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あのトヨタを超える営業利益を稼ぐ企業が、日本にあるって知ってますか?

こんにちは! 熊本で半導体材料営業をしている こーへい です。

営業利益4兆円が予想されるある半導体メーカー。

トヨタ自動車の見通し3兆円を超える。

しかもこの会社、つい2年前まで株式上場すらできなかった。

そんな企業が実はあるんです!

その企業の名前は、キオクシアホールディングス元・東芝のメモリ半導体事業から生まれた、日本唯一の大手半導体メモリメーカーです。

「キオクシアって何?」という方がほとんどだと思います。

でもあなたのスマホの「128GB」「256GB」という容量表記、あれを支えている半導体を作っている会社です。

今回は、このキオクシアに一体何が起きているのか、やさしく整理します。

第1章|数字で見る異次元の利益

まず数字を見てください。

キオクシアの2027年3月期の営業利益について、市場予想(QUICKコンセンサス)は4兆円。前期比で5倍超の成長です。なんと5倍超なんです!

トヨタ自動車の2027年3月期の営業利益見通しは3兆円。つまり市場の予想通りなら、キオクシアはトヨタを営業利益で上回ることになります!

さらに驚くべきは、直近の営業利益率です。2026年1〜3月期は54%。売上の半分以上が利益として残っている計算です。

100円売って、54円が利益。

これがどれほど異常な数字かというと、前年同期の営業利益率は11%でした。1年で43ポイントも跳ね上がっています。

会社側も決算説明会で「製品価格の上昇は非常に大きなスピードで進んでいる」と説明しています。

第2章|最近まで上場できなかった会社

これだけの利益を叩き出すキオクシアですが、ここに至るまでの道のりは本当に苦しいものでした。

キオクシアの前身は、あの大手家電メーカー東芝のメモリ半導体事業です。

2017年、東芝が不正会計問題による経営危機で債務超過に陥った際、メモリ事業を切り離して売却。米投資ファンドのベインキャピタルを中心とする企業連合が約2兆円で買収し、2019年に「キオクシア」として再出発しました。

しかし上場への道は、何度も揺れました。

2020年、東証から上場承認を受けたものの、米中貿易摩擦の激化を受けて直前で延期。

2022年から2023年にかけては、メモリ市況が大きく悪化。

この時期、キオクシアは米ウエスタンデジタルのメモリ事業との統合協議を進めましたが、韓国SKハイニックスの反対などもあり頓挫しています。

単独上場か統合か、資本戦略そのものが定まらない時期でした。

そして2024年秋。ようやく上場に向けて動き出しますが、ベインキャピタルが望む時価総額1.5兆円に対し、投資家側の評価はほぼ半値の7,500億円規模。

メモリ市況の低迷、競合の株安、そして希望価格とのギャップ。結果として、当初目標の半分の評価での上場となりました。

2024年12月18日、キオクシアはようやく東証プライム市場に上場。

公開価格1,455円に対し、初値は1,440円。公開価格をわずかに割り込むスタートでした。

上場時の時価総額は1兆円に満たなかった時価総額。

それが今、25兆円です!25兆ですよ!

第3章|元・東芝。日本唯一のNAND大手メーカー

ここで、キオクシアが作っている「NAND」という半導体について整理します。

スマホやPCで「128GB」「256GB」と表示される容量、あれがNAND型フラッシュメモリの大きさです。

写真も動画もアプリも、NANDがなければ保存できません。SDカードやUSBメモリもNANDです。

よく聞く「DRAM」は同じくメモリ半導体の一つですが、役割は”計算用の作業机”。

NANDはその机の引き出しで、データを長期保存する役割を担っています。DRAMは電源を切るとデータが消えますが、NANDは電源を切っても残る。だからスマホの写真が消えずに残っているわけです。

ここだけ分かれば、この先の話は全部ついていけます。

そしてこのNANDという技術、もともと1987年に東芝が世界で初めて発明したもの。

キオクシアはその技術を受け継ぎ、三重県四日市と岩手県北上の2つの巨大工場で、NAND世界シェア3位を維持しています。

1位は韓国サムスン、2位は韓国SKハイニックス。この2社に次ぐ、日本唯一の大手半導体メモリメーカーがキオクシアです。

第4章|なぜ利益が爆発したのか──AI需要とNAND価格の構造

では、なぜキオクシアの利益がここまで爆発したのか。

答えはシンプルです。AI向けデータセンターへの投資が世界中で加速し、NANDの需要が激増しているからです。

AIが学習するには、膨大なデータを保存・読み出しする必要があります。

その保存先がNANDです。GoogleやMeta、Microsoftなど米テック大手がAI向けデータセンターへの投資を積極化する中で、NANDの供給が需要に追いつかない状態が続いています!

