上座部仏教とは?
【上座部仏教】
仏教の2大宗派は、上座部仏教と大乗仏教です。上座部仏教は「小乗仏教」とも言います。小乗とは、小さな乗り物という意味です。それは、大乗仏教側からの蔑称なので、現在では避けられています。
上座部仏教は、インド、セイロン、ビルマ、タイ、カンボジアなど南方に伝ったので、南伝仏教とも呼ばれました。仏教が繁栄したのは、インドのアショーカ王によって、保護されたからです。インドから、スリランカに伝えられ、そこで上座部仏教の基礎が作られました。11世紀には、タイやミャンマーにも広まっています。
上座部仏教は、厳格な出家主義です。出家僧は「比丘」とも言います。比丘は、独身でなければいけません。普段は、戒律を厳守し、経典の学習や瞑想をしています。食事は、1日1回だけです。それも托鉢で得たものを食べます。在家の信者は、その僧侶へ布施をすることで、功徳が積めるとされました。その功徳によって、良い転生が出来るとされています。
【教え】
上座部仏教は、伝統的、保守的、形式的とされています。なぜなら、釈迦の教えに最も忠実とされるからです。ちなみに、上座には「長老」、部には「派」という意味があります。釈迦の教えとは「四聖諦」「八正道」「十二縁起」「無我」のことです。上座部仏教では、歴史上の人物としての釈迦のみを信仰の対象としています。そのため、大乗仏教のようにたくさんの仏はいません。
上座部仏教では、輪廻からの解脱を目的としています。その方法は、瞑想による修行です。しかし、それは、あくまで個人の解脱とされています。解脱とは、自己の煩悩を滅して、涅槃に入ることです。涅槃に入った者は、安らかだとされています。上座部仏教では、その境地に達した者は、阿羅漢「あらかん」と呼ばれました。
【経典】
上座部仏教は「パーリ仏教」とも言います。なぜなら、根本経典がパーリ語で書かれているからです。ちなみに、上座部は、パーリ語で「テーラワーダ」と言います。パーリ語は、古代の言語であって、現在では、ほとんど死語です。ただし、上座部仏教圏では使われています。
上座部仏教は、パーリ語で書かれた「三蔵」のみを聖典としました。三蔵とは「経蔵」「律蔵」「論蔵」のことです。それは、スリランカで書かれました。ちなみに、上座部仏教では、後世に書かれた新経典は認められていません。
経蔵「きょうぞう」は、仏陀や弟子たちの説法や言行を集めたものです。その多くは、如是我聞で始まる対話形式になっています。如是我聞とは「私は、このように聞いた」という意味です。それらは、日常の教えや瞑想の実践に役立つとされています。例えば、法句経「ダンマパダ」「阿含経」「スッタニパータ」などは経蔵です。それらは、論蔵「ろんぞう」によって哲学的に体系化されました。論蔵では、何故そうなのか、論理的に説明しています。律蔵は、出家者向けのルールです。主に教団「サンガ」の規則や生活規範が書かれています。「四分律」などは律蔵です。「第一結集」で経蔵と律蔵が確定しました。第一結集とは、釈迦の死直後に開かれた会議のことです。その後に、論蔵が体系化されました。
