元化学系エンジニアが行き着いた、「その人を診る医療」の正体
ホメオパシーを四半世紀近く実践してきて、
一番よく聞かれる言葉は 「それって、怪しくないの?」です。
正直に言います——私も最初は、そう思っていました。
化学系エンジニアとして長年、研究開発の仕事に携わってきた人間として、
科学的な訓練を受けていない文脈で語られる
「エネルギーが…」
「波動が…」
「量子力学では…」 という話を、すんなり受け入れられるはずがない。
でも、効いてしまったのです。
そこからが、長い旅の始まりでした。
ちょっと立ち止まって、考えてみてください。
頭が痛ければ頭痛薬、眠れなければ睡眠薬、
花粉の季節には抗アレルギー薬、
疲れたらビタミン剤やサプリメント——
これが「当たり前」になっていませんか?
薬やサプリを飲むことを否定したいわけではありません。
緊急時や必要な場面で、薬は間違いなく力になります。
でも——
「不快な症状をなくすこと」だけが、
本当に「健康になること」なのだろうか。
そんな問いを、ずっと持ち続けてきました。
「病院に行っても、異常なしと言われる」
「薬を飲み続けているけれど、根本から変わらない」
「心と身体がどこかちぐはぐな気がする」
「このサプリメント、一生飲み続けるのだろうか?」
そういう方に、まず届いてほしいと思って書いています。
ホメオパシーとは
ホメオパシー(Homeopathy)。
この言葉は、ギリシャ語の Homeo(類似の・同種の)と Pathos(苦しみ・病気) を組み合わせた言葉です。
日本語では「同種療法」「類似療法」とも訳されます。
「似たものが似たものを癒す療法」と言うと、少しわかりやすいかもしれません。
18世紀後半のドイツで生まれた自然療法で、
ヨーロッパ・インド・南米など、
世界各地で補完・代替療法として実践されています。
現代医学は、 頭痛には頭痛薬、咳には咳止め——
「症状をなくすこと」を目的とした医療です。
症状やその症状を引き起こしている臓器を
細分化していくことにその特徴があります。
(総合病院に行くと、たくさんの科に分かれていますよね)
ホメオパシーは、その逆の発想から始まります。
人間の、身体(Body)・精神や感情(Mind)・魂(Soul)を含む
全体像をとらえ、
その人の内側で起きている不調和を整えることで、
表面に現れている症状が自然に消えるのを促す。
わかりやすく言えば、
「自然治癒力が最大限に発動できるように促す」
という感じです。
生きているものたちが、
もとの健やかな状態に戻ろうとする力—— 自然治癒力は、
現代に生きるわたしたちが思うより、はるかに大きな力なのです。
だから、ホメオパシーには「病名」がありません。
「頭痛を治す」のではなく、 「あなたという人を癒すこと」が目的なのです。
レメディとは
ホメオパシーで使うのは薬剤ではなく、「レメディ」と呼ばれるもの。
remedy——re(再び)+medy(中庸・癒す)
植物・鉱物・動物など、自然界にあるものを原材料に、
繰り返し薄め・強く振る(succussion)という工程で作られ、
時には液体のまま、時には砂糖の粒に染みこませて
舌の上でとかして飲みます。
「砂糖の粒?」と思った方—— そうです、見た目はただの砂糖の粒です。
薬効成分は含まれていません。
でも、「効いて」しまうのです。
何が起きているのか——その話は、この先の記事で。
「症状」ではなく「人」を診る
ホメオパシーの最も根本にある発想は、ここにあります。
症状は「なくすもの」ではなく、「読むもの」だということ。
頭が痛い、眠れない、気力が湧かない——
それは、身体や心が何かを伝えようとしているサインかもしれない。
そのサインを丁寧に読み、 その人の内側にある不調和を整えていく。
症状が消えるのは、その結果です。
だから、ホメオパシーでは同じ「頭痛」でも、
人によって選ぶレメディがまったく違います。
「頭痛に効くレメディ」というものは、存在しないのです。
あるのは、「あなたの今の状態に合うレメディ」です。
このシリーズ「ホメオパシー大全」では、 ホメオパシーの歴史、レメディの仕組み、 世界での使われ方、日本でのイメージの背景—— できる限り丁寧に、正直に書いていきます。
四半世紀近く・1300名以上のクライアントさんと向き合ってきた 化学系エンジニア出身のホメオパスが、
科学の視点も手放さずに書く場所です。
次の記事は、ホメオパシーの歴史から始めます。
足立百恵 / Chez MOMO シェ・モモ