供給が足りないとどうなるか。価格が上がります。

ここが今回のポイントです。NANDは本来、価格競争になりやすい製品です。

各社が大量に作って安く売る。需要が落ちれば在庫が余り、値崩れが起きる。この繰り返しで、キオクシアも長年にわたって赤字と黒字を行ったり来たりしていました。

それが今、需要が供給を大きく上回っているために、価格を上げても売れる状態になっている。だから営業利益率が54%という異常な数字になっているわけです。

高く作ると赤字になる──そういうコスト構造の中で戦ってきた会社が、営業利益率54%を出している。これは本当にとんでもないことが起きています。

競合も同じくAI特需に沸いています。

韓国SKハイニックスの2026年1〜3月期の純利益は前年同期比5倍、サムスン電子の半導体部門の営業利益は同期に49倍。けん引役はDRAMを積層して作るHBM(広帯域メモリー、AIの計算で使う超高速の作業机)ですが、NANDの需要もかなり逼迫しています。

第5章|株価の高騰──時価総額25兆円、東証5位に

株価にもこの変化は反映されています。

2024年12月の上場時、時価総額は1兆円に満たなかった。それが今、25兆円!

東証プライム市場で三菱UFJフィナンシャル・グループや東京エレクトロンに次ぐ5位にまで駆け上がりました。

4月にはあのソニーグループも上回っています。

年初からの株価上昇は4倍。日経平均株価の上昇率(25%)を大きく引き離しています!

ベインキャピタルは上場時に特別目的会社(SPC)などを通じてキオクシア株を50%超保有していましたが、足元では20%強まで低下。上場時にはほとんど株式を売却しなかったものの、株高を受けて段階的に売却し、十分な利益を享受しているとみられます。

ただし、ここにはリスクもあります。

浮動株(市場で自由に売買できる株)がまだ少ないため、ニュース一つに対して株価が過敏に反応しやすい構造。今後、ベインキャピタルによる大型の売り出しがあれば、急落の可能性も十分にあり得ます。

また、NANDは市況変動が大きいとされる製品。直近の好調をいつまで維持できるかは、注意して見ておく必要があります。

第6章|こーへいの視点"現場で感じること"

半導体材料業界に10年以上携わり、営業として3年、この業界の変化を間近で見てきた立場から、率直な感想を書きます。

キオクシアの製品”NAND”市場の変化は半導体材料業界全体に波及しており、その空気感は確実に伝わってきます!

まず、キオクシアの歩みに対して、私は強いリスペクトを持っています。

日本の半導体産業が衰退したと言われる中で、NANDフラッシュという領域で粘り強く生き残ってきた企業

三重と岩手の2拠点で、サムスンやSKハイニックスという韓国の巨大企業と正面から競争し続けてきた。その事実だけでも、大きな価値があります。

そしてこの企業が、つい最近まで上場すらままならなかったという事実。何度も上場が揺れ、資本戦略も迷走し、市場から厳しい評価を受け続けた。それが今、営業利益でトヨタを超える予想が出ている。

このドラスティックな変化は、本当に凄まじいと思います。

背景にあるのは、AIによるNANDフラッシュの需要爆発です。

NANDを製造できる企業は世界でもキオクシア、サムスン、SKハイニックスなど数社に限られており、需要に対して供給が全く追いついていない。

本来、NANDは価格競争に陥りやすい製品。キオクシアも非常にコスト意識が強い会社でした。

高く作ると、いくら作っても赤字になってしまうからです。そうした背景を考えると、営業利益率54%という数字は本当にとんでもないことが起こっている証拠です。

メモリ市場は好不況の波が激しく、投資をしても在庫過多になって価格が落ち、各社が赤字になることを繰り返してきました。しかし今回のAIの波はこれまでの比ではない。この好調の波はどこまで続くのか。

日本国内において、キオクシアの存在感は極めて大きい!NANDフラッシュという領域で粘り強く頑張ってきたこの企業を、私は応援しています。

ただし、NAND専業であるがゆえの市況変動リスクは忘れてはいけません。スマホなど民生向けにも使われるNANDは、DRAMとNANDの双方を手掛けるサムスンやSKハイニックスと比べて、業績の振れ幅が大きくなりやすい構造です。好調な今だからこそ、リスクも含めて注目していきたいと思います。

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@Kohei127_

引用元記事:

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB095KT0Z00C26A5000000/