入しやすい構成になっています。何より特筆すべきは、長期シリーズにありがちな「主要キャストの降板・引き抜きによる空中分解」が少ないこと。もちろんゼロではありませんが、他の長寿ドラマと比べると本当に安定していて、見ている側としては「この人がずっとチームにいてくれる」という安心感がありました。この"変わらなさ"こそが、長期間ファンが離脱しにくい理由の一つだと思います。
③ とはいえ、良くも悪くもキャラクターが強すぎる面もある
安定感の裏返しとして、チームメンバーが基本的に「やられない」「揺るがない」印象が強いのも事実です。ピンチのように見えても、結局は実力と連携で切り抜けてしまうため、緊張感という点ではやや物足りなさを感じる回もありました。「絶対に大丈夫」という安心感がある一方で、手に汗握るスリルを求める人にはやや物足りないかもしれません。
気になった点
1話完結型なのに、キャラの再登場を忘れてしまう
基本的には1話完結のフォーマットですが、過去に登場したゲストキャラクターや事件関係者が、シーズンをまたいでかなり間を空けてから再登場することがあります。長期シリーズを一気見ではなく期間を空けて視聴していると、「あれ、この人誰だっけ」となる場面が何度かありました。複数シーズンにまたがる伏線を追いたい人は、簡単なメモを取りながら見るのがおすすめです。
まとめ:こんな人におすすめ
刑事・捜査ものが好きだが、マンネリ化したドラマに飽きている人
安心して長く見続けられるドラマを探している人
手に汗握るギリギリの緊張感より、頼れるチームの活躍を見たい人
逆に、キャラクターが本当に追い込まれるようなシビアな緊張感を求める人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
163話という長さは正直なところ気軽には勧めにくいボリュームですが、「安定型」という言葉がこれほどしっくりくる作品も珍しいので、腰を据えて見られる一本を探している方にはぜひ試してほしいです。
総合評価
総合評価点:80/100点(Aランク)
安定して面白い回が続く一方、緊張感の振れ幅という点では殿堂入り(Sランク)の作品には一歩譲る、というのが80点という点数の位置づけです。「圧倒的な傑作」ではなく「長く付き合える良作」、という言葉がこの点数には一番しっくりきます。
評価基準について
S(100〜90)/A(89〜80)/B(79〜70)/C(69〜60)/D(59〜)
の5段階で採点しています。
(この記事は[海外ドラマ60本超ランキング]の派生レビューです。他の作品のレビューもあわせてどうぞ)
