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約43億5000万円もの税金が使われた万博EVバス、転用を断念して撤去開始

環境にやさしい乗り物として大阪・関西万博で導入され、来場者を輸送したEVバス。万博閉幕後は路線バスなどへ転用される予定でしたが、安全性に致命的な問題があり、大阪市城東区の敷地で“塩漬け”状態となっていました。結局、転用を断念し、5月18日に撤去に向けた作業が始まったそうです。

万博で導入されたEVバスのその後

以前の記事で、「SDGs達成への貢献」を目標に掲げ、会場への送迎や会場内の移動用に導入したEVバスに問題が起きていることを取り上げました。

福岡県に本社を置く「EVモーターズ・ジャパン」は、中国の「Wisdom Motor」という新興バスメーカーにバスの製造を委託し、大阪メトロや自治体に販売してきました。

読売テレビニュース(2026/05/18)より。

万博開催中の去年9月、回送中に大阪市内を走っていた、大阪メトロのEVバスのドライブレコーダーの映像には、バスが交差点を通過した直後、中央分離帯にぶつかる様子が映っていました。運転手は左にハンドルを切っていますが、バスは反対の右方向に進んでいるのがわかります。

このとき、バスは中央分離帯に衝突し、縁石に乗り上げました。事故当時、乗客はおらず、ケガ人はいませんでしたが、一歩間違えば、大惨事につながりかねない事故でした。

運転手は左にハンドルを切ったのに、バスは反対の右方向に進んだなんて怖すぎます。

販売会社の関係者に話を聞くと、無責任と言わざるを得ない会社の体質が見えてきました。

「補助金に間に合わせるために品質管理はそれなり」なんて、相当悪質です。


大阪メトロはバスを販売した「EVモーターズ・ジャパン」に対し、契約の解除を伝え、購入代金の返還や大阪市内に残された車両の引き取りなどを求めていましたが、一連の問題を受け販売会社は、4月、「資金繰りの懸念」を理由に民事再生の手続きを開始したため、具体的な協議はまとまっていません。

このニュースは、「導入に至った経緯など、さらなる検証が求められています」という言葉でまとめられましたが、多額の税金が使われているのですから、しっかりと検証しなければならないはずです。どのような経緯でこの会社を選んだのかも、国民に知らせるべきだと思います。

以下、AERA DIGITAL(2026/03/20)より一部引用。

そんな欠陥品のEVバス購入に、どの程度の費用がかかったのか。杉田市議が大阪市に問いただすと、次のようなことがわかった。

「1台当たりの購入価格は大型バスが約5500万円、小型バスが約3400万円。調達台数は大型バス115台、小型バス35台になります。単純に計算いたしますと150台の購入金額は約75億1500万円」

だが、大阪メトロが実際に支払ったのは4割強の31億6000万円だった。国からの補助金が約38億7000万円、大阪府・市からの補助金が約4億8000万円出たからだ。つまり、計約43億5000万円もの税金が費やされたEVバスが、欠陥だらけで使えず、野ざらしになっているというのだ。大阪市の担当者は、EVバスの代金だけでなくバスの充電設備の導入にも補助金が出ていると答弁している。

https://dot.asahi.com/articles/-/278684?page=2

万博関連では、海外パビリオンの建設をめぐる工事費未払い問題でも、4つのパビリオンに未払いがある「GL events 」(子会社「GL events Japan」)が、今年開催されるアジア大会でもパートナーシップ契約を結んでいます。2027年に開催される国際園芸博覧会(横浜)でも、サプライヤー10社に名を連ねています。なぜ悪質な企業が選ばれるのか、経緯を明らかにするべきです。

国際園芸博覧会(横浜)については、横浜市議会議員が市長に質問していました。

2025年12月10日 一般質問 みわ智恵美議員(日本共産党)

みわ議員:
大阪関西万博における不払い問題を起こしているGLイベンツジャパン株式会社を国際園芸博覧会協会がサプライヤーに認定したことについて、協会として改めてふさわしいのかどうか検討すべきではないでしょうか。協会の副会長としての市長の見解を伺います。

