オープンから半年。売上・客単価・客数のリアルな推移と、「低単価モデル」の残酷な現実。
おはようございます。炒飯人です。
最近気温も下がり過ごしやすくなってきましたね。
前回の記事では、新店舗「龍虎炒飯店」で直面している理想と現場の摩擦について触れました。今回はさらに踏み込み、2026年3月のオープンから約半年が経った現在までの売上・客単価・客数の推移(少し抽象化しますが、、、)を交えながら、現場で何が起きていたのかを包み隠さずお話しします。
結論から言うと、「低単価を前提とした飲食モデルは、現代の外食市場において想像を絶するほど脆い」ということです。
1. 3月〜9月の推移に見る「3つの誤算」
オープン景気と初期の錯覚(3月〜4月) オープン当初は新店効果もあり、客数は順調に伸びました。店内は連日賑わい、一見すると繁盛しているように見えます。しかし、レジを締めて残る数字を見たとき、早くも違和感が走りました。「客数は出ているのに、売上極端に低い」という現実です。4月は客数にして3,500名様ほどの来店がありました。金龍の国府宮駅前店と奥町店を足してもこの数字にはならないほどの来客数です。しかし、客単価は想像を絶する低さ。まさかの約700円。金龍の客単価が1,100円前後(店舗によっては1,200円を超える)であることを考えるとすさまじい低さです。想定よりチャーハン以外の注文が少なかったことも客単価の低さにつながりました。これだけ客数があってもこの客単価ではビジネスとして厳しい収益になります。
客足の落ち着きと「客単価の低さ」(5月〜7月) 梅雨から初夏にかけて初期の物珍しさが落ち着くと、客数は一定のペースに移行し、酷暑の7月8月はメインの客層だった近隣の高齢者層の来店がぱったりと止まりました。ここで重くのしかかったのが「客単価の低さ」です。日常使いを狙った価格設定ゆえに、追加のサイドメニューやドリンクへのアップセルが想定通りに進まず、客単価は目標ラインに届かないまま横ばいが続きました。そして大きな想定外だったのは、オープン景気後の落ち込みが半端ではなかったこと。具体的な数字は控えますが大げさではなく、半減しました。
2. 「安くて旨い」の裏にある冷徹な計算式
飲食店の売上は「客数 × 客単価」で決まります。 客単価を低く設定するということは、利益を出すために「途方もない皿数」を売り続けなければならないことを意味します。そう、客数を追うということは地方の田舎立地においては非常に難易度が高く、新規顧客ではなくリピート顧客を増やしていかないと成り立たない。ここで私の立てたコンセプトがあだになりました。それはまた次回以降に譲りますが。
しかし、以前からお伝えしている通り、チャーハンをはじめとする炒め物は「中華鍋と火力の制約」を強く受けます。ラーメンのように一度に何玉も茹でて短時間で捌くことが難しく、どれだけお客様が並んでいても、1時間に製造できる上限が決まっています。特にメインのランチ時間帯の満足度、特に提供スピードに大きな課題がありました。
客単価が低い
一気に大量生産できない(製造上限がある)
人件費・食材原価・光熱費は高止まりしている
この3つの条件が重なったとき、利益の逃げ場は完全に塞がれます。売上を追おうとすれば現場が疲弊し、現場を守ろうとすれば赤字が膨らむ。「低単価×労働集約型」のビジネスが抱える、構造的な袋小路でした。
3. 現場で数字と向き合うということ
どれだけお客様に「安くて美味しいね」と喜んでいただけても、事業として持続できなければ、それは自己満足に過ぎません。料理人としてのプライドと、経営者としての冷徹な算数。その狭間で葛藤し続けた半年間でした。
この「低単価モデルの厳しさ」から得たデータと教訓は、痛みを伴うものでしたが、今後の店舗展開やビジネス設計において何物にも代えがたい資産になりました。
次回は、この半年間の推移を経て、私が現場で試みた「単価アップとオペレーション改善の悪戦苦闘」、そして経営者として下さざるを得ない「最終的な判断基準」について触れていきます。
