問題社員に自主退職を促したら「だったらいっそ解雇して欲しい」と言われた件
先日、半月ほど前に入社した社員が、早々に退社した。
僕としては残念だった。「人を見る目がなかった。採用時の判断が甘かった」と憤る部分もあった。
ただ、今回の件は僕たちにとって、法律と道徳のあいだにある“現実”を強烈に突きつけてきた出来事でもあった。
もちろん、これはあくまでひとつの会社のひとつのケースだ。すべての労働者や会社に当てはまるわけではない。
ただ、現場で起きたリアルとして読んでもらえたら嬉しい。
彼は、他の社員が「若い男性が面接を受けたいと言っている」と僕に紹介して来た。
年齢はまだ30歳手前。大卒。営業経験あり。担い手不足の建設業界では、喉から手が出るほど欲しい人材だった。
社長と僕の二人で面接をした。問題なく採用となった。
だが――
入社後まもなく、彼には多額の借金があることが分かった。
「面接であえて言うことではないと判断した。隠すつもりはなかった。早く返済したい」
と彼は言った。
それから、会社に副業の許可を求め、会社が許可した途端に、副業を4つも掛け持ちした。
当然、本業に集中できるはずがない。
体調は崩れがち、欠勤も多く、寝坊も頻繁。
そしてある日、睡眠不足で朦朧とする意識のなか自宅の階段から転落して骨折。全治1か月。
昨日今日入ったばかりの素人同然の社員が1か月離脱してしまえば、現場で任せられる仕事はない。
社長と僕は悩んだ末、彼に退職勧奨(会社が従業員に自主退職を“促す”行為。 ただし、あくまで“提案”であり、強制ではない)を行った。 彼はその場で「分かりました」と了承した。
──はずだった。
数日後、彼の態度は豹変した。
「自分には働く意思がある。だから自主退職はしない」
と言い出したのだ。
彼にヤル気はない。これまでの彼の業務態度を見ればそれは明白。そうか、彼は解雇を望んでいるのかな? たまにこういう奴がいると誰かから聞いたことがある。
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