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タンパク質、摂ってるつもりで摂れていない問題。

「タンパク質はちゃんと摂っています」

そう思っている人、多いと思います。私も、肉も魚も豆もバランスよく食べているので、正直「足りてるはず」と思っていました。

でも調べてみると——これ、実は多くの人が陥っている「思い込み」かもしれないんです。

今日は、タンパク質の「摂れているつもり」問題について、お話ししたいと思います。


推奨量を満たしていても、実は足りていない

まず、基本のデータから。

50代女性のタンパク質推奨量は1日50g。令和元年の国民健康・栄養調査によると、50代女性のタンパク質摂取量(平均値)は64.1g/日。数字だけ見ると、足りているように見えます。

でも——この「推奨量」自体が、そもそも低すぎるんじゃないか、という指摘があるんです。

実際に年代別のたんぱく質量目標量の達成率は、約70%も不足しているのが現状です。生活習慣病を意識してカロリー制限への意識が高まる50代は、食事量全体が減り、3大栄養素の摂取量も低下する傾向がある。

つまり——「平均的には足りている」ように見えても、実際にはダイエット意識や食事量の減少によって、多くの人が不足している可能性が高いんです。


50歳を過ぎると、消化吸収力が落ちる

ここが、今日一番伝えたいポイントです。

たんぱく質は、消化・吸収されることで、はじめて体内で活用されるようになります。この消化・吸収がうまくいかなければ、たとえ十分な量のたんぱく質を摂取していたとしても、たんぱく質不足に陥ります。

50歳前後になると、消化酵素の活性が急激に減少することがわかっています。つまり、若い頃と同じ量のたんぱく質を同じように摂取していても、体内でうまく活用されない可能性があるんです。

これ、すごく大事な視点だと思いませんか?

「食べている量」と「体に取り込まれている量」は、別物。

50代になったら、若い頃よりも多めに摂る意識と、しっかり噛んで消化を助けることが必要になってきます。


なぜ「足りているつもり」が起きるのか

朝はパンとコーヒーだけ。お昼はうどんやおにぎりだけ。

こういう食事だと、主菜(タンパク質源)がそろわず、タンパク質量が少なくなりやすいんです。

肉も魚も豆も食べているつもりでも、1日の食事を振り返ってみると——意外と「炭水化物だけの食事」が多かったりする。

厚生労働省の基準では、65〜74歳の高齢者のたんぱく質推奨量は男性60g、女性50g。50代女性の推奨量(50g)と、実はほとんど変わらないんです。

つまり「年齢が上がったらタンパク質がもっと必要になる」というより、**「同じ量を摂っても、消化吸収されにくくなる」**ことの方が、本質的な問題。必要な"量"自体はあまり変わらないけれど、それを体に取り込む"力"が落ちていく——そこに気づかずにいると、結果的に不足していきやすいんです。

「3食、ちゃんと食べているのに、実は1食あたりのタンパク質量が全然足りていなかった」——これが、隠れタンパク質不足の正体です。


タンパク質が不足すると、何が起きるか

骨は半分がタンパク質(コラーゲン繊維)からできています。このタンパク質の「骨の足場」にカルシウムなどのミネラルが沈着して、丈夫な骨が形成される。タンパク質が不足すると、この土台が弱くなります。

筋肉量が減ると、基礎代謝が低下し、太りやすくなったり、疲れやすくなったりします。また、転倒のリスクが高まり、骨折しやすくなることも。

髪が薄くなったり、爪が割れたり波打つのは、タンパク質不足のサインです。

タンパク質は、身体のほぼすべての材料となる栄養素。慢性的に不足すると、体は生命維持を優先するため、美容・筋肉・代謝・メンタルといった部分から「切り捨て」られていきます。

「なんとなく老けてきた」「疲れやすい」「爪が弱い」——それ、もしかしたらタンパク質不足のサインかもしれません。


タンパク質は、メンタルにも直結していた

これも、私自身の体験です。

以前、少し鬱っぽさを感じた時期がありました。その時に頼ったのが、私が信頼している藤川徳美先生の著書。「うつには、タンパク質をしっかり摂るといい」と書かれていたんです。

