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Mythicalage ~四海大戦・後編~ 第二十二話話 エピローグ

粛慎国の国君と狼伯、王牙虎が陽城の都を見下ろす草原に立ち、朝日を浴びながら話している。近くに生えている背の高い草が風に揺られてさらさらと音を立てていた。遠くの宮殿には杖を突きながら、女嬌と麒麟と共に歩く禹の姿が見えた。

「国君よ。大荒の北を離れてここ陽城に残られると聞きましたが、誠でしょうか?」

「ふむ、誠ですぞ。礼に易に楽、書に詩など、これまでの学問の成果を書き記そうと思いましてな。」

「それは大切な仕事ですね。」

少し冷気を含んだ早朝の優しい風が狼伯の金色の毛を撫でるように吹き去って行った。

「ああ、風が心地よい。もう剣を持たずに久しいが、平和だな。」

「これが大道の世ですか、国君よ?……ふふ、もし違ったとしても私には大道に思えます。」

「ほっほっほ、王牙虎よ。大道の世かどうかを決めるのは今生きている我々ではないですぞ。」

「そうでしたね、国君。大道かどうかの判断は後の世の、我々の子孫に任せましょうか。」

「古の黄帝の時代、世は大道に至ったと言いう。後の世ではきっと、世の徳は帝舜から始まり、禹の時代に大道に至ったと言われることであろう。」

「ふふ、私もそう思うよ、狼伯よ。そして、今はこの平和な世を一日でも長く楽しもうではないか。はっはっは。」

「ほっほっほ、天は万物を生みて所有せず、育ててこれを支配せず。人の世もこのようにありたいものです。」

大道の時はゆったりと流れ、作物が育たない地方があれば作物が多く育った地方の領主たちが分け与え、人々は飢えることは無くなり、絹の着物は人々を優しく包み込み、鉄製の道具で作られた家は人々を凍える寒さから守った。

そして衣食住が満たされた人々は禹に倣い徳を以って互いに接するようになったのだ。年上の者、地位が高い者は年下の者、地位が低い者へと仁の心を持ち優しく接し、時には義の心を以って守った。また、年下の者や地位の低い者は礼を尽くしてそれに応じた。

人の親となった者は子供に生き方と共に礼節を教え、子供たちは大人たちに礼を以て接し、智を以って勉学に励み、信を以ってその友に接した。この様にして大道の世は過ぎ去っていったのだ。

夏后禹の治世は長く続き、死後その亡骸は会稽山に葬られた。そして、夏后禹の死後にはその息子である夏后啓(けい)が夏王朝の2代目の王として即位し、禹が建国した夏王朝は長く続いた。

四海大戦の後、神性を持って生まれてくる子供の割合が減少していくと共に、龍や鳳凰、神獣たちは見られなくなっていき、このようにして神話時代は幕を閉じていった。その傍らで新たに人々の歴史が刻まれていくのであった。

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