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ゲシュタルト崩壊の先に習得が待っている。スト6のコンボ練習から思い出したギタリスト時代の話

つい先日、『ストリートファイター6』で、ようやくクラシック操作のエドでダイヤモンドに到達することができました。

もともとはV最スト6に合わせて上げたいと思っていたのですが、約1ヶ月遅れになってしまいました。

30分だけでもいいから欠かさずトレーニングモード(トレモ)に入り、コンボ練習を繰り返す。それを継続するようになって、ようやく長く苦しんだプラチナスタック状態から脱出できた形です。とはいえ、まだダイヤ1とプラチナ5を行き来しているような段階で、決して安定はしていません。その原因の一つとして、最近ある「奇妙な現象」に悩まされていることがあります。それは、コンボ精度の急激な低下です。

身体が覚えていたはずのコンボが、急に繋がらなくなる

プラチナ2〜3あたりをうろうろしていた頃は、いわゆる「基礎コンボ」をミスすることなんてほとんどない、という感覚ありました。愛用しているレバーレスであるkitsuneを叩く心地よい感覚と、コンボを決め切る快感だけが残っています。

しかし最近になって、なぜかその基本のコンボミスが多発しているのです。

さらにタチが悪いのは、ミスしないようにと意識して手元に集中すればするほど、さらに泥沼にはまるようにミスが出てしまうこと。これは緊張によるミス誘発が生じやすいランクマッチのだけの話ではなく、トレーニングモードでも全く同じ現象が起きてしまいます。

最初は単に「手の感覚を忘れてしまっただけだろう」と思い、ひたすら反復練習を続けてみたのですが、一向に感覚が戻りません。どうしてこんなことが起きるのか、じっくりと考えを巡らせているうちに、ある一つの結論に達しました。「これって、ゲシュタルト崩壊に近い状態が起きているんじゃないか?」と。

そもそも「ゲシュタルト崩壊」とは何なのか

ここで少し、この現象のメカニズムについて紐解いてみましょう。

ゲシュタルト崩壊とは、全体としてのまとまりを持った構造(ゲシュタルト)から全体性が失われ、個々の構成要素にバラバラに分離して認識されてしまう心理学的現象のことです。よく知られているのは、同じ漢字をじっと見続けていると「あれ、こんな文字だっけ?」と、文字としての意味をなさず、ただの線の集まりに見えてくる現象です。

これは脳の視覚的な疲労や、同じ刺激を繰り返し受けたことでニューロンの活動が減衰(順応)し、全体を統合する処理能力が一時的に低下するために起こると言われています。

実はこの現象、文字などの視覚情報だけでなく、今回私が直面している「身体の連続した動き(運動パターン)」においても、これと同じようなことが起きているように思います。

ギターを弾いていた頃、全く同じ感覚を知っていた

思い返してみると、これと全く同じ現象を、私はかつて何度も味わったことがありました。学生時代にギターを弾いていた頃の感覚です。

ライブに向けて同じ曲の同じフレーズを何度も繰り返し練習していると、それまでは何も考えなくても滑らかに動いていた指が、ある瞬間に突然、ピタッと動かなくなることがありました。「あれ? ここって指をどう動かすんだっけ?」「何弦の何フレットを弾けばいいんだっけ?」と、まさに運動パターンのゲシュタルトがバラバラに分解されて分からなくなってしまうのです。そして、一度そこに意識を向けてしまうと、意識すればするほど余計に弾けなくなっていきました。

「無意識」を「意識」した瞬間に、ブレーキがかかる

この手元や動作のゲシュタルト崩壊は、私にとって「無意識にできていた領域を、不意に自覚(意識)してしまうこと」で発生するものだと考えています。

人が何か新しい技術を習得するプロセスは、一般的に以下のようなステップを辿るはずです。

  1. やり方を学ぶ

  2. 考えながら実践する

  3. 繰り返し実施することで、脳と身体に覚え込ませる

  4. 何も意識しなくても、自動的にできるようになる(無意識の自動化)

問題は、この「3」から「4」の最終フェイズへ完全に移行するまさにその過程で、ふと「あれ、自分って今どうやって指を動かしているんだろう?」と余計な自問自答が挟まってしまうことです。

本来、完全に「無意識の領域」へと落とし込まれた動作というのは、頭で考えるより先に身体が勝手に動くフェイズにあります。そこに「意識的に考えるステップ」が介入してしまうと、それがノイズとなり処理のスピードがコンマ数秒遅れ、結果としてコンボが途切れたり、ギターのフレーズがもつれたりする状態になってしまうのだと思います。

ゲシュタルト崩壊の先に習得が待っている

ただ、かつてのギター時代の経験則から言えば、この「ゲシュタルト崩壊」が起きたときこそ、実は大チャンスでもあります。なぜならそれは、その技術が完全に自分のものとして習得される直前の「前兆」だからです。

当時は、急にフレーズが弾けなくなるとものすごく焦りました。しかし、不思議なことにそのまま1〜2日ほど時間を置くと、驚くほど自然に、しかも以前よりずっと滑らかに弾けるようになっていることがよくありました。一度バラバラになった手の動きが、綺麗に再構築され、次からは「意識しようがしまいが、完璧にできる状態」に昇華されるのです。

だからこそ、今の私にとってこの「急にできなくなるタイミング」は、むしろポジティブに捉えるべき通過点だと思っています。

今、トレモでミスを多発しているエドのコンボも、あと数日すればきっと、脳内での整理が済んでミスのない完璧なものとして出力できるようになるはず。そうして無意識の操作が馴染んでいけば、ランクも自然に上がっていくはずだと信じて、今日も練習に取り組みます。

※Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

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