はじめてのラジオ出演で気づいた、私が「翻訳者」であり「伴走者」でありたい理由
先日、初めてラジオ番組に出演させていただきました。
これまで研修や講演など、人前でお話しする機会は数多くありましたが、ラジオの収録は初めての経験です。
収録前は、
「うまく話せるだろうか」
「緊張して、頭が真っ白にならないだろうか」
と、少しだけ心配していました。
ところが、いざ収録が始まってみると、緊張するというよりも、日頃考えていることや、仕事を通して感じていることを思う存分お話しすることができました。
気がつけば、あっという間に収録が終了。
「もう終わったのですか?」
そんな感覚になるほど、楽しく、気持ちよくお話しさせていただきました。
今回のラジオ出演は、単に初めての経験を楽しんだだけではありません。
自分の仕事について言葉にする中で、私は働く人と組織の間に立つ「翻訳者」であり、同じ道を共に歩く「伴走者」なのかもしれないと、改めて気づく時間になりました。
noteの記事が、ラジオ出演につながった
今回、出演のお声がけをいただいたきっかけは、私がこれまで書いてきたnoteの記事でした。
記事を読んでくださった番組の方が、その内容に共感してくださり、丁寧に台本を作成してくださいました。
一つの記事が誰かの目に留まり、共感していただき、そこから新しいご縁につながっていく。
普段、記事を書いているときには、読んでくださる方の姿が具体的に見えるわけではありません。
それでも、自分が現場で感じたことや、働く方々との対話の中で考えたことを、一つひとつ言葉にしてきました。
その言葉が、見えないところで誰かに届いていた。
そう思うと、とてもうれしく感じます。
同時に、発信することの大切さを改めて実感する機会にもなりました。
自分の中では当たり前になっている経験や考えも、言葉にして外へ届けることで、誰かの気づきや、新しいつながりのきっかけになることがあります。
今回の出演も、noteを書き続けてきたからこそ生まれたご縁でした。
話す人の言葉を引き出す、プロの仕事
今回の収録でもう一つ印象に残ったのは、番組をつくる方々のプロフェッショナルな仕事ぶりです。
私が話したいことや伝えたいことを事前に丁寧にくみ取り、それを自然な会話につながる台本へと整理してくださいました。
収録中も、私の話を受け止めながら、適切なタイミングで問いを投げかけてくださいます。
そのため、私は構えすぎることなく、自分の言葉で話すことができました。
話し手が安心して話せる場をつくり、その人の中にある言葉や思いを引き出していく。
それは、私自身が企業研修やキャリア支援、組織開発の場で大切にしていることとも重なります。
安心して話せる場があるからこそ、人は自分の考えに気づき、まだ言葉になっていなかった思いを表現できるようになります。
今回、私は話し手という立場でした。
しかし、プロの方々がつくる場に支えられながら話すことで、安心できる場の力を、改めて身をもって感じました。
私は、働く人と組織の「翻訳者」なのかもしれない
収録の中で自分の仕事について話しながら、改めて気づいたことがあります。
それは、私は働く人と組織の間に立つ「翻訳者」のような存在なのかもしれない、ということです。
私は、圧倒的な実績や華やかな経歴を掲げ、強い言葉で人を引っ張っていくようなタイプではありません。
いわゆる「圧倒的なバリキャリ」と呼ばれるような存在とも、少し違います。
むしろ、現場で働く方々の迷いや葛藤、言葉にならないモヤモヤに耳を傾けながら、その思いを一緒に整理していく。
経営者の思い。
管理職が背負っている責任。
現場で働く人たちの本音。
それぞれの立場には、それぞれの事情があり、それぞれの正しさがあります。
ただ、立場が違えば、使う言葉も、見えている景色も変わります。
たとえば、経営者が、
「社員には、もっと主体的に動いてほしい」
と考えていたとしても、社員側には、
「何をどこまで任されているのか分からない」
「失敗したときに責められるのではないか」
と映っていることがあります。
管理職が、
「部下に成長してほしい」
と思って厳しく伝えた言葉が、部下には、
「自分は認めてもらえていない」
というメッセージとして届いてしまうこともあります。
どちらか一方が悪いわけではありません。
ただ、思いと言葉の間に、少しずれが生まれているのです。
私は、そのずれを見つけ、一方の言葉をもう一方が理解できる形に置き換えていく。
経営者の思いを、社員が自分ごととして受け止められる言葉へ。
社員の不安や戸惑いを、経営者や管理職が理解できる言葉へ。
まだ本人にも整理できていない感情を、その人自身が受け止められる言葉へ。
異なる立場の人たちの間で、言葉と思いをつなぎ直す。
それが、私の担っている「翻訳者」としての役割なのだと思います。
翻訳するだけでなく、変化の道を共に歩く「伴走者」
一方で、言葉を翻訳し、互いの思いを理解できるようにするだけでは、組織はすぐには変わりません。
理解できたからといって、翌日からすべての関係がうまくいくわけでもありません。
長い時間をかけて生まれたすれ違いや、積み重なった不信感、職場に根づいた行動の癖は、一度の研修や一度の対話だけでは変わらないことがあります。
だからこそ、私がもう一つ大切にしているのが「伴走者」であることです。
