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📚101【へこたれてなんかいられない】2.99で肩を上げて生きる 1471


※ヘッダー画像は表紙部分です

へこたれてなんかいられない

ジェーン•スー(1973年東京都生まれ、コラムニスト、作詞家、ラジオパーソナリティ)

中央公論社 207頁
2025.1.25初版


ジェーン•スーさんのコラムを読む機会は何度もあり、まあまあ好感を抱いていた割りには、まとまったものを読んだことはなかった。
図書館に行ったらたまたま「本日返却された本」のコーナーにあったので、我が家にお連れした次第。

初出は、婦人公論(2019.12.10号〜2025.1月号)掲載の「スーダラ外伝」。
中年のリアルというか、著者の肩肘張らない日常。

第1章 今日もなんとか生きていく
第2章 ポンコツな我々と日々のタスクと
第3章 大人の醍醐味・中年の特権
第4章 それでも生活は続くのだから
この中に、いったい何編くらい収録されてるんだろう?
ひとつひとつのコラムは3ページ程度なので、隙間時間でも読みやすい。

 私にとってインディペンデントとは、自分らしくいられることを最優先できる状態。

第1章今日もなんとか生きていく P13

体の老い、家族、恋愛、仕事、人間関係、社会の偏見、うんざりすることも、腹の立つことも、理不尽なことも、生きていればそこらじゅうにある。
全力で立ち向かわなくても、ジタバタしても、好きなことに夢中になって(彼女の場合はプロレス)、自分らしくいられたらまあいいか。
それが彼女のスタンス。

話題は、親の介護、家父長制、男性社会、恋愛、結婚観、選択的夫婦別姓、他者との境界、コロナ、ワクチン、米国大統領、人間ドック、歯科治療等々、多岐に渡る。
筆致はあくまで軽快で明解で、決して説教くさくはないし、面白エピソードも豊富。
疑問に感じたり怒ったりするポイントが似通っていて嬉しい。

「冷蔵庫の中がいっぱいだ」という独り言に、復縁して日が浅いパートナーは「じゃあ片付けておいてあげよう」と、断りもなく食品を捨てまくった。
冷蔵室を初め、冷凍室やら引き出しやら棚にあったものまで賞味期限(消費期限ではない)が切れたものは、高価ないただきものも、思い出の品も、いつか食べようと置いていたものも全て。
褒めてもらえると思っていたパートナーは、怒りの心頭の著者に仰天。
自分の価値観を他者に当てはめ未確認のまま取捨選択するのは、相手の尊厳を踏み躙る蛮行。
食品くらいで大袈裟?
勝手に親切心を押し付けられたら、私も嫌な気持ちになる。

全体の印象としては……
人は誰しも間違える。
信頼と不信の境い目は、間違えたときに誤りを認められるか、真摯にリカバリーできるか。
それとも弁明に必死になるのか、間違いの上塗りをするのか。
とか

人は誰しも完璧じゃない。
どこかにポンコツを抱えている。
ポジティブ思考で立ち向かうより、ポンコツだから失敗もするという前提で生きていけばいい。
とか

人生は不条理と理不尽のごった煮。
生きていればいろいろあるけれど、「(3カウントの)2.99」で肩を上げれば負けじゃない。
とか

旧態依然として変わらない社会には歯噛みしたくなるし、解り合えない人にはモヤモヤする。
嫌なことは嫌だし、怒るときは怒る。
そんなこともあるよね。
でも生きていられれば、まあいいか。
とか。

読後にエネルギーが漲る、やる気が満ち満ちるというより、いい感じに肩の力が抜ける。
「何かを得なくては」なんて意気込まなくても、少々理不尽なことがあっても、なんとか生きていけそうだ。

                2026.4.11.土








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