みわ議員は「これまで360億円としていた運営費が536億円となり、入場券も大人1人3500円から5500円へと値上がりが示されました」とも言っていましたが、「約1千万人の有料来場者数」の目標なんて達成できるのでしょうか。

山中市長:
GLイベンツジャパン株式会社についてですが、報道によりますと、複数の国内企業から工事費の未払いに関して訴訟を提起され、いずれの訴訟も交渉中あるいは係争中であると承知しております。今後、事実関係が明らかになった段階で、グリーンエキスポ協会において適切に対処していくものと承知しております。

市長なのに「報道によりますと」から「対処していくものと承知しております」まで、すべて他人事のような感じです。

このような答弁で、何か起きたとき、きちんと対応してくれると思えるでしょうか。

2026年9月19日(土)〜10月4日(日)に開催されるアジア大会についても、愛知県議会で質問が出ていました。

【アジア・アジアパラ競技大会推進局長 答弁】より
一連の報道を受けて、組織委員会はGLイベンツ社に対して、報道内容にかかる事実を確認し、本年7月15日にGLイベンツ社から報告を受けておりますが、報告の内容について、組織委員会がGLイベンツ社との契約による守秘義務が課されていることから、詳細の公表は差し控えさせていただきます。

GLイベンツ社の大阪・関西万博における業務委託と、組織委員会が契約しているアジア・アジアパラ競技大会における競技会場設営・運営業務委託は直接関係があるものではございません。したがって、このことだけをもって、契約の見直しには至らないと考えております。

何がいいたいのかよくわかりませんが、見直す気はないということなのでしょう。


EVバスは本当に環境にやさしいのか?

今回の件とは別の会社ですが、EVバスに関する記事を掘り起こしました。

下記は、韓国製の車体に、三菱重工業がリチウム電池を搭載する改造を施したEVバスに関するニュースです(2022年09月29日付)。

自動車メディア「MOBY(モビー)」より、一部引用。

2014年4月、鹿児島県薩摩川内市が全国に先駆けて路線バスへ導入した大型EVバスがわずか5年で運行を終了しました。
一般的な路線バスの寿命は10~20年ほどと言われており、比べると5年はかなりの短命です。
非常用電源や地域イベントの展示品として保管されていたこの大型EVバスは故障が多発したことや、引退後も活用される機会がほとんどなく、その生涯を終えました。

https://car-moby.jp/article/news/a-large-ev-bus-using-taxes-is-more-than-100-million-yen-than-expected-and-in-just-5-years/

処分に至った原因は、予定した稼働日のうち運行休日が約3割を占めるほどの故障の数々だった、とのことです。

中国では、EVバスに関連した訴訟が起きているようです。

元の記事

契約時にはバッテリーの保証期間は8年だったのに、購入後3年足らずで路線バス672台のバッテリーに不具合が見つかり、大規模な運休が発生したとして運営会社がメーカーに賠償を求める訴訟が起きているとのことです。

故障が多いことは人の命に関わる問題ですし、短命で処分しなければならない可能性があるなら、導入するメリットがリスクやデメリットを上回るといえるのでしょうか。

一斉に寿命が来て大量廃棄時代に突入したとき、きちんと処理できるのでしょうか。

以下、ビジネスジャーナル(2025.02.14)より。

中国では、「正規ルートでリサイクルされているバッテリーの量は2割ぐらいと言われており、8割は非正規業者で処理されている」「非正規業者は零細企業で作業環境が劣悪なことも多い。粉砕したときに粉塵が空中に飛び散ったりすれば、環境に良くないし人体にも良くない。それから、BYD(中国の主要メーカー)のバッテリーは分解しづらくてリサイクルしにくい構造になっている」「BYDは蓋を取ろうとしても取れない」「ハンマーで叩いたりといった乱暴な方法でないと分解できない」などと書かれています。

太陽光パネルと同様に、環境にやさしいかどうかは、処分するときのことも含めて考える必要があると思います。


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