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『物価高対策と政治的信念』高市首相の長すぎるつぶやき

2026年8月14日、高市首相公式のXアカウントから、政府の物価高対策について説明するポストがあった。長文のため参照元は末尾に添付させていただいた。

  • 高市内閣では、国民の皆様が直面されている「物価高」への対応に最優先で取り組んできました。高市内閣は、国民の皆様が苦しむ「物価高対策」をないがしろにして、自らの政治的信念の実現を優先しているように見えるとのご意見があるようですが、それは私の認識とは異なります。

  • これまでに講じてきた「物価高対策」の政策効果もあり、下図の通り、「G7で最も低いインフレ率(前年比1.7%)」「G7で最も高い実質賃金上昇率(前年比1.7%)」を実現することができています。

と述べている。

出所:高市早苗公式Xアカウントより引用
出所:高市早苗公式Xアカウントより引用

確かに日本のCPI上昇率は今年に入って鈍化しており、成果をアピールしたかったのかもしれない。

物価高対策の中身

ポストの中では、

  • ガソリン暫定税率廃止や燃料油補助等により、0.7%ポイント

  • いわゆる教育無償化により0.3%ポイント

と、インフレ率を押し下げた政策について説明している。これがなければインフレ率は1%程度高かったことになる。しかし、ガソリン税率も教育費も下げ続けることはできないし、米価格も下がり続ける訳ではない。今年下がった分が据え置かれるなら、来年には押し下げ効果はなくなる。他の要因が変わらないならば、来年のインフレ率はまた上昇してしまう。

今後の物価高対策としては、

  • 電気・ガス料金支援

  • 所得税減税

  • 「年金」については、今年6月振込分から、増額

に言及している。

減税と補助金が無限に続けられるなら、最初からこの世に税金など存在しない。

G7でいちばん

高市首相はG7で最も低いインフレ率と誇っている。これは、他国が同様な物価高対策を行っていないということでもある。他国が同様な政策で追随すれば、他国も同様にインフレ率は下がる。

なぜ他国が追随しないのだろうか。はっきり言ってしまえば、今の日本の物価高対策が効果的ではないからだろう。日本は他国にできないことをやっている訳ではない。他国がやらないことをやっている。

片山財務大臣はこの高市首相のポストに対し「国際会議でも聞かれます」とやや自慢げに引用しているが、羨ましがられているようには個人的には思えない。なぜそんなことを?と訝しがられているだけではないか。

減税と補助金による物価高対策には持続性がない。

もう一つ、他国が追随しない要因として、他国は日本よりもインフレ慣れしている可能性が考えられる。日本は長くインフレ率がゼロ近傍であり、物価が上がること自体に戸惑いを覚える人が多いのではないか。日銀の黒田前総裁は、在任時の講演で、

  • 消費者物価が安定的に2%上昇するという状況は、決して「物価が大きく上がっている」ような状況ではありません。むしろ、実感としては、「物価は、全体として概ね横這いか、ごく緩やかに上昇している」といった状態に近いと思います。

と語った。しかしこれは単なる決めつけだった。少なくとも2%を概ね横ばいとは感じない。

「デフレマインド」から「チェンジ」しなくては

最も不可解なのは高市首相の最後のポストだ。

  • そもそも、経済成長には、一定の「物価上昇」が伴います。元々、「2%の物価安定目標(消費者物価の前年比上昇率2%)」を持続的に実現する為に、安倍内閣以降の歴代政権も日銀も努力を続けてきました。

  • 今こそ、企業も消費者も、長く続いた「デフレマインド」から「チェンジ」しなくては、日本経済は成長しません。

物価を上げたいのか下げたいのか。

インフレ率を押し下げるような物価高対策をやっていてはデフレマインドからチェンジできないのではないか。高市内閣が物価高対策を蔑ろにしているという意見があるのも当然だろう。デフレ脱却が政治的信念ならば、物価高対策は蔑ろにしなければならない。政府見解では、まだ日本はデフレ脱却していないのである。


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