実際に藤川先生のクリニックに伺った時も、同じことを言われました。「タンパク質をしっかり摂りなさい」と。

そこでプロテインを使い始めたら——鬱っぽい症状が、あっという間に改善されたんです。

藤川先生は、うつは精神的疲労やストレスだけが原因ではなく、**「質的栄養失調」**がきっかけになることが多いと指摘しています。日本人女性は、タンパク質と鉄、どちらも不足しがちで、それがうつやパニック症状と深く関係しているというんです。

「気持ちの問題」だと思っていたものが、実は体の栄養状態の問題だった——これ、先週書いた「腸と脳は会話している」の話とも、つながっていますよね。脳の不調を、心の問題だけで片付けないこと。体の材料が足りているかを、まず見てみること。


でも、摂るだけでは足りない人もいる

ただ、ここで一つ大事な視点があります。

タンパク質をしっかり摂り始めても、すべての人がすぐにうまくいくわけではないんです。

消化酵素の働きが弱い人は、いくらタンパク質を摂っても、うまく分解・吸収できない。実際に「タンパク質を増やしたら便秘になった」「お腹が張ってしまった」という声もあります。長年タンパク質をあまり摂らない食生活を続けてきた人ほど、体がそれを消化する力自体が弱っていることがあるんです。

つまり——

「何を摂るか」と同じくらい、「どう消化するか」が大事。

これは、前のセクションでお伝えした「50歳を過ぎると消化酵素が減る」という話と、まさに重なってきます。

タンパク質を増やす時は、いきなり大量に摂るのではなく、少しずつ増やしていく。よく噛む。発酵食品や食物繊維で腸内環境を整えながら、消化を助ける。場合によっては消化酵素やビタミンCのサポートも検討する。

「足りないから足す」だけでなく、「足したものを、ちゃんと活かせる体をつくる」——両方の視点が必要なんです。


プロテインだけに頼らない、摂り方

プロテインは便利だけど、それだけに頼らなくていいんです。日常の食事で、しっかり意識すればちゃんと摂れます。

① 1食に「手のひら1枚分」のタンパク質源を

肉、魚、卵、豆腐——それぞれ手のひらサイズを目安に、1食に必ず入れる。「主菜」を必ず用意するという意識が大切です。

② 動物性と植物性を組み合わせる

肉や魚(動物性)と、豆や豆腐(植物性)を組み合わせる「ダブルたんぱく」という考え方があります。それぞれ異なるアミノ酸組成を持っているため、組み合わせることでより効率的に活用されます。肉も魚も豆もバランスよく食べる——これは栄養学的にも正解だったんです。

③ 朝に意識的にタンパク質を摂る

朝食はパンとコーヒーだけ、という人ほど不足しやすい。卵、納豆、ヨーグルト、魚——朝のタンパク質を増やすだけで、1日のバランスがかなり変わります。

④ よく噛んで食べる

50代以降は消化酵素の働きが落ちるため、しっかり噛むことが消化吸収を助けます。早食いは、タンパク質を「摂ったつもり」で終わらせてしまう原因のひとつです。

⑤ まとめて摂らず、3食に分ける

タンパク質は余剰分が尿中に排出され、体内に蓄積されることはほとんどありません。1食にまとめてたくさん摂るより、3食に分けて摂る方が効率的です。


「足りているつもり」を、今日見直してみて

肉も魚も豆も食べている——それは素晴らしいことです。

でも、量と消化吸収力、両方の視点で見直してみると、新しい気づきがあるかもしれません。

50代の体は、若い頃より多めのタンパク質を必要としていて、しかも消化吸収力は落ちている。だからこそ、「摂っているつもり」から「ちゃんと摂れている」へ、意識をシフトすることが大切なんです。

今日の食事、タンパク質源は何が入っていましたか?

その意識だけで、体は少しずつ変わっていきます。


文・ちゃお

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