モンシロチョウの絵
小学生の頃、国語の授業で、教科書に載っている詩を読んでその感想絵を描くというものがあった。
詩には、モンシロチョウが蟻に運ばれていくというシーンがあった。
私が描いた絵は、そのシーンを客観的に俯瞰したような、なんとも面白味のない絵だ。
地面に落ちているモンシロチョウ、その周りに蟻、蟻の行列。
事実だけがあった。
私は正確に詩を絵にした。
と、私は思っていた。
全員分の感想絵は、教室の壁に貼り出された。
すると、1枚として同じ絵はなかったのである。
ある人は、マンガっぽく、モンシロチョウが「助けてー」と言っている風に描いていたし、ある人のモンシロチョウは、もう蟻に食べられていたし、ある人のモンシロチョウは、まだ元気に空を飛んでいた。
なるほど。
同じ詩を読んでも、受け取るものは全く違うのだ。
自分には自分の、他人には他人の、視点がある。
それを初めて体感した瞬間であった。
また、別の年の国語の授業で、詩を読んで感想を書くというものがあった。
一滴のしずくが、やがて海にたどり着く、という感じの詩だ。
私はしずくを人になぞらえ、「やがて海という大きなものの一部になるということに、奇妙な安らぎを覚える」といった感じの感想を書いた。
その感想文は、全文または一部抜粋で、全員に紹介された。
するとまた、一人ひとり視点が違っていたのだが、私の感想は特にズレていた。
しずくや水のことを書いている人しかおらず、「安らぎが云々」なんて書いている人は私だけだったのである。
この頃から、私は他人の視点に執着するようになった。
自分の感じ方が、正解なのか分からない。
考え方のスタート地点が、合っているのか分からない。
確かめたい。
みんなが、あの子が、どのように世界を見ているのか。
私の見ている世界は、本当にそんな形をしているのか。
当時はそれで随分と悩んだものである。
今は、視点の違いって面白いな、くらいで落ち着いているから、大丈夫なんだけれども。
むしろ、私の視点がちょっとズレがちなのだって、個性的でいいじゃん、と思えるまでになってきた。
相変わらず、他人の視点を知ることは好きだ。
だから毎日大量のエッセイなどを読む。
そして、自分の視点を文章や作品で披露することも、また好きなのである。
マイキーさん主催の、【エッセイしりとり】というリレー企画に参加させていただきました。
バトンを渡してくださったシュウさん、ありがとうございました。
とても楽しかったです!!
さて、バトンなので誰かに回さないと…と考えているのですが、私は人に何かを頼むのがとても苦手なので、悩むところです。
あの、もし、参加してもいいよー!という方がいらっしゃいましたら、コメントかDMでご連絡いただけないでしょうか。
タイトルでしりとりという企画なので、次は「え」から始まるタイトルのエッセイになります。
もしよければ、よろしくお願いします。