伴走者は、答えを一方的に教える人ではありません。
相手より先に走って、無理に引っ張る人でもありません。
同じ方向を見ながら、その人や組織の歩幅に合わせて隣を歩く存在です。
立ち止まるときには、一緒に立ち止まる。
迷ったときには、何に迷っているのかを一緒に整理する。
うまくいったときには、その変化を共に喜ぶ。
そして、また次の一歩を考える。
企業の中で起こる変化は、いつも一直線ではありません。
対話が進んだと思ったら、再び意見がぶつかることもあります。
決めた行動が、忙しさの中で続かなくなることもあります。
本音を話せるようになったからこそ、新しい課題が見えてくることもあります。
けれども、それは後戻りではありません。
組織が本当に変わろうとしているからこそ表面に出てきた、大切なプロセスでもあります。
私は、そのプロセスを急いで結論づけるのではなく、対話を重ねながら一緒に歩いていきたいと思っています。
「翻訳者」として、言葉にならない思いをつなぐ。
「伴走者」として、その思いが行動や関係性の変化につながるまで、隣で歩き続ける。
この二つは、私の中では切り離せない役割です。
泥臭いからこそ、見えるものがある
人と組織を支援する仕事には、分かりやすい正解がないことも少なくありません。
対話の場を一度つくれば、すべてが解決するわけではありません。
ときには、同じような話を何度も聴くこともあります。
それぞれの立場から、まったく異なる説明を受けることもあります。
誰かの一言によって、せっかく前へ進みかけていた関係が、再び難しくなることもあります。
決して、スマートに進むことばかりではありません。
むしろ、かなり泥臭い仕事です。
それでも、丁寧に話を聴いていくと、対立している人たちの奥に、共通した願いが見つかることがあります。
「会社をもっとよくしたい」
「自分の責任を果たしたい」
「相手にも分かってほしい」
表面に現れる言葉や行動は違っていても、その根底には、似た願いが隠れていることがあります。
その願いを見つけ、双方に伝わる言葉へ翻訳する。
そして、互いに理解し合い、少しずつ行動を変えていく過程を伴走する。
人と人との間にあった誤解が少しずつほどけ、相手の思いが見えるようになったとき、組織の空気は確実に変わります。
会議で発言する人が増えたり、部門を越えて相談できるようになったり、上司と部下の会話が少し柔らかくなったり。
そうした小さな変化が、やがて組織全体の大きな変化につながっていきます。
私は、その瞬間に立ち会えることに、大きなやりがいを感じています。
来月、法人化という新たな一歩へ
番組の中では、来月法人化する新会社についても、少しお話ししています。
これまで個人事業として、人財育成やキャリア支援、組織開発に携わってきました。
一度きりの研修だけではなく、継続的に企業や働く方々に関わる中で、改めて感じていることがあります。
それは、人と組織の変化には時間が必要だということです。
研修で気づきを得ても、職場へ戻れば日常の忙しさがあります。
新しい行動に挑戦しても、すぐにうまくいくとは限りません。
だからこそ、研修を実施して終わるのではなく、その後の対話や実践まで支援することが大切だと考えるようになりました。
これからは、これまで積み重ねてきた経験を土台にしながら、より継続的に企業と働く方々に寄り添える体制をつくっていきたいと思っています。
法人化は、ゴールではありません。
むしろ、新しいスタートです。
組織の中にある思いや願いを翻訳し、人と人をつなぐ。
そして、一人ひとりが自分らしく力を発揮できるようになるまで、企業と共に歩いていく。
「翻訳者」と「伴走者」という二つの役割を、これまで以上に丁寧に果たしていきたいと思っています。
言葉にすることで、自分の役割が見えてくる
今回のラジオ出演を通して、言葉にすることの力を改めて感じました。
自分の仕事について問いかけていただき、自分の言葉で話すことで、
「私は何を大切にしているのか」
「誰のために、何を届けたいのか」
「これから、どのような役割を果たしていきたいのか」
を、改めて見つめることができました。
日々仕事をしていると、自分の役割を立ち止まって考える時間は、意外と少ないものです。
けれども、人に話したり、文章に書いたりすることで、自分でも気づいていなかった思いが見えてくることがあります。
私はこれからも、働く方々の声に耳を傾けながら、言葉にならない思いをつなぐ「翻訳者」でありたいと思います。
同時に、すぐに答えを出そうとするのではなく、その人や組織が自分たちなりの答えを見つけ、変化していく道のりを共に歩く「伴走者」でありたいと思います。
言葉と思いをつなぐ。
気づきと行動をつなぐ。
人と人をつなぐ。
そして、一歩を踏み出した人や組織の隣を、共に歩いていく。
今回のラジオ出演は、そんな自分の役割を改めて確認する時間になりました。
お時間のあるときに、ぜひお聴きいただけるとうれしいです。
📻YouTube
https://youtu.be/5zDhTdpvDjI
📻Spotify
https://open.spotify.com/episode/0UArNQaqPmTK7QhnxETX7P
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