「科学的根拠がない」と言われたら。元研究者が紐解く、エビデンスと試験法の真実
「ホメオパシーには科学的根拠がない」
そう言われて、悔しい思いをしたことはありませんか?
あるいは、自分でもそう思って、
モヤモヤしていることはありませんか?
「科学的」って、何だろう
わたしは20年間、最先端の研究開発の現場にいました。
特許も100件以上出してきた、まあまあ本気の部類の科学者です。
そのわたしが、いつも思っていること——
「みんなの言う『科学的』って、何だろう?」
科学とは本来、
「まだわかっていないことを、明らかにしようとする営み」です。
「科学的に証明されていない」ということは、
「まだ説明できていない」ということであって、
「存在しない」「効かない」とは、同じではありません。
科学の歴史を振り返れば、
発見から何十年も後になって
ようやく原理が解明された例は、無数にあります。
電磁波も、X線も、
最初は「そんなものがあるはずがない」と否定された時代がありました。
そもそも、エビデンスとは何か
「ホメオパシーにはエビデンス(科学的証拠)がない」
という批判があります。
でも、エビデンスが「ない」のではなく、
「現代の科学の道具では、まだ十分に測れていない」
というのが、正確なところだと思っています。
③の記事でお伝えしたように、
ホメオパシーのレメディが働く仕組みは、まだ完全には解明されていません。
でも、「仕組みが説明できない」ことと、
「効果がない」は、同じではないのです。
実際に、ホメオパシーに関する
査読付きの学術論文は世界に複数存在しています。
すべてが「有効性を証明した」わけではありませんが、
「エビデンスが一切ない」というのも、正確ではありません。
二重盲検法では、測れないものがある
「二重盲検法で証明されていない」という批判もあります。
二重盲検法とは、現代医学で薬の効果を検証するための、
最も信頼性が高いとされる試験方法です。
患者をふたつの群に分け、
一方には試験する薬を、
もう一方には見た目が同じ偽薬(プラセボ)を与える。
そして、患者本人も、治療にあたる医師も、
どちらの群が本物の薬を与えられたかを知らない状態で行います。
「知っていると、無意識に結果に影響が出る」
という人間の心理的バイアスを排除するための工夫です。
この方法は、「同じ病名の人に、同じ薬を当てる」
という前提に立っています。
でも、ホメオパシーは違います。
同じ「頭痛」でも、
怒りっぽい時期に出る人と、
悲しみを抱えている時期に出る人と、
疲れが極限に達した時に出る人と、
気候の変動で出る人とでは、
合うレメディがまったく異なります。
「病名から薬を選ぶ」のではなく、
「今のその人の状態を読んで選ぶ」——
この前提が根本的に違うため、
二重盲検法はホメオパシーとは、そもそも相性のよくない試験方法なのです。
ワインの味わいを、アルコール度数で判断するようなもの
とでも言えばわかりやすいでしょうか。
測る方法が違えば、正しく測れない。
それだけのことです。
科学者として、向き合う
わたしは、ホメオパシーを
「科学を超えた神秘的なもの」
として語りたくはありません。
でも同時に、
「科学で説明できないものは存在しない」
とも思っていません。
わたしが確信を持って言えることは——
「良い結果が出た」という事実が、
世界中に無数に積み重なっているということ。
その積み重ねを、
「科学的に証明されていないから無効だ」と切り捨てることは、
科学者としてあるべき姿勢ではないと、わたしは考えています。
科学は、進化する
現在の科学が「説明できない」ことは、
未来の科学が「説明できる」ことになるかもしれない。
③の記事でお伝えした「水の記憶」の研究、
分光分析による水の構造研究——
少しずつ、少しずつ、
「なぜ効くのか」に迫る研究が 世界各地で続いています。
わたしは、その日が来ることを楽しみにしながら、
でも、極端な話、ずっとわからなくてもいいや、と思いながら、
今日もホメオパシーの実践を続けています。
「『科学的に証明されていない』という言葉を聞いたとき、
ぜひ一度、立ち止まって考えてみてください。
それは『効かない』という意味なのか、
それとも『まだ説明できていない』という意味なのか——と。
では、ホメオパシーはどうやってレメディの効果を知るのか。
次の記事では、その答えをお伝えします。
足立百恵 Chez MOMO シェ・モモ
※「ホメオパシー大全」は、毎週月・木にお届けする予定です。
