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洲本城の点群を、軽くして届ける準備をする

前回は、洲本城跡の点群からレポート用のビュー画像を作るために、見る場所や点の表示サイズを調整した。

今回は、その続き。

大容量の点群を、そのまま客先へ渡すのではなく、Navisworks Freedomで扱いやすいサイズにできないか検証した。

点群を軽量化してみる

元の点群ファイルは35.2GB。

これを軽量化した。

範囲を指定して消すのではなく、全体的に点の密度を下げた。

手順は、秘密だ。

結果は、

ファイルサイズ
軽量化前    35.2GB
軽量化レベル1  21.5GB
軽量化レベル2  8.25GB

となった。

軽量化レベル1では約39%、軽量化レベル2では約76.6%の軽量化に成功した。

8GB程度まで小さくできたのは、大収穫だ。

では、実際にNavisworksで見たらどうなるのか。

軽量化した点群をNavisworksで確認

軽量化した点群をNavisworksへ持っていき、前回登録していたビューをインポートした。

ビューは問題なく移行できた。

つまり、軽量化前の点群で登録したビューを、軽量化後の点群でもそのまま使える。

これは今回の検証では重要なポイントだった。

レポートに掲載した画像を見ながら、客先が同じビューを選択すれば、軽量化された点群でも同じ場所、同じ方向から確認できる。

もちろん、軽量化前と比べれば、点の密度は減っている。

そのため、多少間引かれた感じはある。

ただ、外形を確認したり、周囲との位置関係を把握したりする用途であれば、問題ないと判断した。

そこで、前回と同じ「茶屋」のビューについて、軽量化前、軽量化レベル1、軽量化レベル2を比較してみた。

軽量化前 点サイズ4
軽量化レベル1 点サイズ6
軽量化レベル2 点サイズ7

見た目だけを比較すれば、やはり軽量化前のほうがきれいだ。

点の密度が減っているので、点の表示サイズを大きくしても、元の密度には戻らない。

レポートの画像は、軽量化前のものを使う

ここで、少し考えた。

レポートに使う画像まで、軽量化した点群から作る必要があるのだろうか。

目的は、「軽量化した点群を美しく見せること」ではない。

客先が点群を扱いやすくすることだ。

そして、必要な場所の外形や位置関係を確認できること。

そう考えると、レポートと点群は、同じデータから作る必要はない。

レポートの画像は、軽量化前の高密度な点群から作る。

見やすい画像で、確認する場所や形状を伝える。

一方、客先がNavisworks Freedomで操作する点群は、軽量化したものを使う。

レポートを見ながら登録ビューを選択すれば、同じ場所を同じ方向から確認できる。

見た目は多少粗くなっていても、外形や位置関係を確認するという目的には問題ない。

それ以上に、軽くなったことでスペックの高くないノートPCでも快適に動かせるという利点のほうが大きな収穫だ。

つまり、

レポートは「見せるため」

軽量化点群は「操作して確認するため」

と役割を分ければいい。

軽量化すると、配布方法も変わる

今回、もう一つ大きいと思ったことがある。

点群を軽量化できると、納品後のデータ配布がかなり楽になる。

もちろん、データ転送サービスなどを利用して、関連会社へオンラインで配布する方法もある。

ただ、現場によっては、安定したネットワーク環境があるとは限らない。

そういう場合は、物理的に渡してしまえばいい。

たとえば、軽量化した点群データを人数分のUSBメモリにコピーする。

全体の打ち合わせなどで、各関連会社へ手渡す。

それぞれ持ち帰って、自分の会社のPCで開いて確認する。

それなら、

「ダウンロードアドレスのメールどこだっけ」
と探したが有効期限が切れている、ということもなく、

「点群USB、引き出しの2番目に入ってるよ」
という管理が可能になる。

年配の職人さんなど、密かに喜ばれるのではないだろうか。

USBメモリには、点群データだけではなく、ビュー画像を掲載したレポートもPDFで入れておく。

そうすれば、

USBメモリ

  • 軽量化した点群データ

  • ビュー画像付きレポートPDF

を一式として渡せる。

8GB程度のファイルサイズなら、USBメモリも16GB程度のものが十分活躍できる。

大容量の点群を「どうやって送るか」という問題が、軽量化することで「USBに入れて渡す」という非常に単純な方法まで選択肢に入ってくる。

オンラインで送ってもいい。

USBで渡してもいい。

現場の環境に合わせて選べる。

軽量化して終わり、ではなかった

今回、軽量化した点群からレポート用画像も書き出してみた。

結果として、画像は軽量化前ほど美しくならなかった。

でも、それは軽量化に失敗したということではなかった。

むしろ、実際に比較してみたことで、

「何を軽量化し、何を軽量化しないのか」

を分けて考えられるようになった。

大容量の元データから、高品質なレポート画像を作る。

その一方で、客先が扱う点群は軽量化して、Navisworks Freedomで操作しやすくする。

さらに、登録ビューを移行することで、レポートと軽量化点群をつなぐ。

そして、必要であれば軽量化した点群とレポートをUSBメモリに入れて、関係者へ配布する。

これなら、客先はレポートを見ながらビューを選び、必要な場所を自分で確認できる。

今回の検証で、

「点群を軽量化する」

だけではなく、

「軽量化した点群を、どう成果物の中に組み込むか」

まで考えられるようになった。

空間翻訳社では、点群そのものを渡して終わりではなく、

「どこを見ればいいのか」

「どうやって確認するのか」

まで含めて、使える状態にすることを考えている。

今回の軽量化も、そのための検証である。


ここまで実際に検証してみましたが、私自身では気づいていない問題もあるかもしれません。

皆さんが実際に納品された側だとしたら、どんな問題が考えられると思いますか。

「ここは使いにくいかもしれない」
「こういう場合は困る」
「こういう方法もある」

など、私が考えついていない視点があれば、ぜひ教えてください。

実際に受け取る側の視点を知ることで、空間翻訳社のサービスをもっと現実的なものにできると思っています。


次回は、今回軽量化したNavisworks用データとレポートを、実際にダウンロードして試していただける形で公開する予定です。

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