このまま夜が明けなければいいのに
フロアを照らす銀色の光が、グラスの縁で妖しく跳ねる。
重低音が足元から身体を揺らし、流れるレトロなディスコビートに身をまかせていると、フロアの向こうからあなたが歩み寄ってきた。
「まだ踊れる?」
答えの代わりに、私は少し首をかしげて微笑む。
時計の針はとうに真夜中を過ぎているけれど、この眩しい光の中にいれば、明日の朝なんて永遠に来ないような気がした。
ふたりでステップを踏むたび、ジャケットの影が交差しては離れていく。汗で濡れた肌に触れる指先、鼓膜を震わせるリズム、そしてネオンの下で重なるふたつの影。
「このまま夜が明けなければいいのに」
そう囁いた私の声は、大音量の音楽にかき消されたけれど、あなたは確かに頷いて、私の手を少し強く握り返してくれた。
